復帰時期が明確に言える!上級リハビリプログラムの作り方 | 日本オランダ徒手療法協会

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復帰時期が明確に言える!上級リハビリプログラムの作り方

2021.10.24

from 杉山 貴規 自宅デスク

 

コロナの1日の感染者が日に日に減少しいるニュースを見ますよね。

 

1ヶ月前は1日平均5000人以上なんかざらな日が続いていたのが嘘のようで、

 

東京の感染者数は今では、41人(10月20日時点で)って数値になっています。

 

自分は結構うがった見方をしちゃうんで、「本当の数字?」「数字を操作してんじゃないの?」ってな感じに。

 

ま〜、それでもこれが本当であれば、良くなっていることはいいことですよね。

 

病院ではまだまだ、警戒をしていますが…

 

そんなコロナの影響で体を動かすことが減っている現在なのですが、

 

面白い記事を見つけたんで紹介しますね。

 

ウォーキングの記事なんですが、

 

あなたは1日どのくらい、歩くことが重要か知っていますか?

 

おそらく、5000歩、10000歩

 

なんて数字を思い描くと思います。

 

自分の患者さんでも、10000歩なんていう人はざらにいます。

 

なんでこの数字なのか?

 

厚生労働省のメタボリックシンドロームに関わる『健康日本21』資料では男性は9000歩、女性は8500歩が推奨されています。

 

これを歩けば、メタボにならずに済むからなんです。

 

で、ここからが本題なんですが、この歩数違いで病気を予防できる明確な数字があるとしたら、あなたは知りたくないですか?

 

知りたいですよね。

 

実はあったんです。

 

歩数違いで病気を予防する数値が!

 

・うつ病の予防

 →4000歩以上+速歩きを5分以上

 

・認知症や脳・心血管疾患の予防

 →5000歩+速歩き7・5分以上

 

・肥満、糖尿病やがんの発症予防

 →8000~1万歩+20~30分以上の中強度運動

 

 日本国内で2000年から継続している65歳以上を対象とした「中之条研究」より  

 

これってすごいですよね。

 

この数字を知っている人ってそんなにいないんじゃないでしょうか?

 

知ってたらスミマセン。

 

こういう数字を知っているだけでも、患者さんの信頼関係は深くなっていきます。

 

なんかの機会があれば是非、うんちく垂れちゃって、ドヤ顔しちゃってください。

 

さて、今日話すのは、こういった研究からのエビデンスの話ではなく、自分のある持論を展開したいと思います。

 

それはあることがきっかけで、自分によくくる質問なんですね。

 

・患者さんの退院時期をどうしているのか?

・患者さんの趣味の復帰の可否をどうしているのか?

・選手の練習復帰・試合復帰の時期をどう決めているのか?

 

などなど

 

復帰の時期に関しての質問なんですね。

 

ま〜、ここのブログでもよく話しているんで、わかると思うんですが、それは3つの基準があります。

 

・症状がなくなっていること

・組織損傷の治癒期間を知ること

・組織が目標の負荷に耐えられるかどうかの評価

 

ってことなんです。

 

これはあなたも知っているし、頭の中でもなんとなくわかっていると思います。

 

でも、この3つを知っていればいいのか?

 

いや、それは違います。

 

自分のところにくる質問で多いのが一番最後の評価

 

『組織が目標の負荷に耐えられるかどうかの評価』

 

のところなんです。

 

なんで、これが多いのか?

 

それはある理由があるんです。

 

自分も苦労した復帰の評価

 

例えばなんですが、

 

趣味のハイキングや登山が趣味がいたとします。

 

この患者さんに、あなたいつからやっていいかを許可しますか?

 

すごい難しいですよね。

 

実際、この状況下になったことあったんです。

 

当時、臨床年数も5年目の病院勤務だった自分。

 

そこそこ、リハビリに関しては自信を持てやっていたんです。

 

そんな時に、今回のような質問が来ると、リハビリ室でできる身体評価やMMTなどを行い。

 

「もうちょっとですね〜」

「今の状態は無理ですね。再発しちゃいますよ」

 

ってな感じで、先送り先送りしていたんです。

 

今思えば、クソ理学療法士ですよね。

 

しっかりとはっきりと明確な復帰時期を言えないんですから。

 

そんな感じで臨床をやっていた頃に、2つのある仕事が舞い込んできたんです。

 

それは、サッカートレーナーの話。

 

もともと、興味があったし、やりたかったことだったんで、やることになったんです。

 

結構自信満々で、この業界に飛び込んだんです。

 

理学療法士の技術で選手を復帰させて、強くして、チームを勝たせる

 

そんなことを思い描きながら、トレーナーをやるんですが、

 

現実はそうは甘くない。

 

選手の怪我を治すこと・症状を治すことはうまくいっていたんです。

 

でも、あることが自分を悩ますことに。

 

それは、どの選手も必ず尋ねること。

 

選手「復帰時期はいつですか?」

 

この質問に自分は明確な答えを出すことができなかったんです。

 

入って当時の基準は

・症状の消失

・MMT5

・正常可動域になっていること

・アジリティーが痛みなくできること

・長距離が痛みなく走れること

・短いスプリントが痛みなく走れること

 

ってな感じ。

 

これがクリアできれば復帰させていたんです。

 

そんな中、事件が起きたんです。

 

なんでこの選手を復帰させたんだ!

 

トレーナーをやり始めて、数ヶ月経った頃、監督から呼ばれたんです。

 

それは、選手の復帰に関して、

 

監督「A(選手名)だけど、いつ復帰できる」

杉山「そうですね。痛みがあるんで、それが出ているうちは。」

監督「いつかはっきりしないのか?」

杉山「はい。痛みがあるんで…」

監督「プロならはっきり時期を提示しろ!」

 

もう、凹みました。

 

確かに、このことに関しては自分でも、ないがしろにしていたんです。

 

そこを、突かれた感じ。

 

それで、復帰時期を明確にするにはどうすればいいのか?

 

それは、

1.損傷した組織の治癒期間を知ること

これに関しては、文献にも書いていますが、人によって損傷度合いによって誤差があるので、ドクターとコミュニケーションを取るようにしました。

 

2.組織がサッカーの負荷に耐えられるかどうかの評価

これに関しては、怪我をした選手のポジション、サッカーの動作、競技特性、チームの戦術・コンセプト、怪我をした時の状況、怪我をした部位の徒手的評価などの情報収集を行い、治癒期間から前後何週間で復帰できるかをドクターと話し、決定する。

 

ってな感じの取り組みを行うようにしたんです。

 

特に、重要なのが、2番目のところ

 

何が重要かというと、

 

ここでやる内容が細かければ細かいほど、復帰しても再発することはなく、予定通りに復帰できるんです。

 

例えば、

捻挫をした選手がいたとしたら、

・徒手的な検査(MMT/可動域/感覚)

・症状の有無の評価

・歩き(超スロー・スロー・普通・速歩き・小股・大股・前歩き・後ろ歩き)

・速歩き&ジョギング

・ドリブル歩き、ドリブルジョギング

・スプリント(5m、10m、20m・・・400m)

・長距離走(5分、10分、20分、40分・・・60分)

・ジャンプトレーニング(両足・片足・ケンケン・ケンケン相撲)

・ヘディングトレーニング(両足地面につけて・両足ジャンプ・片足ジャンプ)

・パストレーニング(ボール投げ・キック・ショート・ロング・弱い・強い)

・アジリティートレーニング(ボールあり・なし・スロー・ハイスピード)

・対人トレーニング(1対1、複数)

・シュートトレーニング

・ポジション別トレーニング(ポジション違いで練習内容を変更)

 

などなど

 

これはごく一部、このほかには時間設定をしたり、メディシンボールをもたせたり、ゴムチューブをつけたりして行う。

 

これら全てで、捻挫による症状が出ずに、バランスを崩すことなく、テーピングを巻かないでできたら、復帰とすることにしたんだ。

 

それで、それぞれある期間を設けることにするんだよね。

 

これらをダラダラやることは、復帰時期がどんどん遅れてしまう。

 

自分にもここまでには、完璧な状態で復帰させる。

 

完璧というのは再発せず、怪我をした同じ場面で怪我をしないこと。

 

っていうことを何年も繰り返したんだよね。

 

それから、サッカー以外のリハビリやっていても、復帰時期を明確に示すことができるようになって、それまでにリハビリを終了できるようになったんだよね。

 

つまり、自分が何が言いたいかというと、

 

復帰時期を明確に言えない、復帰までのリハビリプログラムが組めない理学療法士はトレーナー業になることをお勧めします。

 

とは言っても、スポーツに興味がない人も多いはず、

 

そういう人は、訪問リハビリをやることを勧めます。

 

訪問は自宅での生活動作ができるできないがはっきりするので、病院でリハビリするときに退院までのリハビリプログラムが細やかにせってすることが可能なんだ。

 

実際、自分も訪問リハビリをやっていた頃があって、その経験がスポーツ選手以外の患者さんを見るときに役に立っている。

 

是非、参考にしてください。

 

PS

実際8000歩はどのくらいの距離なのか?

 

だいたい約6kmになる。

 

これで、病気予防になるのであれば、やるべきだな!できるかなぁ〜(笑)