自主運動の習慣化に必要な3つのポイント | 日本オランダ徒手療法協会

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自主運動の習慣化に必要な3つのポイント

2021.09.03

from 橋本 祐一 @自宅デスクより

 

私がブログを書き始めてまだ約半年くらいなのですが、「何事も継続が大事」って言いますよね。

 

継続していくことって意外と難しくて、継続できない時って自分にとって無理なことをしている可能性があるんです。

 

私自身も朝の早い時間に起きてやろう!なんて張り切って今まで7時起きだった人間が急に5時おきに挑戦しちゃったんです!

 

実際には早起きは大の苦手で起きるギリギリまで眠っていたい人なのに。

 

だから、まぁ上手くいくはずもなく3日坊主。泣

 

結局、夜にやることにしてみるけど、仕事から帰って、息子の世話やら家の事を済ませて、いざパソコンの前へ!

 

、、、疲れて寝落ち。泣

 

このままではダメだと、なんとか時間を作りながらやっとの事で1つ目のブログを書き終えたという過去があるんです。

 

このままでは体が持たないと朝の起きる時間を少しづつ(30分程)早めていって目標の起きる時間に体を慣れさせていったんです。

 

この方法は黒田先生が朝活をするためにしていたのをパクらせてもらったんですけどね。

 

それが功を奏して少しずつ早起きができるようになり、今は目標の5時には起きて作業ができるようになりました。

 

そこから、起きてまずコーヒーを入れて、体が寝ているから軽めのストレッチを取り入れてブログ作成へ。ってな感じの流れができてくるんです。

 

この話は自分の事ではありますけど、苦手なことを継続することって難しいし、やりたくないなと感じるとやらなくなりますよね。

 

これって、プライベートでのことだけではなく、仕事においても継続するときに無理のない形で、目標を決めて行ったり、続けるためにどうしていくか?などなど。

 

実際に臨床の現場でリハビリや運動に関しても当てはまりませんか?

 

・リハビリには来てくれるけど、家では運動をしてくれない。

・自主トレをしてくれない。

 

今まで、これは患者さんのことだから仕方ない、やらない人はやらないんだと決めつけて半ば諦めていたんですけど、実は私自身が人間の行動を起こすために必要なことを考えていなかったんです。

 

ここからお話しするのは、なかなか運動することを継続できなかった患者さんについてお話をさせていただきます。

 

運動嫌いな患者さん

 

 

今回は60歳代の女性の患者さんなのですが、腰が痛くて、とにかく屈むのが痛いからそれをどうにかしたいとおっしゃていました。

 

10年以上も腰痛を患い、旦那さんはもう他界されているんですが、旦那さんが若い時に脳梗塞で倒れてからその介護をしていたらしんです。その頃からの慢性的に痛みが酷く困っているとのこと。

 

痛くてどうしようもないわけではないけど、たまに歩いてても痛い時がある。

  

急性の腰痛ではない様子だし、日頃の活動量を聞いて見ると、まぁ運動が嫌いでテレビで紹介された腰痛体操もしてみるけど続かない。

 

実際、慢性腰痛って治癒していく時に欠かせないことって運動ですよね?

 

世界の腰痛ガイドラインでも取り上げていますが、手術よりもテクニック的な腰痛手技よりも運動療法がエビデンスがあるんです。

 

でもこの患者さんはほとんど運動はしていなかったんです。

 

仕事はしておらず、家で韓国ドラマを見たり、買い物は行ったりするが、移動は車であまり動かないし、基本座っていることが多いとのこと。

 

今まで整骨院やいくつかの整形外科病院に行っても「運動しないと治らないですよ!」と言われて来たみたいなんですけど、それでも今は運動はしていないみたいなんです。

 

ここで私が、患者さんに運動をする必要性を説明した場合、これまでの治療院や病院と同じことを言われて「もう聞き飽きた。」ってなりそうだったんですよね。

 

無理な習慣化の設定

 

 

運動の重要性は散々他のところで聞いただろうと思ったので、私は質問を変えて、なぜそれを聞いても運動ができなかったのかを聞いてみたんです。

 

そしたら、

 

①心から実現したい目標ではない。

②すぐに効果が出ないため、モチベーションが続かない。

③完璧にこなそうとする。

 

①は、今まで腰の痛みを取り除いて普通に過ごしたい。その目標だけ。

 

これでは目標がぼんやりしてしまい、継続するには無理があったようなんです。

 

②についてですが慢性腰痛の場合、確かに10年以上も腰痛はある人って椎間板の変性やインナーマッスルの筋力低下もしくは萎縮、軟部組織の癒着や拘縮など他にも考えられることはありますが、これらを解決させるにもかなりの期間が必要になりそうですよね。

 

でも、こういう方にかなりの期間が必要だと言っても、それを続けられる人はそうそういないですよね。

 

③に至っては、真面目すぎる性格からか、やろうと張り切りすぎて、ついつい無理してしまう傾向があり、そのせいか逆に腰が痛くなってやめてしまうことに。

 

患者さんからこれらの情報を聞いて、私はある3つのことをお話したんです。

 

習慣化に必要な3つの条件!

 

 

・1つ目に適切な目標設定を行うこと。

 

習慣化に失敗するありがちな例として、目標を立てる内容が今回のように患者さん本人が実際にしたい目標なのかどうかです。

 

『腰の痛みを取り除いて普通に過ごしたい』これも目標なんですが、当たり前のことですよね?

 

痛みをとってさらに何がしたいのか?それを深掘りする必要があると思います。

 

その患者さんは、旅行に行って1〜2時間くらい自分の足で観光して周りたいとおっしゃてました。

 

目標に向かってできることを段階づけていくこと。そして、すぐにはその目標は達成できないので、短期目標を決める。

 

だってそうですよね?昨日までとくに運動をしてこなかった人が、いきなり1万歩目指す!目標を持つことがありますが、これらは途中で挫折する可能性大です。

 

なので、その患者さんには毎朝の新聞を取るときに、エレベーターで降りてマンションのエレベータをそのまま9階まで上がるのではなく1階だけでも階段を歩いてエレベーターを使う。そこから慣れてきたら2階、3階と増やしていくことを勧めてみたんです。

 

・2つ目に習慣化するための行動心理学を用いる。

 

インキュベートの法則をご存知ですか?

 

何かを習慣化させる場合、とにかく何が何でも21日間続ければ、無意識にその行動をするようになるというものである。むしろ21日間続ければ、やらないと気持ち悪くなる!?ってことに。

 

これ、実は冒頭でも私のお話しにもあった朝起きの習慣をつけるのに自分も行ったんです。①つ目の目標に対して短期目標が見えるので、そこまで頑張ろうという気持ちにもなるんです。

 

その時に患者さんへ投げやりにするのではなく21日間に到達するまでチェックを入れて、まずはリハビリに来てもらう回数を決めてその都度、確認していく。3日、5日、7日と刻んで、なんとか21日間まで到達するように計画を立てるんです。

 

・3つ目は自分に無理のない仕組みをつくること。

 

1・2の内容を踏まえて、まずやってみて痛みでできないという事は問題外ですが、気持ち的にも難しい課題であれば、やりやすいことにすぐに切り替えてみる。

 

この患者さんは、真面目すぎる性格で、『階段は大丈夫です!できます!』とおっしゃってましたけど、無理はしないでくださいね。という一言から、腰は痛くはないけどやっぱりきつすぎるとおっしゃっていたんです。

 

何かいい方法はないかと考えてたら、近くの公園で朝にラジオ体操している人たちがいるとの情報が!さらに最近友達もそこに行っているとのこと!

 

これはチャンスと行ってみては?と促してみると、そのラジオ体操は続けられたんです。

 

実際に自分で立てた目標であることが大きく関わっていると思いますが、何より友人もいる場にいることで、行く目的を運動だけではなく友人と会うことに変えることが習慣化のきっかけになったんではと思うんです。

 

これら3つの条件は、気づいたと思いますが、実は患者さんが出来ない理由を聞いたことを参考に習慣化を考えてみたんですけど、意外とうまくいったんですよね。

 

それまでは、セルフトレーニングをやってくれない、悪い習慣をやめてくれないなと患者さんのせいにしていたのですが、やってくれないのは意外と自分の発言や行動、考え方のが足りなかったんです。

 

あなたも過去の私と同じこと考えていたのであれば、患者さんへの誘導に一工夫してみてはいかがでしょうか?

 

・適切な目標設定を行う

・習慣化するための行動心理学(インキュベートの法則)を用いる

・自分に無理のない仕組みをつくる

 

まずは、この3つのポイントを実践して患者さんに合う運動習慣を身につけてみてください。

 

P.S.

私も真面目な性格なので、意外と無理をすることもあるんですよね。でも今でも5時起きでルーティンを行っていますが、最近は力を抜くことを覚えて、たまに起きれないときは無理をせず、時間ギリギリまで寝ることもしています。笑

 


この記事を書いた人

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橋本祐一

福岡県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。四肢コース・福岡校講師研修中。総合病院、整形外科クリニックを経験。普段は、主に一般の整形疾患からスポーツ障害の中学生・高校生などの治療を行なっている。休日に息子と戯れ合う時は、全力で遊ぶ一児の父。