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先入観は治療の邪魔になる!? | 日本オランダ徒手療法協会

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先入観は治療の邪魔になる!?

2022.04.24

from 橋本 祐一 @自宅デスクより

 

私ごとですが、うちの息子も3歳になり段々と聞き分けもよくなって来て

より一層可愛さが増してきたんです。←完全に親バカです。笑

 

私たち親のやっていることにすごく興味を持っていて、

「これなぁに?」

「僕もやりたい」

などなど

 

積極的に色々なことをやりたがって、お手伝いをしてくれるようになって来たんです。

 

洗い終わって吹いた食器の片付けをやってくれたり、買い物中に食材を指定して取って来てもらうことができるようになって来たんです。

 

自分で興味持ってやってくれるようになってからというのもあるのですが、食器の片付けをしてくれるようになってからおもちゃの片付けも自分で段々とできるようになったりして来たんですよね。

 

前までは遊んだらそのままにする事が多かったんですが、片付けることで部屋が綺麗になって広く使えるようになったから次は体を使った遊びをする時間にできるとかなど、

 

片付けをやることで次に何があるのか興味を持たせたりすると息子の場合は率先してできるようになったんです。

 

じゃあ、苦手なトイレの動作もさせようと張り切って、自分でなんでもできるようにとやらせようとして見たものの、、、。

 

そこはうまくいかなかったんです。

 

なぜうまくいかなかったのか?

 

トイレでするための作業が多すぎたんです。

 

トイレの蓋を開ける→ズボンを脱ぐ→パンツを脱ぐ→トイレの台を準備する

→おまるをトイレにセットする→台に乗る→おまるに跨がる→やっとトイレをする

 

この行程を一遍にさせようとしたからできなかったんです。

 

これじゃあできないですよね。

 

やったことないし、作業の内容が多すぎること。

 

さらには、おしっこをすぐしたいのに色々やらされる、、、。

 

こんな苦痛はないですよね。

 

大人の私たちでも同じようにやったことない動きやできない動きを強制的にやらせてもできないよなと感じました。

 

そこで反省して、やる作業を少なくしてトイレをすることや蓋に好きなキャラクターを貼って興味をさらに持たせたり、遊びのなかにトイレの動作を取り入れて楽しいものだと思わせていくうちにできるようになったんです。

 

できたことに全力で一緒に喜んだりするとトイレをした後でも

 

「またトイレしたい」って言っていたので、私の心の中はシメシメとなっていました。笑

 

さて、

 

話は変わりますが、

 

今回は膝の痛みがなかなか治らなくてどうすればいいのか治療に困っていた頃の私の失敗談をお話ししたいと思います。

 

膝の成長痛が一向に治らない

 

 

ある日、中学3年生のサッカー少年が、膝が痛くて好きなサッカーができないから何とかして欲しいとリハビリに来たんです。

 

お医者さんの診断は膝の成長痛。

 

いわゆる、オスグット病の診断だったんです。

 

オスグッド・シュラッター病(以下オスグッド病)って、

 

”成長期の子供に頻発するスポーツ障害で、走る、跳ぶ、蹴るなどの動きによって大腿四頭筋が収縮し、付着部である脛骨粗面が引っ張られ骨が剥離することで生じる怪我。”

 

これでもわかるように、骨の剥離で起きる怪我なので、骨折と同じと考えて良いんです。

 

でも意外とコーチや親御さんも軽視しがちな怪我ですよね。痛みのない範囲で運動して良いと思っていると全然治らないということにもなってしまいます。

 

今回の場合は、レントゲンの結果も骨癒合もできており、骨の問題はないとのこと。でも一度同じ場所に痛みが出たことが2年前にもあったとのこと。

 

それで、オスグット病の診断だったし、まずは練習の参加を一時中止してもらったんです。

 

・ランニングやジャンプの中止

・シュート練習

・とにかく痛みの出る練習をストップ!!

 

ていう様な具合で。

 

さらに治療としても大腿四頭筋が、ガチガチだったので、脛骨粗面へのストレス軽減を目的にリリースやストレッチを中心に指導したんです。

 

これを約1ヶ月、、、。

 

全然痛みが変わらない。

 

ストレッチや練習の参加も私との約束を守ってくれており、負荷のコントロールも大丈夫なのに、なぜ!?

 

当時の私はなんで治っていかないのかさっぱりわからなかったんです。治療中は変な汗をかいて痛みが変わらないことに焦りを感じながらまた同じことをしてリハビリ終了。

 

、、、。泣

 

これではいかん!!

 

と私がどんな行動をしたのか?

 

文献や参考書を漁って色々見たんですけど、自分がしていることとなんら変わらない情報ばかり。

 

じゃあ、先輩に聞いてみよう!

 

先入観を捨ててみる!!

 

 

先輩からも評価が足りないんじゃないの?という回答。

 

オスグット病の評価はしっかりしてるつもりでしたが、何が足りないのかわからなかったんです。

 

わからないことを周りの人に聞いて回っていたんですけど、原点に戻って患者さんへもう一度情報を聞いたんです。

 

すると、病名がオスグット病と思っていたこともあって、痛みの箇所をすごく大雑把に評価していたことが発覚!!

 

実は、痛みの箇所が脛骨粗面よりもやや内側のところ。

 

ん!?もしかして痛みが出ている場所って鵞足部!?

 

診察の時は、2年前のオスグットのところも痛かったから担当医に話をしていたみたいですが、でも一番の痛みは鵞足部だったみたいなんです。

 

そもそも全然痛みの原因が根本的に違ったんです。今思えばこんなことをやらかしていた頃の自分を恥ずかしく思います。

 

病名がこうだと決めつけてしまった自分の先入観でことを進めてしまっていたところが治らなかった一番の原因だったんです。

 

あくまでも病名はDrからの情報です。レントゲンも一つの評価にすぎません。

 

でも、その情報だけに惑わされずにオスグットじゃない可能性も考えて痛みの出ている組織を導き出すことが大事。

 

そう! 組織の鑑別をしているのかどうかって重要ですよね。

 

じゃあどうすれば解決できるのか?

 

それは『問診』です。

 

簡単に『問診』と言いましたが、これは本当に大事。

 

当時の私が『問診』で聞かなければならない情報をしっかりと把握できていたならば、1ヶ月という無駄な治療をせず、すぐに練習に参加できていたかもしれません。

 

すぐに評価して、すぐに治療をしたくなるのですが、そこをぐっと我慢して痛みの原因を知ってからの方が良い結果になります。

 

今回のオスグット病と鵞足炎ってターゲットとなる組織が全く違うし、それに伴って治療の仕方は全く違いますよね。

 

過去の私は知識押し込み型の思考だった事もあって、思い込みをそのままに進めてしまって大きな失敗をしてしまいました。

 

こんなことにならないために、あなたも問診をしっかりすることをお勧めします。

 

P.S.

子供に教えることの難しさや楽しさがわかってきたので色々なことに挑戦させていこうと思います。

 

次はうんちもできるようにお手製のご褒美シールシートでも作ってみようかな。

 


この記事を書いた人

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橋本祐一

福岡県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。四肢コース・福岡校講師研修中。総合病院、整形外科クリニックを経験。普段は、主に一般の整形疾患からスポーツ障害の中学生・高校生などの治療を行なっている。休日に息子と戯れ合う時は、全力で遊ぶ一児の父。