ガチガチの肩は小胸筋リリースで解決! | 日本オランダ徒手療法協会

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ガチガチの肩は小胸筋リリースで解決!

2020.08.13

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

先日1年に1度の職員検診に行ったんです。

 

一般的な検査項目だったんですけど、この1年の変化がどれくらいあったのか?それをみてみようと思いました。

 

血液検査の結果は後日として、その他の検査については特に異常なし。

 

なんだかんだでこの結果を聞くとホッとしますよね(笑)

 

ただ、驚いたことに細かく結果をみると歳を追うごとに改善している項目もあったです。

 

著明なのが、体重!

 

僕のこれまでのマックスは63kgでした。その頃はお弁当に加えて、職場の目の前にあるパン屋でパンを追加で買ってお昼に食べていました。

 

なかなか疲れがとれないなぁと思っていたのは、今思うとこの炭水化物ばかり食べていたからですね(苦笑)

 

その当時ストレスも結構多かったので、まぁ目をつむりましょう(笑)

 

そして、現在は59kg!ウエストサイズも20代前半ぐらいの時と変わりません!

 

やっぱりここ1〜2年は食事や睡眠、生活習慣に関する本を読み漁り手探りで実践していたからそのおかげでしょう。

 

当たり前のことだけど、健康に気をつかい自分のために学ぶことは大事です。

 

基本的な生活習慣が仕事にも家庭にも良い影響を与えますよね!

 

これは臨床でも同じで結果を出すためには流行りのテクニックを追うのではなくて、やはり基本に忠実に治療を展開することがとても大事です。

 

僕も恥ずかしながらつい基本的なことを忘れてしまうこともあります(苦笑)

 

学生時代に学んだ基本が臨床で重要なことだということを実感した患者さんを今日は紹介したいと思います。

 

 

肩を上げると痛い…

 

僕は整形疾患だけでなく、脳卒中の後遺症の方も診ることがあります。

 

デイケアの担当をしていた時の話です。

 

脳卒中後遺症の方で結構多い痛みが「肩の痛み」です。

 

肩の痛みと言ってもバリエーションは2つのパターンがあります。

 

ひとつは弛緩麻痺で肩が亜脱臼してしまっている状態。この場合、肩は不安定になっています。

 

もうひとつは痙性麻痺で肩の拘縮が強いパターン。ただ、この痙性麻痺でも麻痺の回復過程の中で弛緩麻痺からスタートしています。

 

なので、一旦肩の亜脱臼のような緩い状態があり、そこから麻痺の特性により大胸筋などの筋肉の筋緊張が高まり、そこから肩周り全体的に緊張を増して拘縮になっていく…

 

ただ、今このブログをみているあなたは脳卒中後遺症の人は診ないよ!って思った方もいると思いますが、痙性麻痺からくる肩の拘縮は整形疾患の肩拘縮ととてもよく似ています。

 

なので、あなたの臨床にも必ず役立つ情報があるので、最後まで見てくださいね!

 

少し話が脱線しました(苦笑)

 

今回の患者さんは痙性麻痺があり、肩が痛い方でした。

 

どのような場面で痛みが出るかというと「肩を挙上」した時です。

 

約80度の挙上ぐらいが可動域の限界で、しかも肩甲骨の挙上が伴います。

 

肩の関節の遊びも少なく、三角筋、大胸筋や広背筋などの肩のアウターマッスルはガチガチ(汗)

 

肩周りの循環をつかさどる、胸椎の硬さもチェックしてみるとここもガチガチ(大汗)

 

とにかく背中〜肩甲骨〜肩にかけて全部硬いのです。

 

そこでまず僕がやったのは、肩の関節の遊びを出すことです。

 

どのような運動方向に肩を動かすにも肩の関節スペースがないと肩周りの組織が過剰に圧迫されたり、引っ張られたりします。

 

棘上筋や棘下筋、小円筋、肩甲下筋などの腱板筋、三角筋、大胸筋、広背筋などとにかく肩周りの筋肉をリリースしました。

 

しかも挙上を制限しているので実際に肩を挙上させながら張っている部分を確認しながらやったんです。

 

そのように触りながら行うと、上腕三頭筋なども硬くなっていることがわかりました。

 

約30分くらい入念に挙上を制限していると考えられる筋肉を緩めました。

 

、、、

 

しかし…僕の頑張りの甲斐なく、挙上アップしたのは約10度(涙)

 

肩の挙上は90度ぐらいにしかなりませんでした(苦笑)

 

なぜ、これだけ時間をかけて、しかも実際に挙上をさせながら張っている部分をリリースしたのに思うような改善を出すことが出来なかったのでしょうか?

 

実は僕は非常に基本的な肩の動きを出すために必要な要因を忘れていたんです。

 

この僕のアプローチは解剖学的アプローチです。

 

ですが、解剖学的アプローチだけでは結果は出ません。〇〇学的なアプローチも肩の動きを出すためには必要なんです。

 

〇〇とは何でしょうか?

 

肩が挙がる仕組みを考えよ!

 

その〇〇とは運動学的アプローチです。

 

肩がしっかりと挙上するためにどんな動きが必要でしょうか?

 

挙上するときに必要な動きは「肩の外旋」方向の動きです。

 

僕は肩の外旋可動域を見逃していたんです。実際にチェックしてみると肩の外旋はほとんど動かず5〜10度程度でした(汗)

 

特に下垂位の外旋が制限が強かったんです。これは脳卒中の治療中に行われていた「三角巾による固定」が影響していると思われます。

 

肩が亜脱臼しないようにするために「三角巾」で腕を吊るのですが、このとき肩は完全内旋位になっているんです。

 

この期間が長いほど肩は内旋位で固定されてしまいます。

 

つまり、まず肩の挙上を改善させるためには「肩の外旋」を出す必要があるんです。

 

アプローチすべき筋は肩甲下筋や大胸筋、広背筋などなのですが、ここにアプローチしてもなかなか効果が出ないときにはココのアプローチがオススメです。

 

それは「烏口上腕靭帯」!

 

肩の前面にあり、上腕骨と肩甲骨の烏口突起を結ぶ靭帯です。

 

「三角巾」固定で肩が完全内旋位になっている場合にはこの靭帯は完全に短縮しています。

 

ですが、靭帯に直接アプローチするのは難しいですよね?

 

そんなときには「小胸筋」にアプローチしてみましょう!

 

小胸筋と烏口上腕靭帯は線維性の結合があると言われています。

 

小胸筋を緩めることが出来れば烏口上腕靱帯も間接的に緩み、結果として肩の外旋可動域がアップするはずです!

 

あなたも解剖学的アプローチに加えて運動学的アプローチも意識してみてください!

 

基本に立ち返ることで現状を打破するヒントが隠れていますよ!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

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P.P.S

炭水化物取りすぎは自分のパフォーマンスにかなり影響します!色々と気をつけているとお昼ご飯後の午後の仕事でも全く眠たくなりません!今は湿度気温が高いので、塩分不足に注意ですね!


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。