治療結果は8割問診で決まる | 日本オランダ徒手療法協会

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治療結果は8割問診で決まる

2021.10.08

From:長島 将太

@自宅オフィスより

 

今日は、腰痛治療に悩んでいる

後輩の話をしようと思う。

 

この話は、

きっと腰痛治療で上手くいかない治療家に

共通する話だと思うので、共有しますね。

 

普段、治療の相談をめったにしない後輩が、

複雑な表情で私のとこにきた。

 

『もうどうしていいかわからないんです…』

 

その彼は、昔の自分に似ていて負けず嫌いの性格だから、

どうにか自分で勉強して結果を出してやろうと奔走している。

 

周りから見ると、少しトガッて見えるけど。

 

今のうちは、必死になって患者さんを良くするために

勉強した方がいいと私も思ってるので、普段は遠目で見守っているんですね。

 

そんな勉強熱心で臨床でトンガっている彼が、

プライドを捨てて相談してきたのが腰痛の患者さんについて。

 

何に悩んでいるか話を聞くと・・

4回ほど治療するが症状の変化がないとのこと。

もうどうしたらいいか分からない…お手上げの状態(泣)

 

何をやってるか尋ねると、

腰痛体操、下肢ストレッチやドローインなどのコアトレなど

 

何が原因で痛みが出てるのかを聞いてきると…

『椎間関節か…筋筋膜性なのか…はっきり分からないんです(汗)』

 

いろんな参考書やセミナーで言われていた評価や治療をすべて試して、

それでも結果が変わらないので最後に私のとこ相談にきたみたいです。

 

このように治療をする上では、いくつかの通過ポイントがあって、

結果の出ていない治療は、これらの通過点のどこかで道を間違ってしまってるんですよね。

 

そもそも結果の出る治療の通過ポイントとは、

なんなのか?

 

そのポイントとは…

問診の中に答えが隠されているんですね。

 

治療の結果はすべては、

8割は問診で決まります。

 

結果の出る治療ロードを歩んでいますか?

 

よく私はメルマガで『痛みの原因を組織レベルで鑑別しましょう!』と

しつこいぐらい何度もお伝えしてますよね(笑)

 

だから、この部分はもう触れなくてもいいんじゃないかと思うんですが、

後輩の話を聞く限り、やはりこの部分がアウトなんですよね。

 

なぜかって…

痛みの原因組織の候補が矛盾してるからなんです。

 

どういうことかと言うと…

 

痛みの原因を考える時、

組織にどんなメカニカルストレスが

かかってるかって考えますよね?

 

椎間関節に圧縮ストレスが…

 

筋肉に伸張ストレスが…

 

椎間板に圧縮ストレスが…

 

靭帯に伸張ストレスが…

 

・・・だから、

組織に〇〇ストレスがかかってるから痛みが出てます。

 

このような話ですね。

 

でも、悩んでいる治療家の話を聞いていると、

かなりの確率で生じるストレスとは相反するで原因組が候補になっています。

 

後輩の彼もそうです。

 

筋肉が原因なら…伸張ストレス

 

椎間関節が原因なら…圧縮ストレス

 

(関節って言ってる時点でオランダ徒手ではアウトなのですが…)

 

このように、どちらのストレスが痛みの原因組織なのか特定できていません。

 

この時点で結果が出せない治療に足を踏み入れてしまってるんですね。

 

これを回避するためには、

ストレスがかかった場合をより想像した質問をしてみるんです。

 

治療の結果は8割問診で決まる

 

例えば、

『筋肉が原因かもしれない…』という前提であれば、

 

前屈で痛みは出る?

同じ前屈でも立位と、座位では同じ?

前屈から起き上がってくる時は?

前屈姿勢を◯分続けてみて痛みの変化は?

同じ座位姿勢を続けての痛みの変化は?

この筋肉の部分を押して痛みは?

前屈から重い物を実際持ってみて痛み出るかな?

 

このようなイメージです。

 

痛みの原因を特定するために、

『そこが原因だ!!!!』と肯定できるまで問診をすること。

 

さらに、

対極の視点も重要です。

 

『こうすれば痛みが出ない』という痛みの原因を否定する質問です。

 

同じケースで例えを出すなら…

 

反っても痛くないよね?

寝ると楽になるんじゃないかな?

筋肉を押しても痛くないよね?

 

・・・などなど

 

もし、この原因を否定する質問で『痛みが出ます』なら、

他に痛みの原因が潜んでいると考えるべきです。

 

姿勢や動作と関連する場合の腰痛であれば、

痛みの原因は必ず存在します。

 

なので、まずは痛みの原因を明確にすること。

 

決めつけではなく、

ちゃんと問診の中で証拠をたくさん出して

痛みの原因を肯定できる材料が出揃ってから治療をスタートさせること!

 

痛みの原因を探せないことには、

いくら腰痛体操やコアトレをやっても結果は出ませんよね。

 

鑑別は重要だと感じていても、

より原因組織やストレスをリアルにイメージすることが

結果を出す道への第1歩です。

 

そして、その第2歩目が治療アプローチです!!

 

・・・と言いたいところですが、

 

まだ踏むべき道があります(笑)

 

それは、次回のメルマガでお話ししますね。

乞うご期待!

 

PS

ちなみに、

後輩の腰痛のケースは『椎間板』が痛みの原因でした…

 

その理由を説明すると長くなるので割愛しますが、

次回のセミナーのケースで出そうと思います^_^


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。