リハ業界の現実をまだ知らない人…ヤバイよ! | 日本オランダ徒手療法協会

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リハ業界の現実をまだ知らない人…ヤバイよ!

2021.08.19

From:長島 将太

@自宅オフィスより

 

もう8月中旬。

 

子どもたちは夏休み、真っ只中!

 

私の子ども時代の夏休みと言えば・・

 

ほぼ毎日プールか海水浴に行ったり、

 

友達の家に泊まって夜は花火戦争をして、

早朝から昆虫採集に出かけたり、

 

朝6時からラジオ体操に出向き、体操ハンコをもらったり。

 

今思い返せば、

充実した夏休みを過ごしていましたね〜。

 

そして、

もう一つ忘れちゃいけないのが『夏休みの宿題』

 

自由研究や宿題、絵日記などの課題ですね。

 

小学生の頃は、遊びに夢中だったので、

夏休みの終わりがけに一気に終わらせるという

計画性のカケラもない過ごし方をしていました。

 

こんな子ども時代を過ごしていた私も、

今では二人の子を持つ父親です(笑)

 

長女は中学生。

長男は小学生。

 

なので、

私と同じ轍を踏まないように自分で夏休み計画を立てて、

課題に取り組んで欲しいと伝えています。

 

大人になって時間が貴重だと感じているからこそ、

ただこなすだけの課題ではなく、

身につける取り組みに変えていく工夫が必要だと。

 

ただ伝える時には、

『勉強しなさい!』『課題をやりなさい!』と言うのではなく、

 

例えば、

「やってみてどうだったと?」

 

「何がわかったと?次はどんなことを調べてみたい?」

 

「次はどうしたいと思ってると?」

 

このような感じで福岡弁で子どもの気づきを引き出すようにしてます(笑)

 

我が子にコーチングをするのは、まだまだ慣れないものですが、

トライ&エラーを繰り返しながら一緒に成長していきたいものです。

 

さて、今回はいつもの臨床話とは違った話をしたいと思います。

 

私たち治療家と呼ばれる職種って、

専門学校や大学などの養成機関を3〜4年かけて卒業し、

国家資格をとってからがようやくスタートを切りますよね。

 

そして、

そこから職場の患者さんの層に応じた勉強をリスタートさせていく。

 

私の個人的な意見としては、

学校時代の勉強も大事なのですが、それ以上に就職してから

どう過ごすかが、この先の治療家人生を左右すると感じています。

 

特にこれからの時代は、

患者さんが治療家を選ぶ時代がやってきます。

 

勉強しない治療家はもちろんのこと、

勉強はしてても、治せる治療家でなければ、

同じく時代の流れに淘汰されていくことでしょう。

 

理由は単純です。

それは需要と供給の問題。

 

あなたは、この現実を知ってますか?

厚生労働省の調べによると、『理学療法士と作業療法士の供給数は、2040年には需要数の約1.5倍』になると推測されています。つまり、理学療法士、作業療法士の数が増えても必要な施設には限りがあるため、今後、需要が減る可能性があるという指摘です。

 

なんだ20年先のことじゃないか…と安心した方は

この話を聞いても、まだ安心できますか?

 

日本病院会が2018年6月に実施した全国の会員病院に対して経営状況についてアンケートによると、『全国1111病院のうち598病院の経常損益が赤字だった。経常赤字の病院は全体の54%。調査を通じて、病院経営の厳しい実態が改めて明らかになった。』

さらに、このような医療情勢を踏まえて厚生労働省は2019年10月、

『全国の病院の29.1%にあたる424病院が地域医療構想を踏まえた再編統合の対象を発表』

 

つまり、

私たちが勤務している病院も、

合併や統合の対象になってしまう可能性もあるのです。

 

最悪の場合、職場が倒産してしまい、

働く場所を選べなくなってしまうかもしれません。

 

今はまだ危機感を感じていなくても、

この現実は確実に迫ってきています。

 

だからこそ、

今のうちから治療家としてのスキルを磨いておく必要があります。

 

要は、『勉強しなさい』ってことですね(汗)

 

ただし!!

知識や理論をひたすらにインプットしていてはダメなんです。

 

なぜなら、

『分かる』『知ってる』レベルでは

すぐに忘れてしまうからです。

 

※エビングハウスの忘却曲線によると、

 1日経つだけで理解度100% →理解度20%まで低下するという報告があります。

 

本当の学びとは、

セミナーや勉強会で得た学びを『使いこなす』レベルまで

引き上げることだから。

 

そこで、『使いこなす』レベルまでに

到達するためのヒントがこれです。

 

『ラーニングピラミッド』…なんそれ?

これは『ラーニングピラミッド』と言って、

 

『ただ参考書を読んだり、セミナーを聴いたりといった受動的な学びよりも、他人に教えるといった能動的な学びを重視したほうが、学んだ内容が定着しやすくなる』ことを示したもの。

 

このピラミッドを見て気づいた方もいると思いますが、

 

セミナーを受講しただけの場合。

 

なんと学習定着率はたったの、、、『5%』です。

 

参考書を読んだとしても、『10%』なんですね。

 

これでは、使いこなすレベルとはほど遠い状況。

私もまさにこの典型例でした(汗)

 

このことを知ってからと言うもの、

私はとある工夫をしました。

 

それは、

『学んだ翌日に後輩指導を行うこと』

 

学んだ知識を同僚へ共有。

 

学んだテクニックを同僚へ実践。

 

学んだ仲間とすぐにセミナー内容について、

ディスカッションすること。

 

とにかくアウトプットする事を重視しました。

 

自分で言うのもなんですが…

 

このスタイルに変えてからは、

知識や理論、テクニックが三位一体で理解することができ、

『考える力』が確実に身についてきました。

 

このピラミッドを知ったのは6年前ですが、

今では意識することなく、習慣化していることの一つになっています。

 

もし、あなたがこれまで学んできた内容が

上手く身についていないと感じているのなら、

このピラミッドを参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

時間をかけて学んだ内容を『知ってる』レベルにするのも、

『使いこなす』レベルにするのも、あなたの学び方しだいです。

 

そして、

その学びは治療家としてのあなたの成長に大きく影響します。

 

この先の将来。

 

あなたが『選ばれる治療家』『選ばれるセラピスト』になるのも

結局はあなた次第なんですよね。

 

PS

他人がやっていない時にこそ、

何かをやるようにすることが、

他の人と差をつけることにつながります。


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。