ルーの法則から学ぶ運動再開の考え方 | 日本オランダ徒手療法協会

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ルーの法則から学ぶ運動再開の考え方

2020.07.07

From:長島 将太

 

@自宅のデスクより

 

『なんて日(陽)だ!!』って言いたくなるような暑さ…

 

今日の気温は、、、

最高気温[32度…]

 

もう夏日を通り越して、

真夏日になっちゃってますね。

 

世間では、自粛モードも緩和されてきたせいか、

あちらこちらで部活や運動を楽しむ方々を

見かけるようになってきましたね。

 

以前の暗い雰囲気から一転、

少しずつ元の日常に戻ってきている雰囲気。

 

少しホッとしています。

 

そして、

この雰囲気をさらに明るくしてくれる話題が

各スポーツ業界の活動再開ですね。

 

野球は『6月2日〜14日』の期間で練習試合を開始。

サッカーでは『J1は7月4日、J2・3は6月27日』に開幕。

 

ですが、その安心を裏腹に

実は怪我をする方も増えてきているですよね。

 

これはスポーツ業界に限らず、

部活動を始めた学生や趣味の運動を再開した方まで

多くの方に影響が出てきています。

 

せっかく楽しみにしてたスポーツや運動が

怪我で出来なくなるなんて悲しいじゃありませんか…

 

でも、なぜこんなにも多くの方が

『怪我』をしてしまうのでしょうか?

 

実は、その原因はカラダの組織に備わっている

『抵抗力』に隠されているんです。

この考え方は治療家だけでなく、監督やコーチなどの指導者や

怪我人のサポートをしているトレーナーも知っておいて下さいね。

 

とある時期の病院あるある

少し話は変わりますが、病院で働いていると、

決まった周期で特定の疾患の患者さんが増加する時期があります。

 

それは『春(5月頃)』と『秋(10月頃)』です。

 

そして、

特定の疾患というのが、

『アキレス腱断裂』なんですね。

 

もうこの2つのキーワードが出た時点で

勘のいい方はピンときましたよね?

 

そうです。

 

『運動会シーズン』のお父さんのアキレス腱断裂です。

 

娘や息子に少しでもカッコいい姿を見せようと

頑張って走って、飛んだ結果。

 

足がもつれて転倒。

最悪な場合『アキレス腱断裂』に、、、

 

その結果、

医師からは『日頃の運動不足ですね』と言われ、

大きな代償を払うことに、、、

『抵抗力』は絶えず変化する

一般的にヒトの身体や機能は、

適度に使えば発達し、使わなければ退化・萎縮する』

という法則があります。

 

この法則は非常にシンプルですが、

的を得ていますよね。

 

つまり、

日頃から色んな種類の運動(ダッシュやジャンプ)をしていると

身体はそれらの刺激や強度に『適応』して、組織は強くなるのです(=抵抗力がつく)。

 

一方で、

この刺激が一時的なものであれば、時間と共に組織は元の状態に戻ってしまい

抵抗力も元の生活レベルに戻ってしまう訳です。

 

これらをスポーツを再開し始めた選手に置き換えると、、、

 

コロナの影響で活動自粛…

 

今までのようなトレーニングや運動負荷が減っていき

次第にカラダの抵抗力や機能が日常生活レベルの状態にまで下がる。

 

トレーニングしていた頃と比べ、、

 

・筋力が低下 ↓↓↓

・関節周りの抵抗力 ↓↓

・骨の抵抗力 ↓↓↓

・心肺機能の低下…など

 

コロナの影響が緩和し、活動再開…

 

身体のあらゆる組織の抵抗力が低下しているにも関わらず、

コロナ前と同じような負荷の練習を再開…

 

そのため、

身体の抵抗力より、負荷量が大きくなった結果。

身体のあちこちにトラブル発生(泣)

 

非常に簡単に書きましたが、

大筋はこの『抵抗力』と『負荷量』のバランスの崩れが原因なのです。

 

このように選手を怪我から守るためには、

トレーニングの『負荷量』の調整だけでなく、

負荷を与えた後の『身体の反応(筋肉痛や疲労感など)』まで目を配り、

管理していくことがポイントになります。

 

もし、急な運動再開で故障した方を診る機会があれば

まずコロナ前後の『負荷量と抵抗力の変化』を探ってみると

思いがけないヒントが得られるかもしれません。

 

PS

子どもの運動会で怪我を防ぎたいお父さんへ。

 

運動会の2~3ヶ月前から徐々に

『アキレス腱』の抵抗力をつけていきましょう!!


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。