患者に運動を”継続”してもらうための秘訣とは!? | 日本オランダ徒手療法協会

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患者に運動を”継続”してもらうための秘訣とは!?

2020.01.26

From  橘田幸博 カフェにて

 

「挑戦すること」

 

あなたは「挑戦」について考えたことがありますか?

 

仕事でいい結果を出したい!

 

技術を身につけたい!

 

レベルアップしたい!

 

と思った時には必ずといっていい程に「挑戦」という言葉がついてくる。

 

僕は開業しているからわかるが、

 

不動産で物件を探す、金融機関でお金を借りる、お店の内装の打ち合わせをやるなど

 

初めてやることが多く僕にとって全てが挑戦だった。

 

何が正解かもわからないことに全力を注いでいく。

 

期待と不安が混じってよくわからない心情になる。

 

人は安全装置がついているので、今まで違うことや慣れてないことは

 

出来るだけやりたくないとか経験したくないという反応が出る

 

しょうがないが、今でもそんときの感じは覚えている。

 

今回、どうしてこの「挑戦」というテーマを持ってきたかというと

 

最近こんな経験をしたからだ。

 

1年前、初めて来院した腰痛の80代の女性。

 

整骨院にくるには少し場違い笑。

 

かなり派手な服装で、パワフルな方。

 

もちろん、僕の仕事はファッションチェックではないので、

 

しっかり腰痛を治すために必要な情報をチェックして施術を実施。

 

最後の受付で予約を確認。

 

そこでびっくりした光景を目にした。

 

なんと予約の予定をスマホに入れ込んでいる。

 

「すごいですね」

 

と思わず褒めると

 

その患者さんが一言。

 

「私が生きている間に開発されたものは全部やってみたいのです」

 

この言葉は衝撃だった。

 

これは自分にあっていないとか得意ではないからできないと

 

やってもいないのに、試してもいないのに

 

今まで挑戦しなくて、目を背けてきた僕にとっては

 

これからの価値観を変えるには十分な言葉。

 

その日以来、僕は出来るだけ挑戦をしていこうと本気で考えるようになった。

 

そして、今までやったことがないことに少しづつ挑戦を続けてみて1つ気づいたことがある。

 

「やってみないとわからないことの方が多いんだなぁ」っと

 

確かに開業するときもそうだったが、

 

いくら準備しても実際やってみないと理解できないことや

 

本当にやるべきことなんてわからない。

 

やってみたら意外と大丈夫な部分も結構ある。

 

それを知ることとか足りない部分を勉強するとか、

 

それが本来楽しいことなんだろうと、「人生」って。

 

おっと、話していることは壮大になりすぎたが、

 

今、何か始めるかどうか悩んであなた、

 

やったあとのことはやってから考えて

 

とにかく挑戦をしたらどうでしょうか?

 

さて、後半は「続けること」について、

 

前半は挑戦した方がいいことはご理解頂いたと思いますが、

 

時間が立ってしまうとついそんなことを忘れて、

 

いつもの癖が出てしまう。

 

よくありますよね、、、。

 

でもそんな時に続ける「コツ」を知ってたら

 

なんか続けられそうに気がしませんか?

 

以前、こんな経験があります。

 

腰痛を治したいと来院した60代の女性。

 

もうすでに10年以上も腰痛を持っていて、

 

酷く困っている。

 

激痛でどうしようもなく動けないわけではないがまぁまぁ痛い。

 

詳しく話していると、「大きな問題点」つまり「治らない原因」がすぐにわかる。

 

運動が続かない

 

慢性腰痛を治癒していく時に欠かせない「運動」。

 

でもこの患者さんはほとんど運動はしていない。

 

仕事はデスクワークと運転であまり動かないし、

旅行が好きでよく出かけるらしいが、基本は座っている。

 

どこの治療院や病院に行っても「運動しなさい!」と指導されるが、

結局続かなくて、今は運動はしていない。

 

でも、これは誰がみても運動が必須で、

逆に運動していけば治るのに・・・。とさえ思ってしまう。

 

僕はこの患者さんに1から10まで

 

「なんで運動をしなくてはいけないのか」を説明。

 

その時の反応は今でも忘れはしないが、

 

患者「またですか・・」

 

僕「!!」

 

なるほど。。

 

もう「運動すること」というキーワードにうんざりしていたのである。

 

もちろん具体的に運動方法を提示して動機付けも完璧。

 

では、どうして運動が続けられないのだろう?

 

僕は悩んだ。

 

結局、1週間後ももちろん運動はしてくれず。

 

症状もあまり変わらず。

 

やはり運動の習慣をつけるしかない。

 

そんな時にこんな理論を思い出した。

 

インキュベートの法則

 

その法則は習慣化するための行動心理学では有名な法則だが、

 

具体的には何かを習慣化させたい場合、とにかく何が何でも21日間続ければ、

無意識にその行動をするようになるというものである。

 

これを自分でも意識すると3週間が恐ろしく長く感じると同時に、とりあえずの短期のゴールが見えるので、そこまで頑張ろうと一区切りになるメリットも感じた。

 

確かに10年も腰痛はある人に運動を進めるということは、

 

・椎間板の変性や筋力低下

・ローカル筋の出力の低下

・軟部組織の癒着や拘縮

 

など、

 

最低でも一年ぐらいは続けないといけないのは想像ができる。

 

いくら動機付けをしたとしても、それを続けられるメンタルがある人はそういない。

 

だからこそ、この患者さんのような人には、「短期な目標」が必要なのである。

 

もちろん工夫は必要で、21日間に到達するまでは入念なチェックを入れて、

 

まずは3日、5日と刻んで、なんとか21日間まで到達するように計画を立てるのだが、

 

患者さんがいうには、ゴールが見えづらいものは継続できない。

 

それが今までの治療院や病院にはなかったと言う。

 

結果的には腰痛はすっかり改善したが、このインキュベートの法則を知っていて

 

本当に良かったと思う。

 

いかがでしょうか?

 

セルフトレーニングをやってくれない、悪習慣をやめてくれないと

 

患者さんの責任にしているあなた、やってくれないのは意外と自分の発言や行動に

 

工夫が足りないかもしれませんよ。

 

ぜひ、お試しくださいね。

 

P.S. 

次は何に挑戦しようかなー、これから楽しみしかないですよね。


この記事を書いた人

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橘田 幸博

柔道整復師。【JADMT公認】オランダ徒手療法士。JATAC アスレチックトレーナー。整骨院を経営しながら、オランダ徒手療法の代表 土屋の右腕として施術から協会のマネージメントを担う。また、タッチラクビー日本代表(2015,2019)に帯同。2019タッチラグビー世界選手権日本初の銅メダル獲得にも貢献、その他数多くのトッププロの施術を行う。一児の父。