足部は柔らかいor硬い、どっちがいい? | 日本オランダ徒手療法協会

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足部は柔らかいor硬い、どっちがいい?

2020.01.16

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

僕は2週間に一度、地域の公民館に行って高齢者を対象に介護予防のための運動教室で体操の指導をしているんです。

 

ありがたいことに登録は上限の30名で、毎回の参加者も20名を超えています。

 

そこでは主に転倒予防のために下肢の筋力やバランスのトレーニングなども行っているんですけど、

 

そこはオランダ徒手を学んでいる身なので、脊柱を動かす運動をたくさん行っているんです。

 

詳しくは述べませんが、脊柱をたくさん動かすと運動ー感覚ー自律神経にとても良い影響があるんです。

 

おかげで半年に一度の体力測定でも記録の維持や向上などと良い成績を残していただいています。

 

毎回、90分ぐらいのプログラムなんですが(僕はその中の20分の枠で運動指導しています)、終わった後に必ず行うことがあるんです。

 

それは会場の掃除。

 

一見かなり綺麗な感じなんですけど、モップをかけると結構ホコリが溜まっているんですね(汗)

 

めちゃくちゃベタな話なんですけど、チリも積もれば山となる…(笑)

 

今日は臨床である意味チリも積もれば…と同じだなぁと思った経験をしたんで、その話をしようと思います。



原因不明の足首痛

 

これは知り合いの柔道整復師の先生からの相談の話。

 

長時間歩いていると足首が痛くなってくるという患者さんでした。

 

痛みが出る場所は足首の前方外側と外果の下部のあたり。

 

この患者さんは階段を踏み外して内反しながら着地してしまったことをきっかけにその後から痛みがで始めたそう。

 

その柔整の先生は原因がわからなかったんです。それで僕に相談をされました。

 

色々と情報を整理して僕は足首痛の原因は脛腓関節だと思ったんです。

 

それまでの過程はひとまずおいておきます。

 

実際の治療では大きな問題となっている脛腓関節に対してアプローチします。

 

それに加えて足首への負担をさらに減らすために他の部位にもアプローチをする必要があるんです。

 

さて、ここであなたに質問です。

 

足首の負担を減らすためにどこにアプローチしたら良いでしょうか?

 

体幹?股関節?膝?…

 

などとアプローチすべき部位は色々ありますが、実は近くに正解はあります。

 

それは「足部」です!

 

特に前足部や中足部です。

 

なんとなくアプローチしている人は多いと思います。

 

足首を触る時に足部も触りますよね?

 

それに硬さがあったら柔らかくしていきますよね?

 

ただ、足部にアプローチする明確な理由をいうことができますか?

 

では、その理由を紹介しようと思います。

 

理由をしっかり理解して自信を持って足部へアプローチしていきましょう!



1mmの動きが積み重なると…

 

足部にはたくさんの骨があり、それから構成される関節が数多くあります。

 

IP関節、MP関節、ショパール関節、リスフラン関節…など。

 

その患者さんは歩行で痛みがあったんですけど、足を踏み込んだ時、つまり荷重時に足首が背屈した時に痛みが出ていたんです。

 

非荷重で足首を背屈する時には動く関節は距腿関節だけです。

 

ですが、荷重下だと多くの割合動くのは距腿関節ですが、その他のIP関節、MP関節、ショパール関節、リスフラン関節などもちょっとずつ動くはずです。

 

距腿関節+その他の小さな関節の動きが総和されて荷重下での足全体の背屈となるんです。

 

逆を言えば、その他の小さな関節の動きが全くないと全てが距腿関節に負担が集中するんです。

 

なので、IP関節、MP関節、ショパール関節、リスフラン関節などの小さな関節の動きは一つ一つは小さいですけど、それらが総和されるとかなり足首の負担を減らすことができます。

 

ということで、足部の柔軟性はとても足首の負担を減らすのに有効なんです。

 

足首の負担ももちろんですが、足部に柔軟性があると膝の負担も減らすことが出来ます。

 

人工膝関節や靭帯損傷の術後の患者さんは足部が硬い人が多いのでアプローチしてみると良いかもしれませんね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

チリも積もれば山となる…公民館はそんな感じですが、自分の家は、、、(苦笑)

チリどころか、山ばかりです(涙)




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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。