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頚部回旋の動きで確認すべきポイント | 日本オランダ徒手療法協会

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頚部回旋の動きで確認すべきポイント

2020.01.30

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

1/19(日)の情熱大陸見ましたか?

 

佐藤義人トレーナー

 

2015年、あの南アフリカに歴史的勝利をしたラグビー日本代表のトレーナーです。

 

京都にお店を構え、トップアスリートから一般の方まで施術やパーソナルトレーニングを指導しています。

 

2015年日本代表のヘッドコーチで2019年はイングランド代表を率いて2位に導いたエディー・ジョーンズさんも佐藤さんのことを

 

「ヘイ!、サトー、マジックハンド!」と佐藤さんのことを魔法の手と称賛していたとのことです。

 

佐藤さん自身も怪我に苦しみスポーツを諦めた中の一人。

 

なので、人一倍スポーツ選手の復帰には命をかけているそうです。

 

佐藤さんは鍼灸師とアスレティックトレーナーの資格を持っているんですが、持っているスキルが多岐に渡ります。

 

組織を鑑別する力、動作を分析する力、トレーニングの組み立て方、復帰までの診立て…

 

見ていてオランダ徒手の考え方と本当に同じだなぁと思いました。

 

情熱大陸では肩の痛みの根本原因は肋骨にあったというお客様が出ていました。

 

患部の治療を全くしないというのはその時の状況にもよりますが、やっぱり症状が出た根本にある問題を解決しないと、場当たり的に痛みやコリをとっても結局戻ってしまいます。

 

そうなると、局所+全身をバランスよく診ることが大事ですよね!

 

僕の頚部の施術でもそのように感じたことがあったので、今日はそのことをシェアしようと思います。

 

頚部の動きが制限されているとき…

 

頚部痛がある方は多いと思います。交通事故後のむち打ち症や肩こりや頭痛がある人など。

 

様々な方向に制限されますが、頚部の回旋もそのひとつ。

 

頚部の回旋は主に上位頚椎と呼ばれる後頭骨と頚椎1番、頚椎1番と2番あたりの関節の動きが頚椎回旋の約60%をになっていると言われています。

 

なので、頚椎の回旋を出す場合にはその上位頚椎にアプローチすると改善することが多いです。

 

関節自体もですが、上位頚椎周囲には後頭下筋群があり猫背で頭部が前方位にある人はとても硬くなっているんですね。

 

その辺りのアプローチをすると効果が出やすいです。

 

僕も頚部の回旋に可動域制限がある人がいたので、そのようにまずは上位頚椎周囲にアプローチしたんです。

 

ですが、動きはスムーズにいくものの可動域自体は広がらず。

 

僧帽筋上部線維や肩甲挙筋、胸鎖乳突筋など他の頚部回旋筋にもアプローチするもののあまり変わらず(苦笑)。

 

次はどこに対してアプローチしようか迷っていたんですが、その人の頚部回旋の動作を見ているとあることに気づいたんです。

 

それは”代償動作”です。

 

頚部を左回旋すると、右の肩甲帯が前方に回旋する。

頚部を右回旋すると、左の肩甲帯が前方に回旋する。

 

これを見て、僕はある部分の関節の硬さをチェックしてみました。

 

すると、ここの硬さが頚部回旋を制限していたことが分かったんです。

 

その部位とは…

 

上位胸椎と肋骨が全く動いていなかった

 

頚部の回旋や肩の挙上の最終域付近では上位頚椎や肋骨の動きが必要です。

 

例えば、頚部を左回旋させたり、左肩を挙上する時には上位胸椎の棘突起は僅かに右に動きます。

 

そのような動きが少ないと特に最終域では頚部の回旋も肩の挙上も出ないんです。

 

なので、この人も頚部を回旋する際に最終域近くで上位胸椎や肋骨の硬さがあり動かなかったので、代償動作として肩甲帯を前方に回旋させていたんです。

 

実際に硬さをチェックしてみると、

 

胸椎の1番目2番目あたりや肋骨の1〜4番目あたりの硬さがありました。

 

このあたりの関節はとても硬くなりやすいので、はじめから関節モビライゼーションなどで関節を動かすのではなくて、

 

それよりも表面にある僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋、脊柱起立筋などのリリース、それよりもさらに表面にある皮膚などをリリースしてから関節に対してモビライゼーションやマニュプレーションといったテクニックでアプローチしました。

 

すると、頚部の回旋に加えて、肩の動きまでよくなってしまいました!

 

今回は頚部の回旋制限の根本原因は上位胸椎や肋骨の硬さだったというのが、僕なりの結論です。

 

ですが、今度はなぜ上位胸椎や肋骨が硬くなるのか?というところの原因がわからないとまた上位胸椎や肋骨の硬さは元に戻ってしまうでしょう。すると結局頚部の回旋も戻ってしまいます。

 

その先には例えば仕事や日常の動きの癖、運動不足などの問題があるでしょう。

 

解剖学や運動学的に頚部の動きに上位胸椎が関係していることは全ての人に共通していますが、そこが硬くなる原因は10名の患者さんがいたら10個の原因があると思います。

 

根本原因のさらに根本原因…

 

なぜになぜを重ねていくとその患者さんだけのオーダーメイドの治療ができるようになると思います。

 

今回はそのさわりということでここまでにしようと思います。

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

佐藤さんは40歳を超えているのに、ご自身もバリバリトレーニングしています。僕はまだ30代なのに自分の体が恥ずかしい(苦笑)。

 

P.P.S

実はこのメルマガが執筆100本目となります!今度は200を目指して頑張ります!

今後とも皆さんよろしくお願いいたします!


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。