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梨状筋が硬くなる本当の理由
2019.11.23from 黒田雄太 @自宅デスクより
2019年10月、、、
スポーツの秋と呼ばれる10月ですが、今年ほどスポーツで盛り上がった秋はないんじゃないかと思います!
プロ野球日本シリーズ、かつてON対決と言われたソフトバンク対巨人の久々の対戦。
躍進した男子バレー日本代表。4位入賞!
そして、歴史に名を刻んだラグビー日本代表!
予選リーグを4戦全勝で決勝トーナメントに進出し、史上初のベスト8!!!
日本中が感動と興奮の渦に!!
にわかファンが急増し、僕もその中のひとりですが、そのにわかファンすらもウェルカムな対応をしてくれる元々のラグビーファンの懐の深さにもとても感動します。
ラグビー日本代表の選手が口にしたこの言葉…
「僕たちはいろんなものを犠牲にして…」
華々しい結果の裏に僕たちが想像もできないような激しく、苦しいトレーニングを行ってきたのか…想像もできませんよね。
テレビでも少しは報道されますが、それも選手たちにとっては極々一部の話。
まさに氷山の一角と例えても良いでしょうか。
治療の世界も同じで患者さんが訴える症状はそれ自体が原因でないことが多いですよね?
必ず根本の原因が隠れていることが多いです。
特に筋肉が硬くなるっていくことは臨床では多くあり、その筋肉を緩めるだけでは解決出来ないことばかりです。
今回は殿部のある筋肉をテーマにそのようなお話をしてみようと思います。
殿部の硬くなりやすい筋肉
クリニック勤務時代によくこんな患者さんがいました。
それはお尻が痛い、または張る!
あまり年代に限らず多くの患者さんが訴えていたような気がします。
実際に触診してみると、そのほとんどがある筋肉
それは…梨状筋!!!
患者さんもどこが痛いかなぁ?と考えつつお尻をグリグリと自分で触り確認(笑)
すると、「先生ここ!、ここよ!」
と触るのは梨状筋の筋腹や仙骨に近いところ。
外旋筋である梨状筋なので、可動域的にも股関節の内旋制限も確認できます。
ということで梨状筋のリリースやストレッチをやります。
治療すると患者さんも「先生、すごく楽になりました!」
というものの、数日後の次回治療時にはビックリするぐらいに元通り(汗)
逆に治療して翌日ぐらいには痛みが強くなっちゃうことも(涙)
なぜ、梨状筋の硬さは戻ってしまうのでしょうか?
それは根本的なある問題が解決されていなかったからなんです。
コアはきちんと働いていますか?
もう一度梨状筋の走行を考えてみましょう。
梨状筋は大転子の先端から仙骨の後面に付着しています。
この走行を考えたときに梨状筋はどの関節を跨いでいるでしょうか?
答えは「仙腸関節」です。
本来仙腸関節の安定性は靭帯や関節の形状による静的なものと、腹横筋や多裂筋をはじめとした動的なものの2つの要素が必要です。
ただ、これらの2種類の安定性が得られないときに仙腸関節を跨いでいる「梨状筋」が代償的に硬くなり仙腸関節を安定させていることがあるんです。
それが梨状筋が硬くなる本当の原因だったのです。
つまり、梨状筋の硬さをどれだけリリースやストレッチで解消しても、仙腸関節自体を安定させなければいつまで経っても梨状筋の硬さは戻ってしまいます。
仙腸関節の静的な安定性はモビライゼーションなどでアライメントを整えたり、動的な安定性はドローインなどのコアを鍛える運動を行う必要があります。
それらのことをしながら、梨状筋のリリースやストレッチを併用すると頑固な梨状筋の硬さも解消されていくことでしょう。
、、、
硬さを解消するのにストレッチやリリースなどの手技ではなくて、運動が大事なんてちょっとはじめは考えにくいですよね?
でも、人間の体のメカニズムをしっかりわかっているとこの治療の方針も理解できると思います。
今回の梨状筋と仙腸関節の関係のように、肩こりや肩の痛み、腰痛などの一部の症状も同じようなメカニズムとなっていることが多いです。
手技だけで改善が難しいときには一度筋機能の評価をしてみてください。
すると、治療のヒントが見つかるかもしれませんよ!
【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように
P.S
ラグビーで盛り上がった2019年!でも2020は東京オリンピック!さらにスポーツで日本全国が盛り上がるでしょうね!!!