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『目的』なき治療は一生闇の中
2021.08.06from 橋本 祐一 @自宅デスクより
この前、奥さんが『ハイフに行ってくる〜!』って出かけたりしていたのでなにそれ?と聞くと、、、。
『エステよ。エステ!』とウキウキで出かけていたんです。
帰ってきて、Before・Afterの写真をみて、顎のラインがシャープに!
こんなに変わるもんなんだなと感心したんです。
ってそもそもハイフって何!?ってなったんで調べてみたんですけど、
”ハイフとは、高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound)の頭文字の略。元々は医療機器として使用され、太陽の光を虫眼鏡で1点に集めると焦点部に高い熱が発生するように、超音波を1点に集束させることで、十分な熱エネルギーを予め設定された深度に送り込むことが出来る。この熱エネルギーを利用し痩身&小顔を目的としたエステサロンに活用される。”
要するに、超音波を体内に照射して肌深部に熱と振動を発生させる事で、毛細血管拡張と血行促進により、新陳代謝を促して細胞を活性化させる効果が期待できる治療器だそうです。
なんで急にHIFUをしたいとなったのかを聞いてみると、
『今度友達の結婚式があって綺麗にドレスを着たいから!』
目的がしっかりとしていて女性は、いつまでも美しくいたい。綺麗でありたいという気持ちはいつになっても衰えないんだなと感じていました。
話が変わりますが、目的を持つことって大事ですよね。
・仕事でこの期日までにやり遂げる!
・将来◯◯になりたい!
・スポーツで記録を伸ばしたい!
病院にお勤めの治療家や個人経営での治療家にとっても目的は大切ですよね。
でも、目的をしっかり持っていないと治療の場面で躓くことがあると思います。
『いつまで通えばいいの?』
こんなことを患者さんから聞かれたことありませんか?
どう返答すればいいのか困ったり、悩んだり、結局曖昧に返答してしまったり、
昔は私も本当に悩んでいたんですよね。
・痛みがなかなか良くならないからいつになったら良くなるのか?
・治っているはずなのにリハビリに来ている。
それぞれに答える内容は違えど、的確に答えることができなかったんです。
痛みがなかなか治らない方にはなぜ痛いままなのかわからずに焦ってばかり、結果も良くないままですし、
痛みが良くなってる方は、頼られてるからいいのかと思ってしまうんですけど、結局痛みがないからマッサージをして運動を促してハイ終わり!って流れになるんです。
ずっとこういうことをしていると、その患者さんのことをあまり深く考えなくなってきて、それに対して自分自身に歯がゆくなったり、、、。
でも、これって実は治療家のあることが足りていないからかもしれません。
それは何なのかを今回はお話させていただきたいと思います。
股関節の痛みで悩む患者さん
股関節の痛みがあって歩くのも痛くて生活に困っている方。
当時の私は、外来でリハビリができる時間は、20分!その時間で結果を出すことだけに集中していたんです。
動作を見て、痛い場所を聞いて、姿勢を見て痛みが出ていないかな、、、。
立ち上がりの時と階段の降りるときが一番痛い。
よし!この痛みを無くせばオーケーだな!!
そこから、悪い姿勢や悪い動作を修正して痛みの消失を目指していくと思うんですよね。
痛みが減ってよっしゃー!!
ってな感じで、この調子でいけばリハビリも終了だな!
と思った矢先、患者さんから次々と要望が出て来ちゃったんです。
歩いても痛みが減った。
↓
階段を登りたい。
↓
出来るようになった。
↓
横断歩道の点滅で小走りができるようになりたい。
↓
これも出来るように。
↓
長時間歩きたい。
↓
などなど。
これっていつになったらリハビリ終了になるんだー!泣
『目的』を決める重要性
って感じであなたもやっていませんか?
明らかに、全然何かが足りないんですけど、 今まで私もこんなことばかり、、、。汗
もっともしていたことって痛みの評価と動作や姿勢の評価だけですよね!
他にもする必要のある評価は沢山あるんですけど、20分という時間の短さを理由に恥ずかしながらそれに集中しすぎていたんですよね。
まさに、この評価だけではダメなのはわかりますよね。でも、整形外科テストなどの徒手的な評価を追加しても足りないんです。
この足りない事が、いつまで通えばいいの?と言われてしまう原因なんです。
では何が足りないのか?
DMTには欠かせない問診も大切ですが、当時の私は患者さんとのコミュニケーションを全くしていなかったんですよね。
全く患者さんのことを聴かずして、とりあえず痛みをとるだけになっていると、先ほどの患者さんのように次から次へとここが痛い!ここをどうにかして!と。
このコミュニケーションをしてないと治療家への依存度がさらに高まってしまい、いよいよ治療の終わりは無くなってしまう!
痛みをとるための情報収集だけでなく、患者さんの痛みを解消した後はどうなりたいのか?
『目的』を明確にすること。
このことを患者さんと治療家が一緒に考えることが大事になるんです。
じゃあ、どんな目的を設定するのか?
・旅行をできるようになりたい
・富士山に登りたい!
・子供とショッピングをしたい!
・ジムに通ってムキムキになりたい!
上記のように最終的な『目的』を立てていくんです。
要するに『目的』=ゴール設定!
なんだ、ゴール設定のことね。ってなってると思いますが、ゴール設定を痛みをとることにしてしまうと私みたいになってしまいます。泣
この目的をしっかり決めて治療に臨んでいる人って少なくて、目的に沿ったプログラムを組み立てずに、結局症状緩和だけになってしまい、いつまでも通い続けることになるんですよね。
でも、目的を決めるだけではなく、次にすることも大切になります。
患者さんとの『目標』の共有で万事解決!
目的は「的(まと)」、『目標』はそのための「標(みちしるべ)」
『目標』とは、目的を達成するためのステップのことです。
あくまでも、目的を達成するために目指すべき行動や、その道筋を示したものが『目標』となるんです。
じゃあ、先ほどの患者さんが旅行が出来るようになりたい!との目的に対してどんな目標を段階づけていくのか?
・移動手段は?(車・新幹線・電車・飛行機など)
・目的地に着くためには何回立ち上がるのか?
・どのくらい歩かないといけないのか?(約何km)
・目的地に行くまでに階段を登る階段の段数は?
・誰と行きたいのか?(夫婦や同年代の友人、子供・孫など歩くスピードは?)
などなど
ここに挙げた内容以外にも考えるべきことはあると思うんですけど、目的に向かうために『目標』を細かく設定して今やるべき事まで下ろしていくと、道を逸れずに目的に向かうことができるんです。
目標設定がしっかりしていると、患者さんが無意識に自主トレにも積極的に取り組んでくれたりするんです。
これって患者さんだけでなく、治療家にとっても何をどう進めていいのか明確になりますので、治療への迷いが無くなるんですよね。
目的は「なぜ?」「なんのために?」という質問の答えであり、
目標は「そのために実現したいことは?」といった質問の答えになるのではないのかと思うんです。
ここで注意すべきことは、患者さんが治療の継続を諦めかけたり、自主トレをせずに、経過が停滞してしまうことはあると思います。
でも、そのみちしるべである軌道が外れてしまった時、『目的』が明確になっていると患者さんへアドバイスや喚起を促すことができると思います。
目の前の患者さんからいつまで通えばいいのか?の問いをされた時は、可能な限り問診やコミュニケーションに時間をかけてみてください。
患者さんと共に治療家も満足できる結果が得られるかもしれませんよ。
P.S
最近、忙しさにかまけて太り気味になっているので、奥様とダイエットを計画したいと思います。自分の目的は、、、。なににしようかな。汗