Warning: call_user_func_array() expects parameter 1 to be a valid callback, class '' not found in /home/jadmt/jadmt.or.jp/public_html/wp-includes/class-wp-hook.php on line 324
『痛みが取れた=治った』では無い!! | 日本オランダ徒手療法協会

blog

『痛みが取れた=治った』では無い!!

2022.10.30

from 橋本 祐一 @自宅デスクより

 

今までの私は、

 

「自分でやったほうが早い病」だったんです。

 

「自分でやったほうが早い病」って何?って思ったと思いますが、これがなんなのかというと、、、

 

自分自身が管理職になったとします。

 

その際、後輩や部下に仕事を任せたりしますよね?

 

でも、任せた仕事のクオリティが低いときは、結局自分でやった方が良かった……という意識が強まり、無茶な量の仕事であってもやりきれば周りから自分が評価されるし、部下に任せるのは単純に面倒。だから自分でやる。

 

こんな人の事を言うんです。

 

まさに、昔の自分。

 

でも、ある事をきっかけにその考えがなくなったことがあるんです。

 

それは、「上司と部下の関係ではなく、マネージャーとプレイヤー」という言葉なんです。

 

上司と部下だと、どちらが偉いかという上下の関係になってしまいます。

 

ですが、マネージャーとは単に「役割」であって、部下に比べて偉いわけではない。あくまでマネージャーとプレイヤーは「対等」なのだと。

 

今まで、上司と部下という概念が強くて、そういう立場で物事を考えたり、言っていました。

 

なので、任せた内容が、納得いかなかった場合に自分でやり直したり、ダメだと決めつけてしまったりと結局、独りよがりになって、忙しくなってしまい、自分の首を自分で閉めてしまっていたんです。

 

管理職は責任のある仕事なのですが、その考えが強くなりすぎると「対等な関係」とはならなくなってしまいます。

 

あくまで管理職は役割なので、組織のパフォーマンスを上げるためにはどうすべきかを考えなければいけなかったんです。

 

何かを遂行するためには、さまざまな立場の人々と協力し合わなければならない。

 

そして、1人でできることには限界がある以上、組織としての協調が必要になる。

 

という考え方に変わっていって、今まで仕事に追われていたような感覚だったんですが、自分の仕事を見直して行ったり、仕事を任せてみると自分自身の余裕が生まれていったんですよね。

 

「自分でやった方が早い病」によって自分自身に負荷がかかりすぎてしまうと精神的にも肉体的にも病んでしまいます。

 

そうならないためにも、負荷をコントロールすることは大事。

 

臨床においても「負荷」をコントロールすることって、ものすごく治療の成績に関わります。

 

話の切り替えにやや無理やり感がありますが、

 

今回は、「負荷」についてお話しさせてもらいたいと思います。

 

腰が痛くて自転車が乗れない

 

3ヶ月前に事故で腰を痛めて整骨院に通われていた40代前半の患者さん。

 

3ヶ月の間、整骨院で治療を受けて楽になったそうなんですけど、調子が良くなったからと仕事場まで自転車に乗って行ったらしいんです。

 

その後から腰の痛みが強くなってきて、座っているのも辛くなるくらいひどくなったとのことでこのまま腰の痛みが治っていかないのではと思い当院へ受診されたんです。

 

早速今の症状を把握するために問診を開始!

・左の腰全体が張って痛い

・前方に曲げるとより痛くなる

・炎症症状はない

・痺れもなし

・仕事はデスクワークで長時間座っていると重だるさが出て座っていられなくなる

・今までに腰痛になったことがない

・ほぐしてもらうと気持ちがいい

・事故で腰痛になる前は運動していたが、事故後は運動はしていない

・自転車で通勤していたが事故後は車で通勤していた

 

その時の情報はこんな感じ。

 

本人も腰が痛みが楽になったからと思って今までの自転車での通勤に切り替えた途端に腰痛がひどくなったからまたひどくなったのかとより不安になって整形を受診したんです。

 

本人からの情報にもあるように腰が痛いから整骨院での治療された方も筋膜性の痛みだろうと思って治療していたんだと思います。

 

でも、その治療内容にはある重要なことを見落としていることに気づいたんです。

 

それは、、、

 

運動負荷量の設定

 

腰の張りをなくすための目的で腰背部をほぐすことは必要かもしれませんが、それだけになってはいけないんですよね。

 

結論から言うと、この患者さんにとって自転車に乗って通勤するにはまだ早かったんです。

 

なぜかと言うと、そもそも平坦な場所での自転車通勤ならよかったのですが、この方の場合は通勤途中に坂道が2箇所。

 

それも結構な急な坂道らしいんです。

 

腰痛がなかった時は平気にできていたけど、事故後に腰痛になってほぐす治療をしてもらい良くなった。

 

でも、運動をしていないために腰はほぐされて緩むんですが、緩んだままだと腰の関節はグラグラと不安定になっているんです。

 

その状態のまま急な坂道を自転車で漕いで激しい運動をすると、その運動強度に耐えられなくなってしまって、代償動作を伴って運動をしてしまう可能性があるんです。

 

坂道の再現はできないですが、エルゴメーターでペダルの負荷を極端にあげて漕いでもらうと案の定、腰椎伸展の動きが強く30秒ほど漕いでもらったあとでもすごく腰が重だるくなっていたんです。

 

このことを患者さんにも説明をして、自転車通勤を一旦やめてもらって、腰椎の安定性を高めるための運動療法をリハビリと自主トレを行なってもらって坂道にも耐えられる状況にしてから約1ヶ月ほどで自転車通勤ができるようになったんです。

 

以前の私も腰痛で腰が張っているからとほぐす治療ばかりしていましたが、今回のケースのようなことにもなりかねないので今では絶対に運動療法も同時にしていています。

 

そして、運動の負荷を設定する時には、まずはその方の情報を収集してからその情報をもとにどれだけの負荷がかかるのか?その基準を持つことも大切なことです。

 

P.S.

そうはいっても、「自分でやったほうが早い病」はなかなか抜けきれないことがあるんです。

 

でも、

 

そこは心を鬼にして、みんなの成長を妨げないようにと言い聞かせているところです。

 

P.P.S.

 

今回の患者さんにも共通する、不安定になった体幹をいかに安定させるかがキーになっていたと思います。

 

ですが、不安定になった体幹を支えられるようにするにはどうすればいいのかわからない方は、

 

この『体幹はどうやって体を支えているのか?』という動画がオススメです。

 

実は、公式LINEに登録するだけですぐに無料で見れます!!

 

公式LINEの登録はこちら

↓ ↓ ↓

https://lin.ee/vg89A7A


この記事を書いた人

アバター画像

橋本祐一

福岡県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。四肢コース・福岡校講師研修中。総合病院、整形外科クリニックを経験。普段は、主に一般の整形疾患からスポーツ障害の中学生・高校生などの治療を行なっている。休日に息子と戯れ合う時は、全力で遊ぶ一児の父。