blog
習慣化のトリガーポイント
2019.12.23From:長島 将太
@赤坂のTBS前より
先週のスクールでの出来事。
とあるスクール生がこんなことを嘆いていました。
「復習や予習が大事だと頭で分かっていても、
なかだるみしてしまいます…」
「研修に参加した翌週はやる気に溢れているんですが、
だんだん日が経つと…」
本来は『喝ッ!!喝ッ 喝ッ!!』と
張本さんばりに一蹴してるところですが、
悩みを正直に打ち明けてくれている
スクール生の気持ちは大事にしたいので
どうすれば、
『モチベーションを落とさない環境を作れるか』
について、一緒に考えて見ることに。
(実は、その方法を私は知っているのですが
考える力を育むスクールなので「コーチングスタイル」で考えてもらいました…)
さて、このように
『モチベーションを落とさない環境を作れるか』については
患者さんのホームワークや自主トレーニングでも共通してきますよね。
『自主トレ教えたのに、全然やってきてくれない』
『何度も教えるけど、一向にトレーニングが進まない』
『これをやってきてくれたら、もっと良くなるのに…』
ですが、
自主トレをやってきてくれないのは
本当に『患者さんが原因』なのでしょうか?
ズボラな性格の人は、
誰もホームワークをやってきてくれないのでしょうか?
以前の私は、恥ずかしながら
『患者さんが原因』と思っていた時代がありました
習慣化できない原因は『あなたのせい!?』
右肩痛で来院された40代の男性。
診断は「右肩インピンジメント症候群」だった。
「〇〇症候群」という診断名は痛みの原因が不明なことが多いので
基本的にはリハビリ中心の治療になることが多い。
その背景には、レントゲンやMRI診断上
器質的(構造的)に問題が見つからない場合が多いからなんですね。
だから、
『器質的障害』より『機能障害』が問題。
と言うことは、、、
そうです!
治療家の腕の見せ所
と言っても過言ではない疾患です。
なので、
私もより意気込んで治療に臨みました。
肩の可動域をチェックして、
インナーや肩甲骨周囲筋の機能を評価して、
姿勢も評価して、、、
ある程度、治療プランが立ったので
さっそく40分ほど治療することに…
40分後…
患者さん
「おッ、痛くない!」「腕が上がる!」
(この時の患者さんの反応は何度経験しても、嬉しい瞬間ですよね)
思っていた結果が出て一安心した私は、
自宅でやって欲しい自主トレを説明し、その日の治療は終了。
そして、4日後…
患者さん
「また肩が上がらなくなってしまいました(泣)」
「リハビリ終わった後は調子が良かったんですけどね…」
長島
「〇〇さん、ちゃんと自主トレしました〜(怪)???」
患者さん
「すいません。なかなか仕事が忙し過ぎて…」
「やろうと思っているんですが、時間がなくて…」
長島
「次こそ頼みますよ!!」
そして、
このやり取りが2週間も続いたんですね。
この時の私は、治らない原因を
『〇〇さんがやらないから』と
患者さんのせいにしてしまっていました。
そんな時、とある治療家からこんな言葉を伝えられました。
『本当に結果を出す治療家を目指すなら、人のせいにせず
どうすれば患者さんがやってくれるのかを考えようよ』と。
その瞬間は、『だって、、、』と
反論したくなりましたが(笑)
今となってはこの言葉は未熟な私に
非常に重要な気づきを与えてくれています。
自主トレのトリガーを設定せよ!
このように、自主トレをやらない患者さんには、
『あるひと工夫』をすることであっさり取り組んでくれるようになりました。
それは、、
・トリガーを設定すること
・自主トレ後の効果を確認し、次回報告すること
・やって欲しい事を1つ、多くて2つまでにすること
・治療時間の前と後に繰り返し、自主トレ内容を確認すること
特に重要となるのは『トリガー』を設定すること。
例えば、
朝起きたら顔を洗うとか、
朝起きたら歯磨きをする…など
行動のきっかけを設定することが重要になります。
今回の患者さんの場合は、
・昼食後に自主トレ
・入浴後に自主トレ
そして、具体的に回数とセット数を設定し、
どんな効果が出れば『良い自主トレ』になっているかの
効果判定までを指導しました。
すると、最初は乗り気でなかった患者さんも
トリガーを設定し、効果を実感できる環境まで整えると
あっさりやってくれました。
今までの苦労はなんだったのかと思うほど(苦笑)
こんなことで?
と正直驚きましたが本当にやってきてくれるのです。
もし、私のように『ホームワーク』をやらない患者さんにお悩みの方は
一度患者さんの行動のきっかけを作る『トリガー』を作ってみてはいかがでしょうか?
PS
スクール生には、2週間後のグループ勉強会と
定期的なチャットでのリマインドを行っています。
モチベーションが上下するのを前提に
『どうすれば下がった時に維持できるのか?』を
考え、日常の生活にトリガーを設定し、習慣化していく。
患者さんの前に、まずは自分自身で試して欲しいですね。
スクール生よ(笑)