しびれを取り除くには◯◯が不可欠 | 日本オランダ徒手療法協会

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しびれを取り除くには◯◯が不可欠

2022.05.23

from 橋本 祐一 @自宅デスクより

 

皆さんは、思いがけないところから探し物を見つけたことってありませんか?

 

私ってよく物が無くなったりするんです。

 

あれはどこに行った?ってな具合で奥さんに訪ねて、

 

『私は知らないよ!自分で探して!!』

 

ってよく怒られています。泣

 

まぁ自分が整理していないからすぐに無くなっちゃうんですけどね。反省。

 

それで、この前キャリーバックを整理していたんですけど、もう無くなったってしまったと思っていた子供の恐竜のフィギュアが入っていたんです。

 

子供と一緒に部屋中を探しまくって、なかなか見つからずに諦めようと伝えたけど子供は号泣。

 

手に負えなかった頃を思い出しちゃったんです。

 

ちなみに、その恐竜のフィギュアっていうのが、ヴェロキラプトルという恐竜なんです。

 

このヴェロキラプトルというのが、『ジュラシックパーク』の映画でシリーズになっているんですけど、ほとんどの作中に登場しているんですよね。

 

すごく頭のいい恐竜らしくて重要なシーンには必ずといっていいほど登場しているんです。

 

だからなのか、子供も大好きになってそのフィギュアをおもちゃ屋で見つけた時は、買わざるおえないくらい駄々をこねられたことを覚えています。

 

それだけ好きなものが無くなったからそれはそれは悲しいですよね。

 

でもその半年後にキャリーバックから登場したんです。

 

そういえば、キャリーバックを子供が物珍しそうに物置から取り出してきて遊んでいたことを思い出したんです。

 

その時に大事な宝物を保管するように物珍しいキャリーバックの中に入れてしまったんではないかと思うんですよね。

 

まあ、これはあくまでも私の想像ですけどね。

 

でも、無くなってしまってなかなか期限が治らなかったので、新しいフィギュアを買って満足していたので、子供もキャリーバックに保管していたことを忘れてしまっていたんですね。

 

おっちょこちょいなところは父親譲りなのかもしれないですね。笑

 

でも、意外なところから探し物が発見するとなぜここに!?という感情もそうですが、今回のケースみたいになんだかほっこりする事もありますね。

 

さて、話はガラッと変わって、

 

最近、私は解剖学の教科書をよく見るようになったんです。

 

その理由は、しびれについて後輩からよく悩み事で聞かれるようになったからなんですけど、

 

以前の私もしびれの患者さんってすごく苦手で、リハビリも上手くいかなかったことが多かったんです。

 

後輩が悩むこともすごくわかるし、その悩みを一緒に共有したいし、解決したかったので、だから見返していたんです。

 

なので今回は、しびれについてお話ししたいと思います。

 

右上肢のしびれに悩む患者さん

 

 

右の腕全体がしびれると訴える70歳台女性の患者さん。

 

家事をするにも痺れがひどく辛くて当院へ受診されたんです。

 

早速問診を開始!

・右の腕全体が張っている感じ

・母指と示指の指先が特に痺れが強い

・腕の中央と外側を叩くと放散する痺れがある

・姿勢は背中が丸く、頭が前へ突き出している

・力も入りにくい感じがする

・2週間前から症状が強くなってきた

 

これは、手根管症候群による正中神経の絞扼が原因ではないかと思い、姿勢の修正や前腕のリリースなど行うと症状も改善するのではと思ったんです。

 

でも、まだ焦らずにしびれの原因がなぜ治らないのかを探るため、さらに問診を進めて生活でのことを聞いたんです。

 

すると普段、洗濯の時に洗濯機をあまり使っていないらしく、洗濯機はあまり信用できないからと洗濯板を使ってしっかりと汚れをとっていると言うんです。

 

それも汚れがひどい時は、かなりの力を振り絞っているらしい。焦

 

最近、洗濯板を使って洗濯していることも珍しいなあと思い、これが原因かも?と思ったのです。

 

ですが、今まで洗濯板を使っていたのに、急にしびれが2週間前からなぜ強くなったのか?

 

他にも原因がありそうだと、さらに深く2週間前に何があったのかを聞いたんですよね。

 

そしたら、今まで庭の草取りは旦那さんの仕事でしてくれていたのですが、2〜3週間前に旦那さんが腰痛を患ってしまって、それができないから患者さん本人がしてたみたいなんです。

 

さらには、家事も手伝ってくれる旦那さんらしくて今は全ての家事をしたりと、、、

 

要するにオーバーユーズという事ですね。

 

なので、洗濯板の使用と庭の草取りをまずは控えてもらい、最初のプログラムの通りリハビリで前腕のリリースや姿勢の修正へのアプローチを行なったんです。

 

その後、2〜3週間くらいしてから指先の痺れは減ってきたんですけど、腕の痺れは残ったまま。

 

患者さんもスッキリしない様子だったんです。

 

患者さんのリアクションがこんな感じだと焦ってしまい、どうすれば良いのかわからず慌てふためいてしまいます。

 

じゃあ、なぜ腕の痺れが残ったのか?

 

仮説があっていなかったのか?

 

しびれを取り切るにはどうすべきか!?

 

仮説は一つに絞らない

 

 

改めてしびれる場所の特定をするために問診を再度行なったんです。

 

すると、前腕の外側あたりが痺れるとの事。

 

さらには力が入りにくさも上腕二頭筋で、上腕筋はそこまで左右差はなかったんです。

 

最初の仮説だった正中神経もしびれの原因だったのですが、他にも違う神経の圧迫している場所があるのでは?と考えたんです。

 

ここで、確認してほしいのが、末梢神経の感覚分布図なんです。

 

すると、しびれている場所と重なる場所が末梢神経である筋皮神経なんですよね。

 

ちなみに筋皮神経の特徴ですが、

 

『腕神経叢(C5-C7)から出て、上腕部に走行する外側神経束から分かれ、烏口腕筋を貫き、上腕二頭筋と上腕筋の間を走行し、外側二頭筋溝の遠位端で筋膜を貫いて、前腕橈側の皮膚に分布し、感覚枝である外側前腕皮神経を出す。』

 

要するに筋皮神経は上腕では運動枝だけを出し、前腕では感覚枝の外側前腕皮神経になる珍しい神経なんです。

 

この場合、患者さんと当てはまることとして、しびれの出ている箇所と筋力の低下が見られる場所、そして洗濯板での動作は前腕回内位で行うため上腕筋の筋活動が強まり、筋皮神経の圧迫が強まったんだと思います。

 

また、上腕筋はC5、6の支配神経だけでなくC7の神経にも支配されているので、筋皮神経が麻痺したとしても筋力は保たれるんです。

 

上腕筋のリリースを内側と外側と両方へアプローチするとしびれは劇的に改善したんです。

 

改めて再問診をすることで、焦ることなく末梢神経の分布図をみてしびれが起きている箇所の組織の鑑別ができますよね。

 

また、そこから再評価も行うことでしびれが取り切れなかったり、残っていようと治療プランを変更したりできるので、治療の幅も広がっていきます。

 

私も以前はしびれの患者さんは苦手だったんです。

 

でも、それは治療する以前に組織鑑別が曖昧だったから。

 

原因がわからずに治療を進めても治っていくはずがなかったんです。

 

あなたもそんな同じ悩みを持っているのであれば、まず問診の時点で組織鑑別をできるようになることで、しびれだけでなく痛みの原因の解決につながるかもしれません。

 

P.S.

私も小さな頃から恐竜が好きで、ジュラシックパークシリーズのDVDを持っているんです。

 

子供もその影響なのか、ジュラシックパークは全て観終わっているんですよね。

 

そこで親子に違いがあったんですけど、

 

子供の好きな恐竜は肉食恐竜。

 

私の好きな恐竜は角が三本あるトリケラトプスという草食恐竜。

 

これって選ぶ恐竜によって性格を表している気が、、、。

 


この記事を書いた人

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橋本祐一

福岡県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。四肢コース・福岡校講師研修中。総合病院、整形外科クリニックを経験。普段は、主に一般の整形疾患からスポーツ障害の中学生・高校生などの治療を行なっている。休日に息子と戯れ合う時は、全力で遊ぶ一児の父。