膝蓋骨骨折の痛み伴った筋トレ/可動域訓練はやっていい?YES or NO(手術後リハビリ編)| 日本オランダ徒手療法協会

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膝蓋骨骨折の痛み伴った筋トレ/可動域訓練はやっていい?YES or NO(手術後リハビリ編)

2021.04.23

from 杉山貴規 自宅デスク

 

最初はグーじゃんけんぽん 

 

白化粧にちょんまげ

 

だっふんだ

 

アイーン

 

そう、志村けんだ

 

昨年、新型コロナのためなくなったのは記憶に新しいと思う。

 

先日、そんな志村けんの1周忌の前日に志村けんが出ていた、

 

「ドリフ」「バカ殿」「全員集合」

 

それぞれから傑作集をやっていたんだよね。

 

お笑いといえば、志村けん

 

自分はそんな中で育って、土曜日はいつもゲラゲラ笑っていたんだ。

 

それから、大人になって、子供と一緒に志村けんを見ながら大笑い。

 

すごいと思ったのが、昔のコントに子供が大笑い。

 

そんな様子を見ていて、志村けんの偉大さを感じたんだよね。

 

誰が、どの時代に見ても、未だに笑えるこのクオリティー

 

一体、何がこんなにも時代を超えて笑える要素になっているのかなぁ〜って、

 

考えちゃったんだよね。

 

自分なりに考えると、見る人の年代に応じてその人になりきること、それとちょっとオーバーに表現して、誰もがわかる言葉や表現で物事を伝えている気がするんだ。

 

各年代のそれぞれのネタがいっぱいあるから、自分が子供の時に対して笑えなかったものが、今の年代になって笑えるし、子供の頃見て大笑いしたものは、その当時の自分を思い出しながら笑える。

 

だから、年代を超えても未だに笑えるんだろうね。

 

そんな中で、やはり志村けんのコントは体が張ったものが多い。

 

頭にタライが落ちてきたり、壁に思いっきり体当たりして壁や家が壊れたり、

体は大丈夫と心配しちゃうものが多い。

 

そんな志村けんさんが、見えない敵にやられたなんて、本当に信じられない。

 

志村けんさんの話は尽きないのですが、

 

このへんで本題に。。。

 

お笑いでも、スポーツでも、なんでも外傷による怪我は尽きないものですが、

 

今回話すのは、膝蓋骨骨折(パテラ骨折)

 

事故で膝蓋骨が粉砕骨折、ワイヤー固定で足首からふととまでソフトシーネで固定。

 

そんな彼の膝の可動域がなかなか向上しない。

 

何故なのか?

 

話を聞いていると、やっちゃいけないことを病院でやられていたんだよね。

 

そのやっちゃいけないことと自分が可動域を改善するためにやったことを紹介するね。

 

腫れがひどい膝関節

 

杉山「その膝どうした?」

 

男の子「実は、この間事故をして、膝のお皿を骨折して手術したんです。」

 

膝蓋骨骨折だ!

 

膝蓋骨骨折って、臨床の場面でもそこまで多くない疾患。

 

そのため、他の骨折に比べるとリハビリの場面では経験が浅い療法士が多い。

 

ま〜自分もその一人、

 

膝を手術して、すでに1ヶ月ちょっとらしい。

 

見ると、腫れがすごいんだよね。

 

状態を聞くと、シーネをつけて日常生活を送っているっていうんだ。

 

それにしては、膝が腫れている。

 

腫れもそうだけど、抜糸したところを中心にして赤くなって、ちょっと熱感もあるんだよね。

 

もう1ヶ月、しかも10代の少年。

 

臨床上の経験だと、この年代で痛みはともかく、腫れや熱感が長期に継続するのはあまり例がない。

 

というのも、若いっていうのはとてもいいことで、全身の機能が活発だから、循環もいいんだよね。

 

だから、あまりこういう症状が長期化することはないんだ。

 

しかし、今回はちょっと様子が違う。

 

未だに腫れと熱感が残っているっていうか、継続中って感じ。

 

一体、何が原因なのか?

 

最初は、本人が原因で何か不用意に動いたり、医者からの指示を守っていないからかと思ったんだ。

 

しかし、本人に非はない。

 

聞くと、医者からも理学療法士の先生からもどんどん自分で膝を動かしていくように指示が出ているんだよね。

 

足をつかない・体重を乗せないようにして

 

・膝の曲げ伸ばしでの可動域拡大訓練

・Quad-settingでの筋力強化

 

など 

 

へ〜って感じ。

 

いいか悪いかは別として

ま〜誰もがいいそうな自主トレメニュー

 

でも、ドクターも理学療法士の先生が言っているんだから

 

医学的に大丈夫だろうって思ったんだ。

 

それで、本人に実際にやっている自主トレをその場でやってもらったんだ。

 

座った状態で自分の手で膝が胸につくくらいまで曲げられる状態。(他動でね)

 

膝の筋力はどのくらいなのか?

 

ベッドに端座位になってもらって、膝を伸ばしてもらうと、20度くらいしか行かない状態。Quad-settingもあんまり力が入らないし、筋肉の膨隆もない状態。

 

そこから、なんか自分の中で嫌な感じがしたんだよね。

 

手術後から1ヶ月ちょい経過して、固定期間が数週間だとしても。

 

もともと運動をがっつりやっていた少年の筋力がここまで落ちることはないだろうって思ったんだ。

 

筋力が落ちるのはわかるけど、ここまではさすがに見たことがない。

 

もう、寝たきりの高齢者よりも筋力が弱い。

 

なんでだ?

 

もしかしたら…

 

痛みの管理ができない奴が多い

 

杉「ね〜、膝さ〜動かすと痛いんじゃない」

 

少年「はい、、、痛いです、、、ずっと、、、」

 

杉(おいおい、マジかよ…)

 

杉「あのさ〜、痛いってこと先生やリハビリの先生に伝えてる」

 

少年「はい。でも、痛くてもいいから動かしてって言われてます。」

 

杉(な〜に〜、やっちまったな)

 

ちょっと、ふざけちゃいましたが。

 

でも、本当にクールポコ状態

 

こういう話って、もう一昔前、二昔前のことでしょ!

 

痛みを伴った、可動域訓練や筋力訓練がどれほど予後を悪くするか、専門家2名がが分かっていない!

 

なんか恥ずかしいですよね。

 

痛みっていう奴は本当に厄介で、痛みを感じながら動かしたりすることで、脳に痛みが刷り込まれていくんですよね。

 

そうなると、痛くないのに膝を曲げた瞬間や膝の周りの筋肉を収縮させた瞬間に痛みを感じたりするんだよね。

 

つまり、防御機能が構築されちゃうんだ。

 

その結果、膝周囲の筋肉が緊張するから膝が曲がらなくなるんだよね。

 

しかも、これを繰り返すことでCRPS(複合性局所疼痛症候群)になりかねないんだ。

 

こうなると、本当に厄介。

 

膝の機能を治すと同時に、自律神経の調整をしないといけなくなる。この狂った機能を戻すのは本当に大変。自分の経験だと数ヶ月単位で軽減していく感じなんだ。

 

こういうことをなぜ考えないのか?

 

さらにですよ!

 

筋力をつけることでもおかしいんです。

 

「痛みがあっても、動かして筋トレしてください!」

 

何言ってんだ!って話です。

 

痛みが生じている時に筋トレをしても筋肉はつかないんです。

 

これってすごく単純な話なんです。

 

痛みがあるってことは、組織が損傷しているんです。

 

そうすると体はどうするか?

 

それは、その損傷組織を治すために、働くわけです。

簡単にいうと、工事をしている状態。

 

そこで筋トレをやったらどうなりますか?

 

また、その組織が破壊されちゃいますよね。

 

つまり、筋トレをやっても組織を治す方に力を注ぐわけですから、いくら筋トレやっても筋肉はつかないんです。

 

ってことは、痛みがない範囲で組織を破壊しない程度にリハビリを行う必要があるんです。

 

だから、何がこの病院や理学療法士に足りなかったか?

 

それは、痛みの管理なんです。

 

はっきり言って、自分も理学療法士なんでかなり唖然としましたよ。

 

まっ、それはさておき

 

この少年の膝の疼痛軽減するための施術をやったんですが、

 

膝周りの皮膚や筋肉の癒着はすごくて、皮膚を少しつまみあげてリリースしただけで大騒ぎ。

 

もう、痛みに対してかなり敏感な状態。

 

つまり、CRPSに近い状態なんです。

 

なので、痛みが出ない範囲で

 

・筋膜リリース

・筋間リリース

・膝蓋骨と膝関節のモビライゼーション

・胸腰椎マニュピレーション

・交代浴

 

これを一回するだけで痛みがかなり落ち着いたんです。

 

自分で膝の曲げ伸ばしをやっても、筋トレをやっても最初に見たときほどの痛みがなくなったんです。

 

しかし、これで安心できないので、

 

本人には自律神経系の機能を正常に戻してもらうために交代浴を家で必ずやるように指示。

 

そして、可動域訓練や筋トレは痛みのない範囲で少しずつやってもらうようにしてもらったんです。

 

数日後、膝の腫れや熱感がなくなり

 

膝の可動域や筋力も痛みがない状態で以前よりも向上しているんです。

 

膝蓋骨折はあまりなじみのない骨折。

 

なので、経験が重要じゃないかと思われがち。

 

そして、手術後のリハビリは早期に動かすことが重要って言われる。

 

確かにそうなんだけど、

 

それは二の次だと思う。

 

まずは、疼痛管理、痛みを感じながらのリハビリは体にとっていいことは何もない。

早く動かすことを一番に考えてやっても、疼痛管理ができていなければ、CRPSのような事態を招き、結果治るのに時間がかかる。

 

だから、手術後のリハビリは疼痛管理が重要なんだよね。

 

このように、痛みに関しての知識は何にも通じるものがある。

痛みと対峙することが多い私たちだからこそ、痛みに関しての知見はしっかりとしなければならない。

 

ぜひ、このブログ参考にしてみてください。

 

PS

実は、昔自分は志村けんさんに会ったことがある。

 

当時では珍しい外での撮影だったんだ。

 

すごい人だかりで、志村けんさんと加藤茶さんがいたんだ。

 

テレビと全然違う表情にすごく、ホッとしたのを覚えている。

 

すごい優しい顔で共演者やスタッフと話していたんだよね。

 

ギャップがすごくてショックなのかと思ったら、

この人も普通の人なんだって思ったんだよね。

 

 

こんな、昔話はどうでもいいや。 

 

 

・・・ 

 

 

あ〜、どうやって落ち作ろうか????

 

アイーン!笑笑

 

志村けん さん

また、テレビで笑わせていただきます!