【伸びない膝③】膝伸展運動の代償を許しちゃダメ! | 日本オランダ徒手療法協会

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【伸びない膝③】膝伸展運動の代償を許しちゃダメ!

2020.07.30

from 黒田雄太  @自宅デスクより

 

「布切れ一枚でこんなに違うのか…」

 

これ最近の僕の感想です(苦笑)

 

新型コロナウイルスネタばかりですが、今日もです(笑)

 

感染予防対策として、もう夏が近いですが外でも基本はマスク着用。

 

ソーシャルディスタンスを保った上で、会話をしないなどの条件が整った時には外しても良いようですが。

 

にしても、これまで夏にマスクを着用して外出することがなかったのでこんなにも体感温度が違うのか!と驚いています。

 

本当に熱中症に注意が必要ですね。

 

水分や塩分の補給。それだけでなく日頃から体調を整えることがとても大事です。

 

これまで熱中症は子供や高齢者にやっぱり多いんだろうなぁと正直他人事だったんですけど、今年は本当に自分も気をつけないといけないと思いました。

 

皆さんも本当にお気をつけくださいね。

 

さて、ここからが本題です(笑)

 

今回は伸びない膝へのアプローチシリーズ最終回です!

 

この3部作の内容をしっかりとやっていただけると伸びない膝は必ず解消できるでしょう!

 

最後までご覧ください!

 

筋肉や関節へアプローチ!でももどってしまうとき…

 

前回、前々回で筋肉や関節へのアプローチについて解説しました。

 

筋肉はハムストリングスを例に出しましたが、筋肉同士の癒着をしっかりと解消することが重要だと書きました。

 

そのため、ハムストリングスが接している7ヶ所のポイントを全てリリースする必要があるんです。

 

そして関節へのアプローチは伸びない膝なので、硬くなっているのは後方の関節包がメインとなりますが、実は前方も動いていない状態が続きます。

 

なので、前方の膝蓋骨や膝蓋下脂肪体へのアプローチが必要になります。

 

膝を伸ばそう後方だけにアプローチし続けていると、前方に痛みが出てくるケースはこの状態です。

 

詳しくは前回、前々回のブログをご覧ください!

 

さて、今日の本題です!

 

この2つにアプローチしてもまだ膝が伸びない場合です(苦笑)特に一時的には伸びるけどすぐにもどってしまうパターンですね。

 

もうアプローチするところってないんじゃない?って思ったあなた!

 

まだまだですね〜(笑)大事なことを忘れていますよ!

 

ただ、”他動的”に膝を伸ばすだけなら2つのアプローチで十分でしょう。

 

ですが、あなたの目の前にいる患者さんは日常生活の中で”動き”ますよね?

 

ということは、関与している要素は”自動運動”や”筋収縮”です!!

 

伸びない膝の状態で日常生活上で歩いたり、階段を登ったり降りたりしている時は当然ですが、膝は曲がった状態で動いていますよね?

 

体はそれが当たり前の状態なんです。

 

よく「運動パターン」といいますが、感覚神経ー脳ー運動神経のループのなかで膝は曲がったままという状態が正常と認識しているんです。

 

そのなかで、ただ単に他動的に膝が伸びたからといって「運動パターン」も改善されて、日常のなかで膝を伸ばした状態で歩いたりできると思いますか?

 

それはちょっと無理がありますよね?

 

では、どのようにして日常動作の中で膝を伸ばした状態の動作ができるようになるのでしょうか?

 

正しい大腿四頭筋の収縮を促す

 

「運動パターン」はその動作を何度も繰り返すことで身についていくので、単純に歩いたり、階段昇降動作をやればいいのですが、はじめからそれをやるのはは少し難易度が高いです。

 

なので、簡単な動作からしっかりと「膝を伸ばす」という運動パターンを身につけていきます。

 

ですが、膝が伸びない状態の時には「単関節レベルでの膝の伸展」からしっかりと運動パターンを身につけないといけないので、今日はそれを紹介します。

 

伸びない膝の状態が長期的に続いていると、膝の最終伸展域で働く”大腿四頭筋”に上手く収縮が入らなくなります。

 

なので、大腿四頭筋に収縮を入れるために端座位で膝を伸ばす運動をやりますが、運動パターンが崩れている人は代償動作が生じます。

 

よく経験するのは膝を伸ばそうとすると、最終伸展域の手前まではしっかりと膝だけが伸展しているのですが、

 

最終伸展域に差し掛かると、股関節が屈曲し大腿部が浮いてしまうような動作になります。

 

大腿四頭筋に収縮を促そうとしてもこの動作を繰り返していてはずっと収縮は入らないままです。

 

ではどのようにしたら良いのか?

 

これは地道な作業ですが、とにかく代償動作をさせないようにすることです。

 

最終伸展域にきたら大腿部が浮いてしまうところを、浮かないように指示をしながら最終伸展は自動介助運動などで正しい動きを導くんです。

 

はじめは本人は全くといっていいほど大腿四頭筋に力が入っている感覚はありませんが、とにかく自動介助でもいいので、正しい膝の伸展運動を繰り返します。

 

そうしていると次第に大腿四頭筋特に最終伸展域で働く内側広筋に力を入れる感覚が出てきます。

 

少しずつ正しい膝伸展動作ができるようになってきたら今度は自動運動→抵抗運動と移行していきます。

 

ただし、負荷が高いとすぐに代償動作が出てくるので負荷のコントロールがとても重要です。

 

このように単関節レベルでの膝の伸展ができた後に、荷重をかけた状態での膝の伸展の運動パターンを身につけていきます。

 

例えば、膝を伸ばした状態で踵接地の練習をしたり、足踏みの練習をしたりなどのことを行っていきます。

 

今回は伸びない膝へのアプローチということで3部作で紹介しました。

 

筋肉の癒着や関節へのアプローチ、運動パターンの作り方…

 

いろんな要素がありましたが、これは膝だけに限りません。どの関節にも応用できます。

 

あなたも関節が動かない、可動域が改善しても戻ってしまう…などの患者さんがいたら、是非今回の内容を試してみてください!

 

今までとは違った結果が出ると思いますよ!

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

最近はいろんなマスクが販売されていますね!こんなにマスク需要が高まったのは初めてではないでしょうか?夏が過ぎたら今度は冬用マスクであったかいのも出てきそうですね(笑)


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。