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痛みを悪化させている恐ろしいネガティブワードとは? | 日本オランダ徒手療法協会

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痛みを悪化させている恐ろしいネガティブワードとは?

2021.11.16

from 杉山貴規 自宅デスク

 

先日、机の引き出しを整理していたら、インディアンジュエリーの指輪が出てきた。

 

この指輪なんだけど、

 

理学療法士の国家試験に通った時に記念で自分に買ったものなんだ。

 

それを大事に大事にしていたんだけど、

 

行方不明になっていたものなんだよね。

 

それが、ついこの間ひょいと出てきた。

 

本当に嬉しかったんだ。

 

インディアンジュエリーはもともと興味があって、

洋服屋さんで売っているとつい見てしまう。

 

カッコイイとかそういうのも、もちろんあるんだけど

 

何よりもインディアンジュエリーの掘られている絵の意味合いや

インディアン自体に興味があるんだよね。

 

だから、かっこいいものを買うのもそうなんだけど、

彫り物の意味を知ってから購入することにしている。

 

イーグル

アロー

スネーク

サンダーバード

スワテカ

 

などなど

 

自然のモチーフがジュエリーに込められている。

 

だから、自分はお守りのつもりでいつも購入しているんだよね。

 

そんなインディアン好きな自分に知り合いがインディアンの詩を教えてくれたんだ。

その言葉を聞いてすごく今後の人生の道しるべになるって思ったんだよね。

 

それがこれ

 

今日は死ぬのにとても良い日だ。

 

あらゆる生あらゆるものが私と共に仲良くしている。

 

あらゆる声が私の内で声をそろえて歌っている。

 

すべての美しいものがやってきて私の目の中で憩っている。

 

すべての悪い考えは私から出ていってしまった。

 

今日は死ぬのにとてもよい日だ。

 

私の土地は平穏で私をとり巻いている。

 

私の畑にはもう最後の鋤を入れ終えた。

 

我が家は笑い声で満ちている。

 

子どもたちが帰ってきた。

 

うん、今日は死ぬのにとてもよい日だ。

 

 

何か感傷的になるかもしれないけど、

 

自分が人生の最期を迎える時に、こんな感じで自分がいれるのかと考えてしまう。。

 

今は、そうではないかもしれないけど、こういう風な最期を遂げたいって思って、

いつも頑張っているんだ。

 

っていう言葉の偉大さに気がつかされた詩なんだよね。

 

さて、言葉というものは本当にすごいんだけど。

 

人を導く力が備わっているから、いい方に向かうこともあれば、悪い方に向かうこともある。

 

だからこそ、言葉の使い方には十分に注意したほうがいい。

 

医療の現場はなおさらだ。

 

どことなく医療現場というのは、怪我や病気の方が来るところだからポジティブな言葉かけをするんだけど、実はそれ以上にネガティブな言葉を言っているんだよね。

 

「あなたの怪我・病気は〇〇です。」

「全治数週間になります。」

「それはやめておきましょう」

「無理はしないでください」

「痛いところはどこですか?」

「なんで痛いのにそんなことをしたんですか?」

「そういう行動には注意してください」

 

などなど

 

こんなにもネガティブな言葉であふれている。

 

そんなネガティブな言葉で患者さんを知らず知らずに追い詰めて、なかなか症状が緩和しなかったっていうことが昔あったんだ。

 

いつまでも痛がる患者さん

 

何年前かな?

 

自分が3年目でだいぶリハビリに自信が持てていた頃の話なんだけどね。

 

ある腰痛を持った高齢の患者さんを見ることになったんだ。

 

診断名は陳旧性の腰椎圧迫骨折による腰痛

 

陳旧性って診断名になるの?って思っていたんだけど。

 

それが原因で腰痛になっていたんだ。

 

患者さんが来て最初にやることは何か?

 

問診なんだけど当時こんな感じのことを聞いたんだ。

 

「〇〇さん、どこが痛いですか」

「どんなふうに痛いですか」

「どうすると痛いですか」

「いつ痛くなりますか」

 

とにかく痛みに関しての情報を聞いて言ったんだよね。

 

自分としては、痛みの箇所や原因を探らないといけいないし、どういう体の動かし方で腰にストレスがかかり痛みが起こってしまうのかっていうことを探さないといけないから、

 

この痛みの質問をしたんだよね。

 

もちろん患者さんはこの答えに分かる範囲で答えてくれてから

 

リハビリを行うんだ。

 

リハビリを行なっている時も

 

杉山「痛いときはいつでも言ってください」

患者さん「はい、わかりました。」

杉山「痛くないですか?」

患者さん「大丈夫です」

杉山「これでリハビリ終了ですが、痛みはどうですか?」

患者さん「良くなりました」

 

リハビリが終わると

 

「痛みがある動作は避けてください。」

「痛みがあるまではこのストレッチや体操をやってください」

 

それからも、来院されると

「痛みはどうですか」

「痛みなくストレッチ・体操していますか」

 

こんな感じでやっていたんだよね。

 

しかし、この患者さんが病院の通院が終了するまでに数年かかったんだ。

 

原因は自分のリハビリの未熟さ、技術的なものが招いたってその当時思っていたんだ。

 

しかし、本当は違うところに原因があったんです。

 

それは、私の言葉が招いた結果だったんです。

 

ネガティブ言動は相手をネガティブにする

 

あるとき、ある先輩からこんなことを言われたんです。

 

先輩「そういえば、あの腰痛の患者さん。なんであんなにリハビリ通っていたの?全然痛みなかったでしょう。杉山くんのこと好きで通っていたのかね〜笑笑」

 

(痛くない?)

 

笑笑って

 

笑ってられない事実

 

杉山「いや、自分の時は腰が痛いって言っていましたよ」

 

先輩「おかしいね。痛みはないはずだよ。痛くないって言っていたし」

 

先輩「杉山くんさ〜、もしかして、何かネガティブなこと患者さんに言っていない?痛くないですか〜とか」

 

(わ〜メチャ言ってる)

 

それから色々先輩から教えてもらったんだけど。

 

ネガティブな言葉を言うと相手もつられてネガティブなことを言っちゃうことがあるらしいんだ。

 

特に痛みに関しても

「痛いですか〜」

「どこか痛いところありますか」

 

って聞くと痛みの粗探しを勝手に患者さんがしだして、少しの痛みでも『痛い』って言ってしまうことがある。

 

さらに、ネガティブな言葉をこちらが言うと脳がネガティブになって痛みを慢性化させてしまうっていうこともあるらしい。

 

だから、患者さんにはネガティブなことはなるべく聞かないほうがいいっていうんだよね。

 

本人が言ってきたらそれをこちらが解釈するくらいが一番だっていうんだ。

 

こっち症状を聞くときに

 

先に書いたようなことを聞くんじゃなくて、

 

「最近どうですか?」

「今日はどうですか?」

「腰の調子はどうですか?」

 

などなど

 

なるべくネガティブにならないような言葉を選んで聞くことが重要らしいんだよね。

 

こんなことが、昔あったんで今ではなるべくネガティブな言葉を使わないようにしているんだよね。

 

しかし、やはり症状やリスク管理の面からも聞いたり説明したりする必要はあるから、なるべく回数を少なくしているんだ。

 

今では、ネガティブな言葉を言わないようにして患者さんを見ている。

 

そうなってくると面白いもので、

患者さんの通院期間ていうのが長期にならないことが多いし、

自分のところに来た慢性疾患の方が慢性疾患ではなくなることも出て来ているくらいなんだよね。

 

言葉の力は正にも負にもなる。

 

あなたは、言葉を選んでリハビリ・施術していますか?

ネガティブな言葉ばっかりになっていませんか?

 

そうであれば、

技術を磨くのと同じくらいに言葉の使い方にも力を注いだほうがいいですよ。

 

そうすれば、あなたの技術の効力もより高まります。

 

参考にしてください。

 

PS

自分はこのほかにも、人生の道しるべとなる言葉があるんだ。

 

その言葉は自分奮い立たせて、前へ突き動かしてくれる言葉。

 

次回、何かの機会にまた紹介しますね〜