これで五十肩は怖くない…3つの治療原則 | 日本オランダ徒手療法協会

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これで五十肩は怖くない…3つの治療原則

2021.10.14

From:長島 将太

@自宅オフィスより

 

ただいまの時刻…5時45分

 

おはようございます。

今日も朝コーヒーしながら、

自宅の机でパチパチとPCでメルマガを書いています。

 

突然ですが、

皆さんは仕事以外の分野って勉強してますか?

 

例えば、お金の勉強とか、コミュニケーションの勉強とか、

直接的に仕事に関わらないけど、好きで学んでいる分野ってありますよね。

 

私は最近、治療やトレーニングの勉強とは別にマーケティングを学んでいます。

 

こういった他分野の本を読んでいて、

意外と治療の考え方と共通しているなってことに気づくことが多いんですよね。

 

今日は、そんな中で特に特に共感できたことをシェアしたいと思います。

 

どの分野にも必ずパイオニアっているじゃないですか。

 

PTの整形分野だと昭和大系の入谷先生とか、山口先生とか…

中枢系の分野だとボバースの紀伊先生とか…

 

何十年もその分野で走り続けている人ですね。

 

同じようにマーケティング界にも超有名人がいて

『神田昌典さん』という方なのですが、

皆さん知ってます(笑)?

 

マーケティングに関する書籍を数多く執筆している方なのですが、

以前に読んだ『不変のマーケティング』という本にあった一文を紹介したいと思います。

 

”(マーケティング結果の分析をしていくと・・・)

上手くいっている事例には昔から変わらない原理原則が働いている”

 

つまり、どんなに新しい手法や方法であっても、

昔から変わらない不変の原理原則が働いているということ。

 

神田さんはテレビCMや印刷物広告、チラシやDMなどの事例を元に、

成果が出やすい仕掛けについて解説してくれていて、

成功している会社や企業はこれらを上手く導入しているって話なんです。

 

この”昔から変わらない原理原則”という言葉は、

治療にも共通してると思います。

 

治療でもこの原理原則を押さえておかなければ、

良い結果に繋がらないことも多いですよね。

 

そこで今回は、五十肩の不変的な治療の考え方について、

話をしたいと思います。

 

一発で効果の出る五十肩は要注意…

 

以前、私はどんな患者さんでも『1回の治療で結果を出す』という固定に囚われている時期がありました。

 

そのため・・

 

・1回の治療でどうすれば痛みが取れるのか? 

 

・どんなテクニックを使えば結果を出せる治療ができるのか?

 

そんなことばかり考えていたんですね。

 

なので、五十肩治療においても

『どうすれば1回の治療で結果を出せるのか?』

という考えが頭の中をグルグル巡ってました。

 

一発で治せたら患者さんも喜ぶし、

何より格好良い治療家になれるかなって、

そう思ってました…

 

ですが、全く結果が出ないんです。

 

むしろ痛みが悪化して、

経過とともに可動域が下がり、

最終的には拘縮になってしまう。

 

そんな相反する治療になっていたのです。

 

このような治療は過去の私だけでなく、

多くの治療家が陥るジレンマだと思います。

 

たくさん勉強して、テクニックを磨いて、

治すための理論を身につけてきたはずなのに、

治らない、治せない。

 

その原因は、

五十肩に必要な3つの原則を押さえていないことが問題だったんです。

 

五十肩治療の3つの原則

 

五十肩を治療するためには、

この3つの原則を押さえて治療することが結果に繋がります。

あなたの治療にこの原則は含まれていますか?

 

原則1『痛みの原因』を見極める

基本的に五十肩の病態は、

肩関節を構成する軟部組織の炎症によるもの

 

つまり、痛みの原因は軟部組織が何かしらの要因で

『組織損傷』が生じているからです。

 

メカニカルストレスではなく、

組織ダメージがあるかないかが重要。

 

そのため、あなたがまずやるべきことは、

肩の動きやアラインメント、筋力の評価ではなく、

組織損傷が生じているかどうかを見極めること。

 

この組織損傷の有無で治癒経過が大きく変わります。

 

1週間で治せるか、

1ヶ月かかるのかは、

この原因次第なのです。

 

原則2『時期』を見極める

ここが最も大事な原則かもしれません。

 

五十肩の患者さんが治療院、病院に来る時の肩の経過状況は十人十色ですよね。

 

例えば、この図のようなイメージになります。

【Aさん】少し痛みがある程度で、心配になって来院された患者さん

 

【Bさん】今までずっと痛くて我慢して、耐えれなくなって来院された患者さん

 

【Cさん】痛みを放置しすぎて酷い可動域制限が出てはじめて来院された患者さん

 

などなど、治療する前に炎症過程のどの時期に患者さんがいるのか見極めること。

 

この時期を把握せずに治療するのは、

症状悪化のリスクが非常に大きいので要注意です!

 

原則3『組織の抵抗力』を見極める

最後の3つ目は、

患者さんがもつ局所の抵抗力を見極めること。

 

例えば、五十肩の患者さんをリハビリしたとします。

 

リハビリの時は可動域が変わって、

動きやすくなったとしても、

その日の夜や翌日の朝に痛みが強くなった

 

…と訴える患者さんを経験したことありませんか?

 

このようなケースの場合は、

まさに患者さんの肩の抵抗力に対して、

リハビリによる負荷が強すぎた結果起こるカラダの反応なんですね。

 

これは臨床上よくやってしまう間違いなので、要注意です。

 

その場限りで評価をするのではなく、

その後の患者さんのカラダの反応にまで目を向けること。

 

つまり、『組織の抵抗力』を見極めることなのです。

 

これら3つの原則は、

五十肩治療を成功させる不変の原則です。

 

もし、あなたが五十肩治療で安定した結果を出せない…と感じているなら、

この原則が治療に含まれているかチェックしてみて下さい。

 

PS

最近読んだ本で、

個人的にオススメなのが…

 

・具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ | 細谷 功 |

・観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか | 佐渡島庸平 | 

・認知バイアス 心に潜むふしぎな働き | 鈴木 宏昭 | 


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。