blog
病名(疾患名)からだけで鑑別する危険性
2018.06.01from 杉山貴規 広尾スタバ
<雨=憂鬱。だから、傘=憂鬱?!>
雨の中の通勤は洋服が濡れるし、満員電車だと他人の傘に付いている雨が服につくからすごく不快。それに、傘を持ちながらだから本当に移動がめんどくさい。
今、広尾のスタバでブログを書いているんだけど、
ここから外を見ると、それは様々な色や形、大きさの傘をさしている人が多い。ビニール傘だけでなく、色とりどりの鮮やかな色が多い。
雨で曇天で嫌な感じがするけど、ここから見ると何かいつもの人とアスファルトが見える風景とは違って、それが全て傘で埋め尽くされるから、大げさかもしれないけどお花畑(笑)みたいな。
賑やかで綺麗なんだよね。
こんな時にいつも思うけど、状況としては『雨』だけど、見方ひとつで、この状態がとてもいい気分に感じてしまう。
本当に、考え方や見方でこんなにも変わってくるのが本当に面白い。固定観念に惑わされないことは本当にいいと思う。
考えに広がりが出て、自由な発想ができるからね。
治療でもそうかな。
一つの物事にとらわれて施術するときと色々な事柄を考えた上で施術する時では結果が全然いい。
疾患名に縛られていませんか?
さて、今日は膝の話をしていきたい。
お客さんが膝に問題を抱えて来院した時にみんさんは何を考えるかな?
恐らく疾患名が出てくるんじゃないかな?
- 変形性膝関節症
- 前・後十字靭帯損傷
- 内・外側側副靭帯損傷
- 半月板損傷
- 膝蓋骨骨折…
まだ、いろいろあるけどね。
少し自分は違うかな?
自分は最初に考えるのは痛みや症状を考えるかな。
- どこが?
- どんな風に?
- どのくらい?
- いつから?
- どうして?…
これを考えるよね?
いや何が言いたいかっていうと、疾患に縛られたくないということ。疾患が最初に出てくるとその疾患に関して評価しちゃうんだよね。
例えば、オスグッドなんかいい例だよね。実際このオスグッドでいうと未だに原因が不明確で、成長痛だから安静にしないといけないとそういう感じなるでしょ。そうすると、痛みのあったところを評価するというよりは、痛みを起こした原因を探ろうとするんだよね。
そうすると、アライメントとか練習状況とかの優先順位がかなり上に行っちゃって、
患部の状態を見ないから、患部の治療をしない。そうすると長引く結果になるんだよね。
実際の例では、オスグッドの診断が出ていた選手がいたんだけど、痛みが引かないし、打診痛やストレッチ痛、収縮時痛が出たから、もしかしたら骨折かもしれないって判断したことがあってね。翌日、別の医者に診てもらったんだよね。そうしたら案の定、脛骨粗面の剥離骨折っていうのが判明したんだよね。
傷んでいるところは何か?組織は何か?なんてとこは二の次、三の次になる場合になるとこうなっちゃう。
オスグッドの疾患で思い込みが結局、選手やお客さんを不幸にすることがあるから、思い込みには注意して、しっかりとした鑑別が重要なんだよね。
だから、なるべく疾患を聞いたりしないし、その疾患に当てはめた治療はしないようにしている。
先日、膝が痛いという選手が来て、疾患名を聞かないで、痛みの状況確認と痛みの経過など様々な問診をしたんだよ。そうしたら、キック動作や膝が軽度曲がった状態で痛みが出て、膝蓋腱の周囲が痛くなるって言ってたから、
膝蓋腱の炎症か、膝蓋腱が過負荷な状態で痛みが出現していると判断して膝蓋骨モビライゼーションと大腿直筋のストレッチ・リリースやってね。その後、痛みは緩和して、プレーも痛みなくできたんだよね。
疾患名をその後その選手に聞いたら、オスグッドて言われたらしい(笑)
これを疾患で考えていたら、間違いなくかなり時間のかかる治療になっていたかもしれない。疾患を聞いてそれに沿って施術を行うことは決して間違ってはいないと思う。でも、それに縛られてしまうと本来みんなが持っている評価方法や施術技術を狭める結果になるかもしれない。
疾患名は少し横に置いておいて、違った角度から物事を見てみるのも一つの方法かなって考える。
だって、
雨=傘がカラフルで景色が綺麗!!
こう思うこともできるわけ。
治療の施術も全てそうなんじゃないかなって思うよ。
膝の痛みこれは実は腰からきてるかもしれない?
関連痛かもってね。
もっと色々な角度から物事を見るとことが実はお客さんにとって幸せな結果になるかもしれない。
物の見方ひとつだと思うよ。
P.S
では、ブログを書くのはこのぐらいにして、事務所に戻ります。
雨は大降り、濡れるのは嫌だな(笑)
洋服が濡れるの嫌だし…
関連動画