肩のゴリゴリ音、肩こりが原因と片付けないで! | 日本オランダ徒手療法協会

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肩のゴリゴリ音、肩こりが原因と片付けないで!

2022.04.10

from 橋本 祐一 @自宅デスクより

 

人間関係で悩んだときは『2:6:2法則』!!

 

なんで急にこんなこと言い始めたんだ!?って思ったかもしれないのですけど、

 

2:6:2の法則っていうのが、

 

組織のように集団ができると、優秀な上位が2割、平均的な中位の人材が6割、下位のグループが2割にわかれるという考え方。

また、人間関係についてはどのような行動をとっても自分のことを好きでいてくれる人が2割、行動によって好き嫌いがわかれる人が6割、なにをしても嫌いになる人が2割いるとされるという事。

 

この法則って働きアリの集団にもみられるといわれているらしいんです。

 

働きアリのうち、

・積極的に働くのは2割だけ

・6割は普通に働く

・残りの2割は働かない

 

えー!?

 

働きアリっていうくらいなので、みんなせっせと働いているイメージだったのに、アリの世界でも同じ事が起こっていたんですよね。

 

今までの私は、性格上「平和にいこうぜ」っていうタイプなので、ついついみんなに好かれたいと八方美人になってしまっていたんです。

 

なので、実際に言わないといけない時に強く言えない事でうやむやになってしまったり、

オブラートに包んで伝えた結果、相手に全然伝わっていなかったり、ダメな行いを見て見ぬ振りをしてしまったりと曖昧にしまくっていたんです。

 

要するに人に嫌われるのが怖かったんです。

 

人に嫌われる事を恐れて結局何も行動しなかったんですよね。

 

でも、この『2:6:2の法則』を知ってからというもの私の場合なのですが、私を嫌いな人は2割いるけれど、残りの8割は場合によっては好いてくれるんだと思っていると気持ちが楽になって、言いたいことを素直に言えるようになったりしたんですよね。

 

意外と共感してくれている人はいるのだと気づいて、色々な発言をし、環境などがよくなればいいなと思い日々行動しているんです。

 

今では逆に、なんで今までこんな事で悩んでいたんだろうって思っちゃいます。

 

あなたも人間関係に悩んだときは『2:6:2の法則』を思い出して活用してみてくださいね。

 

さて、人間関係に苦しんでいる人に少し手助けができた?(笑)のではと思いますので、続いては臨床の話をしていきますね。

 

つい先日、「肩がゴリゴリ音が鳴って痛い」というお悩みの患者さんがいたんですけど、

 

あなたは、このゴリゴリ音についてどう考えて、どうアプローチしていますか?

 

今回はその肩のゴリゴリについてお話しさせてもらいます。

 

肩のゴリゴリと音が鳴って痛い

 

 

先日、左肩が痛いとのことでリハビリの運びとなった患者さんがいたんですけど、

 

その患者さんというのが肩がゴリゴリ音が鳴って痛いとのこと。

 

患者さん:「肩がゴリゴリ鳴って痛いんです」

 

患者さん:「実は、今までもゴリゴリは鳴っていたんですけど、ここ最近ゴリゴリがひどく鳴ってきたと思ったら痛みが出だしたんです。」

 

そこで、肘を曲げた状態で肩をグルグルと肩を回し始めたんですよね。

 

すると、ゴリゴリと聞こえてくる状態だったんです。

 

肩がゴリゴリとなる原因として、様々な可能性がありますが、

 

・肩甲胸郭関節内での組織間の音?

・SLAP損傷などによる関節唇の音?

・変形性肩関節症による軟骨の音?

・肩峰下関節内の組織間の音?

・肩鎖関節内の音?

 

などなど他にも色々と可能性が考えられます。

 

この患者さんは1か月前から肩のてっぺん辺りがゴリゴリと音がし始めて1週間前から痛みが出だしたとのこと。

 

痛みが出だしたタイミングで近くの整骨院へ行って診てもらったら肩こりですよと言われたらしい。

 

ほぐしてもらって気持ちは良かったけど、痛みと音は変わらないって感じらしいんです。

 

このまま肩の痛みを放置しておくと、痛みはこれからもっと強くなって、生活面で障害になることが多いですよね。

 

こういったことからも、しっかりとした問診や評価をして痛みの特定因子を探し出す必要があるんです!!

 

今回、痛みの場所とゴリゴリと音が鳴る場所が共通するのか?なんですけど、

 

じゃあこの痛みの原因は?

ってことになりますよね。

 

まずは、これを特定することが重要です。

 

痛みの部位は?組織はドコ?

 

 

痛みの部位を問診したところ、

 

患者さん:「痛いところは、ココかな?」

 

指をさしたところが、肩鎖関節の辺り。

 

炎症の所見はなかったんですけど、圧痛があったんです。

 

痛みの原因となる組織をあげると、

・骨

・軟骨

・関節包

・靭帯

・関節円板

 

肩回し以外では痛みが出るのか?ということで、肩の屈曲動作を確認したんです。

 

すると、肩の屈曲150度くらいまでしか行かずに少し痛みがあるとのこと。

 

じゃあ伸展は?と動かしてもらうと異様に柔らかく参考可動域以上に行ってる!?

 

鎖骨の動きが原因かもと肩鎖関節を触診したまま肩の屈曲、伸展をしてもらったんです。

 

ちなみに、肩鎖関節は何関節でしたでしょう?

 

、、、。

 

そう!平面関節!なので2軸の運動をしますよね?

 

いいえ、肩鎖関節って3軸で上下左右の動きに加えて回旋の動きもするんです。

 

なぜその動きを可能にしているのかというと、関節円板があるため自由度の高い関節になっているんです。

 

そのことを踏まえて、肩の屈曲の動きを確認した際、後方回旋が不足していたんですよね。

 

というか、動いていなくて引っかかっている印象で、尚且つゴリゴリと音も同時に鳴っていたんです。

 

圧迫ストレスが関節円板へ常に起きていたことで骨膜への刺激が強くなり、痛みが生じたのではと考えたんです。

 

痛む原因の箇所とゴリゴリの音の正体を特定することができたんです。

 

ということで、肩鎖関節のマニュピレーションを行ったら、痛みは若干残っているもののゴリゴリ音が全くなくなったんです。

 

よし!これで万事解決!!

 

ではないですよね。

 

このまま治療終了したいところですが、これで終わってしまってはまた痛みとゴリゴリは戻ってしまいます。

 

それはなぜか?

 

根本の原因を解決しなければ一生痛いまま!!

 

 

じゃあなんで痛みとゴリゴリが起きているのか?そこが問題ですよね!

 

その答えは、本人からの問診から見つかったんです。

 

聞くと、仕事は営業で車の移動がメインで、その運転中は左の肘掛にずっと肘を掛けていて、さらには趣味で休みの日はパチンコをしているとのこと。

 

パチンコを打ったことある人はわかると思うんですけど、右手はハンドルを持っているんですけど、左手は手持ち無沙汰の状態。

 

その患者さんは、運転している時と同じように肘をずっと掛けている状態だったんです。

 

四六時中、肘をかけている状態で、私の仮説ではこの動きが原因で肩鎖関節への圧迫ストレスが常に加わって痛みとゴリゴリの音が起きていると思ったんです。

 

ですので、わざと肘掛けに肘を置いてさらに圧迫刺激を加えてみると痛みが出現したんです。

 

やっぱり!!患者さん自身もこれが原因なのかと気付いたみたいでした。

 

そこで患者さんへ自分が提案したのが1つだけ、

 

・肘掛けを中止してもらうこと

 

これなんですよね。

 

それから、実際に痛みが出たのがきっかけでその提案を守ってくれて、今では痛みは消失したんです。

 

結局、痛みや異常な音などが続くってことは患部に過度な負荷がかかっているってことなんです。

 

まずは、なんで痛みが出ているのか?

その組織を見極めることがとても重要なんです。

 

この痛みや音を無くす方法ばかりに気が行っていると、一生その痛みは治らないですよね。

 

ぜひ、皆さんもちょっとした訴えの患者さんにも、このような損傷組織の見極めからやってみると成果が出るはずです。

 

P.S.

実は、私ごとですが、最近管理職になって人間関係で悩ましくなってきたので、2:6:2の法則を思い出したんです。

 

この法則を悩んでいるスタッフに伝えることができれば、少し解決の鍵になるかもしれないなぁと期待しています。

 


この記事を書いた人

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橋本祐一

福岡県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。四肢コース・福岡校講師研修中。総合病院、整形外科クリニックを経験。普段は、主に一般の整形疾患からスポーツ障害の中学生・高校生などの治療を行なっている。休日に息子と戯れ合う時は、全力で遊ぶ一児の父。