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失敗するリハビリの方法教えます
2018.08.24from杉山貴規 J-green堺
「ウォー、なんでこうなる!!」
「お前、ズルしたなー」
「来たー、ロナーウードー」
24人いる選手の部屋はとにかくうるさい!
周りで携帯ゲームをやって、普通の試合より声が出ている(笑)
杉山(杉)「うるさい!静かにできんのか??」
杉「こっちはケアやってるんだからな」
選手(選)「すんませーん」
選「静かにしまーす」
選「ウォー、ゴーーーール」
一向に静かにならない、遠征中の選手の部屋
選手をケアする部屋がないので、選手の部屋でケア(苦笑)
本当はしっかりとした環境でやることを、望んだが如何にもこうにもできないかった。
しかもそのせいで、自分のケアで失敗があった。
それは、
ケアしたのはいいのだが、次の日の選手の動きが悪くなってしまったという話だ。
ケアすると普通動きは良くなると思うのが通常かもしれない。
しかし、あることを怠るとパフォーマンスの低下を招いてしまうのだ。
この話って、スポーツ現場に限らず、リハビリの現場でもありがちな話だから読んでもらえると幸い。
普通失敗談なんて話したくないしね。
いつも通りのケア
そんなうるさい環境である選手のケアをしていたんだよね。
太もも裏張って、ピキッて感じになったとの話なんだ。
サッカーの動き自体に問題はないし、走れるし、歩いていても大丈夫とのことだったんだけど、走っている時とシュートを打つときに少し痛みが出るということだったんだ。
問診もがっつりやって
組織損傷は筋膜だって判明。しかし、損傷はそこまで強くない。
でも、内側ハムストの近位1/2に疼痛と張りがあり、炎症はない。
患部周辺は硬く少し癒着傾向、その支配神経領域の出どころのL2〜L5周辺も圧痛があったんだよね。
治療するほどのことではないんだけど、この暑い中での連戦での試合
今後、肉離れするかもしれないから、
組織の循環と滑走をよくするために筋肉周辺の組織間リリースと循環機能を向上させるための神経に対してのアプローチを行なった。
アプローチ後、上記動作の違和感がなくなった。
狭いところだったけど、ジャンプやランジなんかもやって、本人も安堵の状態になったんだ。
自分もそれで良しとしたんだ。
落ちたパフォーマンス
次の日、試合に臨むと
まー緩慢なプレーが多くて、明らかにパフォーマンスの低下を起こしていたんだよね。
試合後に話を聞いたら、痛みや張りもないんだけど、なんかおかしいんですよね。
その瞬間やってしまったと思った。
そのパフォーマンスの低下を引き起こしたのはおそらく、自分のせいだと気付いたんだ。
内側ハムストの動きはよくなって、怪我の予防にはつながっていたんだけど。
肝心のパフォーマンスのところを確認してなかったんだよね。
ジャンプ・ランジだけだったし。
なぜなら、今までは癒着のある中で内側ハムストリングスを使い続けていた。その中でのパフォーマンスをやり続けたんだよね。そうするとその運動パターンが身についていたんだよね。癒着があった中での高パフォーマンス。
一旦それを取り除くと、癒着がなくなるから動きは良くなるんだけど、運動のパターンが違ってくる。だから、今まで通りの動きができなくなって来ていたんだよね。
パフォーマンスを上げるケアの方法
この話難しい。
だから、自分はケアやった後に、サッカーの動きや負荷を使ったトレーニングをやって落とし込む必要があったんだよね。
失敗したって感じです。
怪我の予防にはなったが、選手が求めるパフォーマンスの質は落としてしまった。
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
これは普通のリハビリでも似たことがある。
可動域が狭いからいろんなことして、動かせるように治療する。
いいこと。とてもね。
でも、運動のパターンが崩れるから、そこはこちらがパターンの再構築をしてあげないと力が入ららなくなったり、歩くと膝折れしたり、下手すると今まで以上に動けなくなることがある。
だから、治療介入した後は、その人の動きの確認をしないといけないんだよね。
そんなこと、とうの昔に知っていたのに。
今回は失敗した。
PS
選手自体は怪我もなく、普通に得点は決めていたんだけど。
本人は納得していなかった。
今回の案件はプロとして失敗!
PSS
24人部屋の汗臭さは半端ない!
でも、その中でケアをした自分に乾杯(笑)