指が負けるほど硬い筋を簡単に緩める方法 | 日本オランダ徒手療法協会

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指が負けるほど硬い筋を簡単に緩める方法

2020.09.17

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

今日は9月13日なのですが、ちょうど1週間前僕はとてもバタバタとあることをしていました。

 

それは「台風対策」

 

台風10号は過去最大級とメディアから煽りに煽られ、これまでの経験が通用しないということで初めて本格的な台風対策をしました。

 

雨戸がない窓ガラスは「米の字」でガムテープを貼り付け、内側からは段ボールを嵌め込みました。

 

つい数日前に通過した台風9号によって歪んだ庭の柵もテープでガチガチに巻いて補強。

 

9月5日の金曜日までには対策を終わらせて…とテレビで言っていたのでちょうどその日休みだった僕はそれに追われました。

 

幸いしっかりとできるだけの対策はやれました。

 

そして、人生初の避難所にも行きました。

 

自宅近くの高校の体育館に避難しました。幸い思ったよりも暑くなくよかったです。

 

台風が最接近した9月6日の夜中〜7日朝方にかけては体育館にいても暴風でかなりの窓が軋む音が聞こえました。

 

幸いなことに7日の9時前には避難所から自宅に帰ってこれました。

 

ただやっぱり結構きつかったですね〜(苦笑)

 

正直あまりやることがないんです。本の1冊でも持って行けばよかったなぁと後から思いました。

 

テレビもない、スマホもバッテリーが勿体ないからあまり使えない。

 

じっと硬い体育館の床に座ったり、寝たり…そんな感じです。

 

やっぱりこの動かないっていうのは本当によくないと思いました。

 

実際痛みを抱える患者さんも運動不足、不動が原因で痛みが出ている人も多いです。

 

筋肉をはじめとした様々な組織も硬くなります。

 

今日はそのような「不動」が原因のケースの患者さんのことを紹介したいと思います。

 

デスクワークの背中は硬い!

 

今日の患者さんは40代の女性です。

 

右肩のインピンジメント症候群の治療をしていたんですが、肩の動きには肩甲骨や背中の動きが多いに影響します。

 

なので、今回は肩の話ではなく、肩甲骨や背中のことについて触れたいと思います。

 

この方は平日の5日間ほとんどをPCや事務仕事でデスクワークをしています。

 

なので、肩甲骨周りや背中はガチガチなんです。

 

このような場面の時にあなたはどんなアプローチ法を選びますか?

 

患者さんは筋肉をだけでなく様々な組織が硬くなっています。

 

おそらく硬くなっている組織を緩める方法として

 

・マッサージ

 

・リリース

 

・ストレッチ

 

・モビライゼーション

 

・マニュプレーション

 

などのテクニックを使います。

 

ですが、実際にそれをやってみるとこんなことが起こりませんか?

 

「組織が硬すぎて指が負ける…」、「関節が微動だにしない…」

 

つまり、硬すぎる組織を緩めようとするときにはじめから「徒手的な介入」をしても効果が上がらないということです。

 

ではどのようにしたら良いのでしょうか?

 

組織の硬さの根本原因はナニ?

 

効果を最大限に引き出すには組織が硬くなってしまった根本原因をしっかりと意識したアプローチを行う必要があるんです。

 

どういうことかというと、この患者さんの組織が硬くなる根本的な理由は「不動」です。

 

体を動かさないから組織が硬くなったんです。

 

なので、逆に動かしさせすればいいんです。単純ですが、全然効果が変わります。

 

実際に僕がどのようにするかというと、

 

まずは他動的に大きく筋肉なり、関節なりを動かします。

 

オランダ徒手で行っている「モビライゼーション」に近いです。

 

組織を大きく動かすと組織の中の血液循環もよくなりますし、毛細血管が少ない組織も組織に加わる圧が変わるのでいわゆる「スポンジ効果」が働きます。

 

すると、組織も結構柔らかくなります。

 

さらに大きく動かすということは「心地よさ」も得られるので、感覚神経だと固有受容器系の刺激にもなるでしょうし、自律神経にも働きかけリラックスも得られるかもしれません。

 

そう言った意味でもしっかりと組織が緩みます。

 

動かして緩みが生まれた上で、その後に徒手的なリリースやストレッチを行うと効果が全く違います。

 

はじめは硬くて指が負けていたのが、スッと組織間に指が入りリリースも簡単にかけることができます。

 

こちらも楽ですし、硬いままリリースを行うよりも時短で施術を行うことができます。

 

今回は「不動」でしたが、例えば「オーバーユース」が根本原因だった場合にはまた対処法が変わります。

 

「オーバーユース」だと主に運動神経が過剰に働いているので、四肢に症状がある場合には脊柱に刺激を入れて、運動神経を調整すると筋緊張や組織の硬さが取れるかもしれません。

 

このように直接的に組織を緩めるリリースやストレッチというテクニックは変わらないものの、その前に行うことは根本原因によって変えなければなりません。

 

根本原因をしっかりと把握するには体だけも見てもわかりません!

 

DMTでよく言っている「問診」が非常に重要になってきます。

 

しっかりと「問診」で情報収集をしてから施術をしてみてくださいね!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

家に帰ってからその日の夕方ご近所さんに教えてもらったのですが、家の屋根の瓦が飛んでいました(涙)。近々で台風がこないことを願います。


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。