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【痛み】治療後、悪化した原因は〇〇です | 日本オランダ徒手療法協会

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【痛み】治療後、悪化した原因は〇〇です

2023.03.06

from 橋本 祐一 @自宅デスクより

 

『三振の恐怖で尻込みしてはならない』

 

この名言を知っていますか?

 

キーワードに「三振」という言葉が入っているから野球関連の方が言った言葉だと予想はつくと思いますが、

 

実は、この名言なんですけど、ベーブ・ルースなんです。

 

ベーブ・ルースってどんな人?っていう方のために、

 

1918年前に「投手で2ケタ勝利&打者で2ケタ本塁打」という二刀流での偉業を成し遂げた方なんです。

 

去年の話ですが、エンゼルス大谷翔平投手がメジャーで自身初の2ケタ勝利となる15勝を挙げ、34本の2ケタ本塁打という成績を達成したのは記憶に新しいと思います。

 

大谷翔平選手の話題が出るたびにベーブ・ルースの話題も一緒に取り上げられていましたよね。

 

100年以上も前の選手が今でも話題になることもすごい!

 

そんな野球の神様ベーブ・ルースが言った名言で、

 

『三振の恐怖で尻込みしてはならない』

 

この言葉を言っていたのが、野球が好きな私の祖父の言葉なんです。

 

何かをやろうとしたときに怖がっていては何もできないからやりたいと思ったらまずやってみなさいって子供ながらに言われていました。

 

今でもこの言葉は忘れられない言葉で私自身のベースになっているんです。

 

だからといって何でもかんでも見境なしにやっていては失敗することもある。

 

そうなんです。

 

私もある失敗を経験し、しっかりと準備が必要なんだと気付かされた出来事があったんです。

今回は、そのお話をしたいと思います。

 

急性期の右肩痛

 

右の肩に激痛が走ってそこから肩が挙げにくくなった患者さんが来られたんです。

 

その患者さんは50歳代の男性で、営業の仕事をされて、新幹線や飛行機で飛び回っている方なんですよね。

 

いつもならキャリバックを持っているから階段は使わずにエスカレーターかエレベーターで昇るみたいなんですけど、

 

今回は、移動中に、次の電車に乗り換えるのに時間が迫っていて、キャリーバックを右手で抱えて階段で昇ったらしいんです。

 

階段を登り終えたときは良かったものの、その後の移動中に肩の前の方に痛みが増してきたとのこと。

 

肩の挙上・外転時に同じ場所が痛いし、大胸筋の収縮を確認すると同じ痛みを感じていたので大胸筋が痛みの原因になっていると考えたんです。

 

でも、リハビリの初回の時は、炎症もある感じだったので次のリハビリまでの1週間は、

 

痛みの出ない範囲での生活と重いものを抱えないようにしてもらって痛みと負荷のコントロールを徹底してもらうように指導して、その他の対処方法を教えて、後日またリハビリに来てもらったんです。

 

すると痛みがだいぶ減って患者さんも特に何もリハビリっぽいことは何もしてないのに私が指導した内容を守っていただけなのに良くなったからびっくりしていたんです。

 

順調に痛みが減って、炎症も減っていると思ったので、痛みのある肩へ治療を行なったんです。

 

すると、まだ少し痛みがあったのに全然痛みがなく肩が挙げやすくなったと満足して帰れたんです。

 

リハビリした私もうまくいった!と胸を撫で下ろしてリハビリの予約をとってその日も終了したんです。

 

後日、その患者さんの表情は曇った状態、、、

 

えっ!?なぜ!?

 

この時、私はあることを見落としていたんです。

 

そのあることとは、、、

 

組織の抵抗力を把握しないと失敗します!!

 

結論から言うと、私が行った大胸筋リリースで余計に痛めてしまったんです。

 

でも、リハビリした直後はめちゃめちゃ良くなったのになんで?って思いますよね。

 

実は、この患者さん、過去に後縦靱帯骨化症(OPLL)の手術を受けていたんです。

 

それもC5〜C7の場所。

 

ここで、ピンと来た方もいると思いますが、神経生理の観点で考えると、

 

大胸筋も神経支配領域はC5〜Th1レベル。

 

手術をしたC5〜C7の領域が長期間動かない状況や機能が低下しているままであると、自律神経領域も機能が低下していくんです。

 

ちなみにC5の自律神経領域はTh5なんですよ!

 

自律神経まで機能が低下すると、C5領域の血液循環も悪くなって、その周囲の組織は脆弱になっていきます。

 

なので、少しの刺激量でも痛みがひどくなったり、組織が傷ついてしまう恐れがあるんです。

 

今回の患者さんの場合、私が治療をするにあたって過去のことを聞きそびれて頸部の手術のことを考慮せず、肩のことに集中してしまったために、痛みがひどくなってしまったんです。

 

そこで、首の可動域や胸椎の評価をしてみるとガチガチで全く動かない状態。まさに棒状態、、、

 

自律神経のテストも案の定悪い、、、。

 

痛めてしまったことを説明して患者さんにして納得してもらい、首、胸椎への治療も行っていく必要があることも伝えた上で、今後のリハビリのプランも伝えたんです。

 

普段行なっている治療手技が、実は患者さんの状態を把握せずに行なってしまうと怪我をさせてしまう可能性もある。

 

さらには、痛みをひどくさせてしまうこともあることに今回の事で気付かされたんです。

 

だから、日頃から問診で患者さんの病態の変化や経過も知っておくことで私と同じような失敗を繰り返さないし、治療に迷うこともなくなりますので、患者さんからの情報収集を徹底していってください!

 

P.S.

「何かをやろうとしたときに怖がっていては何もできないから、やりたいと思ったらまずやってみなさい」

 

おじいちゃんの言葉を私も息子に伝えていきたいと思っています。

 

P.P.S.

今回のお話は、私の失敗が題材でしたが、痛みってなぜ起きたのか?などを追求していかないと痛みを消し去ることってできないと思うんです。

 

ですが、痛みの原因を追求するにも何をすればいいのかわからないという方には、

 

この『最低限知っておくべき“痛み”の知識』という動画がオススメです。

 

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この記事を書いた人

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橋本祐一

福岡県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。四肢コース・福岡校講師研修中。総合病院、整形外科クリニックを経験。普段は、主に一般の整形疾患からスポーツ障害の中学生・高校生などの治療を行なっている。休日に息子と戯れ合う時は、全力で遊ぶ一児の父。