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偏頭痛に対するアプローチ①
2017.10.12こんにちは。
オランダ徒手療法協会の杉山です。
疲れがたまったり、同じ姿勢をしているとなぜか、頭痛になることありませんか?
偏頭痛を訴えるクライアントが多く存在します。
今回は2回に分けて、お伝えしようと思います。
偏頭痛って一体なんなんでしょうか?
訴えの多くは片側の広範囲にわたる痛みの症状です。
ズキズキしたり、ガンガンしたり、二日酔いの後のような症状だったりと様々です。
今回、偏頭痛に困っているクライアントに対して、
オランダ徒手療法的にアプローチしてみたので後ほど紹介します。
それにしても、偏頭痛って一体何者なのでしょうか?
偏頭痛って何?
日本神経学会によると
偏頭痛という名称の由来は頭の片側が痛むこととされています。
偏頭痛発作は通常4~72時間続き、片側の拍動性頭痛が特徴です。
ただし非拍動性の片頭痛、両側性の片頭痛もあります。
頭痛の程度は中等度~高度で日常生活に支障をきたします。
また、階段の昇降など日常的な運動により頭痛が増強することも特徴のひとつです。
悪心(吐き気)、嘔吐を伴うことが多く、頭痛発作中は感覚過敏となって、ふだんは気にならないような光、音、においに不快感を感じる方が多いようです。
成人の8.4%、約840万人が偏頭痛にかかっていると報告されています。
治療法としては
薬による対処療法が一般的なようです。また、ストレスや生活習慣病によるものが多く、環境的なサポートで解決していくことが多くあります。このように数多くの方が片頭痛に悩まされていることがわかると思います。
日本神経学会 HP より
以上が定義とされています。
治療方法に関しては、薬物治療や環境面へのサポートと書いてありますがそれ以外に私たち治療かができることはないのでしょうか?
今回ある女性に対して私が行った治療の考えを一部紹介したいと思います。
問診で決まる4つのポイント
今回紹介するのは
30代、女性、会社員(事務作業)&主婦(家事全般)
数年前から度々頭痛に悩まされており、病院にいきMRIまで撮ってもらったが、特に問題なく偏頭痛の診断を受ける。
今回も偏頭痛が酷くどうにかしたいと言って来院してきている。
皆さんはこのようなクライアントが来たらどうしますか?
頭を揉みましょうか?肩周りや首をほぐしちゃいましょうか?
それとも頚椎のマニュピレーションですか?モビライゼーションですか?ストレッチ?
それでは何も問題解決には至っていません。もちろん、クライアントの困っている痛みを即時的に取り除くことは重要です。
でもです。
何も意味をなしていません。
おそらく、その場しのぎの治療を行っても、再び痛みは出現します。
では、何をするべきなのか?
最重要なのが
問診です。
①現状の把握
②今までの経過(生まれてから今までの既往歴・頭痛の痛みの経過など)
③阻害因子の確認・・・3S(sports/life/work style)や精神的な問題など
④運動連鎖
この4つについて聞いていきます。
すると以下のことが判明しました。
①痛みが常になりジンジンする。痛みの範囲は広い。熱感や腫脹はない。時々生き苦しい。
②半年前に原因不明の咳が1ヶ月間続き、胸回りが痛くなった。胸椎部にも痛みが生じる。
③その後度々偏頭痛に襲われ、ロキソニンを処方したりやマッサージを受ける。
咳をする前後で職場で嫌なことがあり、ストレスが溜まる。
寝つきも悪い。生理不順あり。昔、卓球をやっており常に猫背、生活でも同様の姿勢など
④常に猫背。
ここである仮説を立てます。
仮説たてる重要性
仮説は評価ではありません。
あくまでも、このクライアントが何困っており、どの部位がどのように痛いのかを組織鑑別していきます。
そして、過去から現在を結びつけながら本当の原因を探っていきます。
ここまでの仮説を立てることで、この人のゴール設定とランディングを見つけ出すのです。
そして最終的な治療内容を立案していきます。
それから、ようやく治療に入るのです。
問診はいわば、治療の設計図と工程表作るためのピースなのです。
では、このクライアントの仮説を考えてみます。
上記の問診から以下の仮説立てを考えていきます。
<偏頭痛の痛み>
広範囲
MRIでも問題がない
熱感や腫脹もない
→頭部に関しては特に問題はない
→放散痛か関連痛の恐れあるかも?
<過去を見てみる>
原因不明の咳が1ヶ月以上続き
胸部が痛くなる
→胸郭周りに異常があるのでは?
<心理的な要因で見てみる>
不眠が続く
痛みのたびにロキソニンを飲む
職場でのストレス・生理不順あり
→自律神経に問題か?
<アライメント>
猫背・卓球の姿勢
→胸郭が丸まっている
このように、仮説から問題を抽出していきます。
問診からでもこれだけの可能性見いだすことが可能なのです。
<仮説>
①心的ストレスで自律神経系に問題があると考え、
頭部の循環・栄養が乏しくなり疼痛症状が出現したと考える。
②過去に咳に襲われ胸郭・胸椎部に痛みを生じた経緯から
脊柱に問題があると考え関連痛の可能性が高い。
③疼痛部位がデルマトームからC2の範囲、C2部に関連している自律神経がTh2にあたる。
①、②の仮説から胸椎2番・胸郭に焦点を絞ったアプローチ方法を立案し、
セルフエクササイズも胸郭周囲のストレッチ・呼吸方法、精神的な不安もあることから身体部分のリラクゼーションを行います。
ここまで、考えた上で実際の治療介入に入っていきます。
どうだったでしょうか?
身体にまだ触れていない状態でもこれだけの評価ができ、仮説立てが可能になるのです。
次回は、実際の治療介入に関して説明していきたいと思います。