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夏休み計画と治療計画の関係性
2018.08.10From:長島 将太 品川のスタバより
それは7月下旬。とある平日の昼下がりのことおたきだった。
黙々と家のリビングで仕事をしていると、ガチャっと勢いよく玄関が空いた。
「ただいまー!」
学校が終わり、娘が大荷物を両手にぶら下げ学校から帰宅。
なにやら急いでいる様子で、靴も揃えないままバタバタと私の元に駆け足でやってきた。
「通知表もらったよー!!」
満面の笑みで1学期最後の成績表を渡してくれた娘。
私の幼少期と違い、娘はとても頑張ってる様子(笑)
成績はともかく、「夏の通知表」届く=夏休みスタートのファンファーレが鳴った訳です。
夏休みの宿題計画
そんな娘との話が「通知表」から「夏休みの宿題」へと発展。
私「どんな夏休みの宿題が出たの?」
娘「えーとね。自由研究と、算数のプリントと、作文と、絵日記と、、、、」
子供の夏休み課題は相変わらず多いなーなんて思いながら、昔の自分を思い出しました。
私の夏休みと言えば、終業式直後から友達と海に行ったり。
山に昆虫採集行ったり。
花火したり。
ほぼ遊び三昧の自由な夏休み。
楽しい日々がこのまま終わらないで欲しい!なんて子供心、よく分かります(笑)
そんな自由きままに過ごしていた夏休みの最後に待ち受けているエンディング。
そうです。「夏休み宿題地獄」が待っていたのです。
こうなったら最終手段!
「お母さん!宿題手伝って!」なんて事になるんですよね。
自業自得。これぞ無計画の極み。
このように、楽しいことばかりを追い求め、自分本位で過ごしてしまうと最後に痛い目をみ
るという事を子供心にヒシヒシと感じていたんですよね。
宿題計画と治療計画の共通点
何事も先を見通して計画的に取り組まなければ、良い結果は出ない。
付け焼き刃の事前テスト勉強や、ドタバタの宿題処理では良い学習なんて出来ないですよ
ね。だからこそ、「良い結果」の為には、取り組み前の入念な計画と取り組み中のPDCAが必要になるんです!
これは、私たち治療家にも言えることではないでしょうか?
例えば、新患の患者さんを治療する場合
「なぜ痛みが出ているのか?」
「どのぐらいの期間で治るのか?」
「どのようにすれば痛みが取れるのか?」など
初診の段階でどのくらい計画を立てれているでしょうか?
もしかすると問診は5分ぐらい? いやいや、もっと短く2〜3分なんて方もいるのではないでしょうか?
「忙しい外来や整骨院では、まともに問診時間なんてとれないよー」なんて声もよく聞きます。
ですが、一度ここは勇気をもって情報収集=問診に時間を分けて欲しいんです。
なぜなら・・・・
問診は最強の治療プランナー
患者さんが発信する情報は様々で、何気ない会話も私たち治療家にとっては非常に価値のある情報だったりするんですよね。
だけど、残念ながらせっかくの患者さん側からの情報も、治療家がアンテナを張り、キャッチしないと素通りしてしまうのです。患者さんは情報を発信し続けているのに(泣)
例えば、患者さんが以下のような訴えをした場合。治療家のみなさんはどのように考えますか?
①夜あまり眠れていない
②朝方は痛いけど、動くと楽になる
③じっとしていても痛みが断続的にくる
昔の私であれば、「夜あまり眠れていない」という言葉に対して「寝ている姿勢が悪いからかな?ポジショニングを指導して様子を見てもらおう」なんて事を伝えて、普通にマッサージやモビライゼーションなどなど。
一生懸命、痛みを取ることに必死になっていました。
でも、これって治療家であれば誰もが経験した覚えがあるのではないでしょうか?
目の前の患者さんの「痛みをとること」「可動域を広げる事」「運動連鎖を変える事」に執着してしまい、大事な情報に気づいていない。気づけない。
今思えば、自分勝手な治療だったなんて後悔しています。
だからこそ、皆さんには同じ轍を踏んで欲しくありません。
出来るなら、患者さんが発信している情報を正確にキャッチして適切な選択をして欲しいと願っています。
少し熱くなってしまいましたが、、、(汗)
いずれにしても上記のような訴えには様々な意味が隠されています。
まず①の「あまり眠れていない」という情報であれば「痛みがあるから眠れていない」であれば「夜間痛」の可能性もあります。一方で、痛みでなければ、もしかするとストレスが原因となる「心理社会的要因」で眠れていない可能性もあります。はたまた単純に「子供の夜泣きが酷くて」などのよう一過性のものかもしれません。
このように「眠れていない」というキーワードには、たくさんの原因が隠されていています。しかし、「良い結果」に繋げる為には、様々な情報の波をかき分けていく能力。いわば「関連性のある質問能力」が必要です。
具体的には、、、
患者A「眠れていない」
治療家B「夜間痛があるのかな?」「夜、寝ている時に度々目が醒めたりしますか?」
患者A「します。疼くような感じがして痛みます」
治療家B「やっぱり夜間痛の可能性が高いな」
「であれば、どこか組織損傷があるんじゃないかな?」
「具体的にどこの部分が痛みますか?」
患者A「肩の外側です」
治療家B「肩の外側か。局所の原因であれば組織鑑別していかないといけないし、関連痛で
あれば首の関係も見ておかないといけないな」
と言ったように、どんどん問診では発想の転換をし、自分が欲しい情報を積極的にキャッチしにいく必要があります。つまり、問診=スキルなのです。
問診スキルを身につければ、問診だけでも治療アプローチ内容や治療期間が明確になります。その上で必要最低限の身体的評価を行う事で「より良い結果」に繋がる治療計画を立てれることでしょう。
「だけど、問診の進め方が分からないんです(泣)」
本当は、もっとお伝えしたいのですが今日はここまで。
次回は、誰にでもできる問診のハウツーを教えますね。
P.S.
娘の夏休みを有意義に過ごさせたい思いが強くなりすぎた結果、娘に「お父さん!少し静かにして!」と一喝されてしまいました。皆さんも尋問のような情報収集にはご注意を(笑)