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治癒経過からみる腫れ管理術 | 日本オランダ徒手療法協会

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治癒経過からみる腫れ管理術

2021.08.05

From:長島 将太

@自宅より

 

ただいま朝の7時30分。

 

福岡市内の気温は『29℃』

 

今日は最高『34℃』まで気温が上がるらしい。

 

窓の外では朝っぱらから

『シュワシュワ…シュワシュワ』とセミの大合唱中

 

近所にセミの止まり木があるんですが、

その木の近くを通ると、

耳を防ぎたくなるほどのボリューム。

 

この音がどのくらいの騒音なのか、

気になったのでググってみることに。

 

調べてみてビックリ!

なんと『70~80デシベル』

 

この騒音レベルを例えるなら、

 

『窓が開いている地下鉄の車内くらいの騒音』らしい。

 

んーよく分からん(笑)

とりあえず相当うるさいということなんでしょう!

 

ちなみに、

これだけ大音量で鳴くのはセミの雄らしく、

メスにアピールするためなんだって。

 

セミ『シュワシュワ…シュワシュワ…シュワシュワ…』

通訳『ヘイ彼女!オレはここだ!ここにいる!オレの声を聞いてくれ〜!!

 

なるほど。

すごく暑苦しい感じですが、

朝から猛アピールしてたんですね(笑)

 

こんな事情が分かると、

逆にその必死さに「頑張れ!」と

応援したくなりますよね。

 

ただ、

鳴く以外にもっと違ったアピールの方が

うまく行くんじゃないかなって思ってます(笑)

 

さて、今回はセミの鳴き声について・・・ではなく

 

リハビリで悩むことの多い

『腫れ』について話をしたいと思います。

 

『腫れ』と一言にいっても、

 

捻挫後や手術後などの急性期の腫れもあれば、

急性期は過ぎているのに、

なかなか引かない腫れもあります。

 

このように、さまざまなシーンで

問題となっている腫れの原因は多種多様です。

 

その中でも『術後リハビリの腫れ管理』は、

いろんな視点で管理をしなければ、

患者さんの予後は悪くなってしまいます。

 

よくあるケースとして、

リハスタッフの管理不足が原因で

機能障害を悪化させていたという場合もあります。

 

あなたは、

自信を持って腫れ管理が出来ていますか?

 

RICE処置を徹底しても腫れは引かない

『サッカー中に足がグリってなって…』

 

サッカーの練習中に

足関節の脱臼骨折をした患者さん。

 

この骨折って、

いろんな組織にダメージを

受けてしまいますよね。

 

外果、内果及び後果の骨折。

 

脛腓靭帯や側副靭帯の断裂。

 

ひどい場合には、軟骨も損傷してしまう。

 

そんな脱臼骨折の術後の腫れって

すごく強く出ますよね。

腫れの引きが悪ければ、

可動域制限が強く残り、

 

関節の動きも出ないので、

筋肉への刺激も不足し、筋力がなかなか元に戻らない。

 

そんな負のスパイラルに陥ってしまいます。

 

教科書的には腫れ管理と言えば、

『RICE処置』ですよね。

 

『Rest:安静』

『Icing:アイシング』

『Compression:圧迫』

『Elevation:挙上』

 

この処置は、

使う時期が分かっていると効果抜群なんですが、

その時期を見極めれなければに全く効果がない。

 

あるいは、

状態が悪化してしまうこともあります。

 

当時私は、

術後は『徹底的に腫れを減らさないといけない!』

と思い込んでいました。

 

なので、

病棟の看護師さんに協力してもらい、

患者さんにRICE処置を徹底してもらってました。

 

ですが、

なかなか自分が思っているほど

腫れが引かなかったんですよね。

 

RICE処置を徹底させている上で、

 

リハビリでも、

しっかり指の曲げ伸ばしもやってもらって、

足首もどんどん動かしているのに・・・

 

『なんで腫れが全然引かないの?』

 

この方法をやれば、

腫れは引いてくると書いているのに、

それ通りにやっても…

 

思っているのとなんか違う…

 

この時の私の頭の中は、

腫れを引かせるための方法/アプローチにばかり…

 

何をやれば?

どうすれば?

 

何か手を打たないと…

 

ですが、

腫れを引かせるためには

もっと重要なことがあったんです。

 

その大事なことに、

私は気づいてませんでした。

 

そもそも腫れの原因って?

その大事な事とは・・・

 

『なぜ腫れが起きているのか?』

 

その理由を考えること。

 

『そりゃ〜手術をしたから腫れてるんですよ』という理由はナシです(汗)

 

例えば術後の腫れを考えた場合。

 

腫れの原因は『組織損傷』によるもの。

 

・受傷時に受けた組織の損傷

・手術によって受けた組織の損傷

 

例えば、

Ⅲ度の靭帯損傷であれば、12週間

 

Ⅱ度の筋損傷であれば、4~6週間

 

このように、

組織の損傷度合いによって

組織が治癒する期間が全く違ってくるのです。

そのため、

受傷時や手術中に損傷した組織を明確にすればするほど、

治る期間を予測できるので、

 

どのくらいの時期から腫れが引いてくるか、

分かるようになってきます。

 

よくある勘違いとして典型的なのが、

治る時期を把握せずに、目の前の現象(ここでは『腫れ』)にだけ

囚われてしまっていること。

 

そもそも腫れが引いてくるのは、

治る期間からすると『今じゃない!』のに、

 

『なんで腫れが引かないんだろう?』と悩む。

 

その悩み自体がズレている場合も

多いのです。

 

まさに私の場合。

その典型例でした。

 

このように、

腫れを管理する時には、

まずどんな組織が損傷を受けているのかを把握すること。

 

そして、

その組織はどのくらいで治癒するのかを知っておくことで

心にゆとりをもった腫れ管理ができます。

 

なかなか腫れを上手くコントロール出来ていない…

と感じている方は、一度状況の把握をまず行ってみて下さい。

 

そうすると、

腫れが落ち着く時期はもっと先だったりするかもしれません、。

 

PS

実は腫れ管理には、

もう一つ大事なことがあります。

 

それは次のメルマガで紹介しようと思います。

 

PPS

余談ですが、

一般的なセミの鳴き声は『ミーンミーン』ですが、、、

 

福岡のセミは『ミーンミーン』とは鳴きません。

圧倒的に『シュワシュワ…シュワシュワ』となくクマゼミが多い!

 

東京に通い始めた時のセミの鳴き声が違うことに

マジで衝撃受けました!

 

個人的には『ミーンミーン』と鳴く、

ミンミンゼミがタイプです(笑)


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。