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「病は気から」と自律神経の関係性
2017.11.07こんにちは。
オランダ徒手療法協会の杉山です。
寒暖差が激しくなってきていますね。
体が追いつかなくなり、
自律神経機能が狂いやすい時期なので注意してくださいね。
今回は、心理に関してお話したいと思います。
「病は気から」
このことわざ、みなさんは耳にすることがあると思います。
気分が重かったり、ストレスがあると病気にかかりやすいなどの意味を持っていますが、
単なる迷信だと思ってはいないでしょうか?
迷信ではありません。
実際問題、気持ちの問題で、病気になったり、怪我が治りにくかったりすることは多く存在します。
慢性腰痛や慢性の整形外科疾患などはこの問題が大きく関与することがあります。
では、なぜ心理面でそのようなことが起こってしますのでしょうか?
また、ここにクローズアップする必要性があるのでしょうか?
それは、自律神経系に大きく関与してくるからです。
オランダ徒手療法の問診では必ず心理面に関して、問診を行っていきます。
心理を見破る問診術
心理状態を聞くときどのようなことを聞くことが重要なのでしょうか?
それは、自律神経に作用する質問をするのです。
つまり内臓に関する質問をすることが重要です。
以下の図のように
内臓器系は自律神経に支配されています。
なので、
・食欲があるかないか?
・お通じはどうなのか?
・睡眠は出ているのか?
・急にドキドキすることはないのか?
・生理不順はないかどうか?
・冷や汗はないかどうか?
などなどです。
ストレスがあると急に咳き込んだり、下痢になったりする方もいると思います。
このように、心理面からなんらしかのサインが出ているのです。
それを支配しているのが自律神経なのです。
では、自律神経が怪我の治癒を長くさせたり、病気になってしまうのでしょうか?
それには
まず、自律神経の機能を知っておく必要があります。
自律神経系
自律神経は、自分の意思とは関係なく刺激や情報に反応して、からだの機能をコントロールしています。
逆に言えば、意識してもできないことを担当するのが自律神経。
眠っている時に呼吸する、血液を流す、胃で食べ物を消化する、腸で栄養を吸収する、老廃物や疲労物質
を集めて便や尿で排泄する、などはすべて自律神経のはたらきです。
つまり、この機能が落ちるということ交感神経と副交感神経の相互な働きが破綻することになり循環がま
まならず、循環が停滞する危険が出てくるのです。
循環が不良になるということは、下図のように老廃物の排出ができなくなり、機能が低下し、神経自体に
も影響が出現する。そして、体全体に影響が出るという負のスパイラルが起こってくるのです。
なので、内臓器系の機能低下は病気につながり様々な症状を引き起こすのです。
では、内臓器系以外のところにも影響は出るのでしょうか?
それは先にも話しましたが、
影響は出てきます。
自律神経と末梢神経
実は、自律神経と末梢神経(感覚/運動)は相互に関係しているのです。
自律神経からは栄養血管伸びており、各運動や感覚器系の働きを活発化させているのです。
しかし、上記のような症状が起きた場合はその機能は落ち込み、内臓器系に影響が出現そして、末梢部の感覚/運動に影響を及ばすのです。
つまり、栄養が送られないということは筋肉に必要なアミノ酸も合成されません。強いて言えば、動き自体も鈍くなります。
筋ポンプ作用も低下していきます。
どんどん悪い方向に向かっていくのです。
だからこそ、
自律神経の働きは重要で、この部分に関しての問診と治療が重要になってきます。
まとめ
どうでしょうか?
「病は気から」
このことわざは先人たちが私たち治療者に残してくれた最高の評価方法だと考えます。
単なるメンタルの低下、気持ちの問題などと片付けないで、自律神経が侵されると上記のようなメカニズ
ムで機能が低下していくことを知っておくだけでも、治療介入の幅が増えると思います。
心理一つ取っても、このように治療に生かすことが可能です。
クライアントは人間です。
心があります。
心理の面からも人を見て治療していくことが最高の結果に結びつくと考えます。
是非、明日からの臨床に活かせていただければ幸いです。