隙間時間を意識すれば腰痛は治せる! | 日本オランダ徒手療法協会

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隙間時間を意識すれば腰痛は治せる!

2019.01.21

from 黒田雄太  福岡に向かうJRより

 

最高に揺れるJRの中でメルマガを書いている黒田です(苦笑)

 

なぜ、JRかというと今福岡に向かっているんです。

福岡に行く理由はオランダ徒手の基礎コースがあるからで、僕もアシスタントとして関わっています。

 

基礎コースはスクールの初級コースなのですが、結構盛りだくさんな内容なんです!いつもスクール生には頭から煙が出てくるぐらい、考えて、考えて、考えて、をしてもらいます。

 

一方的に教えることも出来ますが、自分で考えないと臨床でそれを活用するまで落とし込むことはできないんですね。

 

そして、さらに大事なのは研修と研修の間の時間の過ごし方。意外と1ヶ月は長いようで短いです。この1ヶ月でしっかり臨床で実践したり、理論の勉強をしたり、実技の練習するとビックリするぐらいに成長するんですね!

 

僕も基礎コース生だった時には、この1ヶ月の過ごし方を大事にしてました。めっちゃ勉強したのは第4回と第5回の間でしたが…(苦笑)第5回は修了試験なので試験勉強ということです(汗)

 

ただ、基礎コース生の頃はこんな事を思っていたんですね。

 

「まとまった時間がないからなかなか勉強できないなぁ…」

 

勉強するのは働いていたクリニックが休みの水曜土曜の午後と日曜日だけ。まとまった時間がないなぁと嘆いていたのですが、いざ勉強し始めると集中力が持たずに1時間程度で断念…。そんな事をやっていました。

 

ですが、ある時どうしてもまとまった時間が取れない時期があり、その中でも勉強しないといけない時がありました。

 

「あー20分ぐらいしかないけど、ちょっと勉強するか…」半ばヤケクソで勉強する僕。

 

20分後…

 

「へー、20分でも意外と勉強できるやん!!」

 

という事に気付いたんですね!

 

その経験から今はまとまった時間が取れなくても勉強できるようになったんですね。

 

朝起きてからの20分、昼休みに20分、通勤時間に動画を見るのに30分…みたいな感じで勉強するようになりました。

 

すると、以前はまとまった時間を確保しようとしていたにも関わらず、1週間で合計3時間程度しか勉強できていなかったのが、今では1日1時間以上勉強している事になります。

 

今の方が遥かに良いですよね。

 

そう考えてみると、意外と時間ってあるものなんです。30分あるとかなりしっかりとした事が出来ますよ!

 

この時間の使い方について、臨床でよく患者さんがこんな事を言いませんか?

 

「先生、運動しようと思っても私、忙しいから運動する暇がないんですよねー」

 

おそらく、全く運動する時間がないということはないと思うのですが(汗)

 

そこで、今回は「時間がなくて運動出来ない」とよく言われる患者さんにどのようにしたら運動をしてもらえるのか?その事についてちょっとしたコツを皆さんにご紹介したいと思います。

 

治療スキルではないですが、これも結果を出すためのスキルの1つですから、是非最後までご覧ください!

 

腰痛体操と日常生活の指導

以前勤めていたクリニックでは個別リハビリの処方が出ずに、腰痛体操や日常生活指導のみというケースも多くありました。

 

そのような感じである新患さんの腰痛体操と日常生活指導の指示が出たんですね。

 

レジ打ちのパートをしている40代の女性。長時間立っていると腰の張りや痛みが出てくる症状でした。

 

指導だけなので、患者さんが来たら決まった体操と生活指導をして…なーんて事は僕はやりません!

 

徒手療法をしなくても、腰痛患者が来たら必ずしないといけない事がありましたよね?

「腰痛のトリアージ」。覚えてましたか?(苦笑)

 

治療の前に腰痛を3つのグループに分けます。特に重要なのは治療対象外となるレッドフラッグと呼ばれる危険な腰痛。骨折や悪性腫瘍、感染症などが含まれます。

 

まずは、このレッドフラッグがない事が前提で、次に下肢痛が特徴的な神経根症状と一般的な姿勢や動作に痛みが関連するメカニカルペインに分類します。

 

この患者さんは立っていると痛みが出てくるという事で姿勢と腰痛が関連しているので、メカニカルペインでした。

 

次にどの組織がこのような症状を出しているのかを考えていきます。この患者さんの腰痛はピンポイントの痛みではなくて、腰全体の張り感や鈍痛というような感じでした。

 

ということは、腰の何かの組織が損傷を起こしているということは考えにくいんです。損傷があればピンポイントでの鋭痛になる可能性が高いからです。

 

僕はトラブルを起こしている組織について2つの仮説を立てました。

 

仮説1

多裂筋などのインナーが弱くなっているのを、アウターの脊柱起立筋が代償して過剰に収縮している事による痛み

 

仮説2

長時間の立位によって椎間板が常に圧迫されて薄くなっている。よって、椎骨への刺激が増えてしまって痛みが出た

 

このように考えたんですね。なので、治療の方向性は

 

・インナーマッスルの活性化

・アウターマッスルの緊張緩和

・長時間立位による腰周囲の不動の軽減

 

としました。

 

そして、これらの方針に合わせた具体的な指導内容は

・呼吸とともにお腹を凹ませるドローイン

・脊柱起立筋のストレッチ

・立位中に腰を屈伸・左右側屈・左右回旋方向に動かす

 

この3つを考えたんですね。

 

患者さんには今の症状のメカニズムやなぜこの運動をしないといけないのかをしっかりと説明しました。

患者さんも僕の説明中には多く頷いてくれていたので、すんなりやってもらえるのかなと思ったのですが…

 

「先生、運動しようと思っても私、忙しいから運動する暇がないんですよねー」

 

とこの一言…

 

以前の僕なら「そうですか…」と諦めてしまっていたところですが、取り組んでもらうために次のことをやってみたんです。

 

スケジュールを整理してみよう!

その患者さんには次のことを細かく聞きました。

 

・ライフスタイル

朝起きてから、夜寝るまでにどの時間帯に何をするのか?

 

・ワークスタイル

労働時間やタイムスケジュール、仕事の内容や動き、工程など

 

これを実際に時系列ごとに紙に書き出してみるんですね。すると、患者さんからこんな一言が…

 

「意外と運動する時間ってありそうですね!」

 

この患者さんの場合は、夜ごはんの片付けをした後に家族がお風呂に入っている時間帯に「隙間時間」がありました。

 

また、仕事中はレジを打つ動作でも手だけで行うのではなくて、ちょっとでも腰の回旋を含める動作に変えたりとか、お客さんがいない時は買い物かごの整理をするときに腰の屈伸の動作を加えるなどの工夫をしました。

 

このようにその人のライフスタイルやワークスタイルをより深掘りすることで、意外と運動する時間は見つかることもありますし、自分が狙った運動を仕事の動作の中に組み込むことも出来ます。

 

そして、より確実に習慣化に導くためのポイントですが、ある程度ライフスタイルやワークスタイルを聞き出し整理してあげた後に、こちら側からこのタイミングで運動したら?と提案するのではなくて、「患者さん自身に決めてもらう」ということをすると良いと思います。

 

他人から決められたことよりも、自分で決めたことの方がしっかりと取り組みますからね。

 

運動をしてもらえない患者さんはとても多いですよね。むしろすんなりしてくれる患者さんの方が少ないんじゃないでしょうか?

 

今まではこの患者さんはしてくれない…と諦めていたところを今回ご紹介したポイントを活用して、是非臨床でも患者さんの「運動の習慣化」に取り組んでみてください!

 

あなたの治療結果が今よりも一段とアップすると思いますよ!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S.

基礎コース生もあと2ヶ月で修了試験…って自分の修了試験まで残り2週間じゃないかー⁉︎隙間時間を見つけてコツコツ勉強しよう(汗)もしかしたら、このメルマガが皆さんに届く頃には試験終わってるかも(苦笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。