腰痛に抜群の効果!スキマ時間の利用法とは | 日本オランダ徒手療法協会

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腰痛に抜群の効果!スキマ時間の利用法とは

2021.12.02

from 橋本 祐一 @自宅デスクより

 

私の家で最近起こった出来事を聞いてください。

 

私が、仕事を終えて自宅へ帰ったらテレビが無くなっていたんです。

 

いつもあるテレビボードの上からテレビが消えていて私は、何が起こったのかわからなくなり放心状態。

 

「現実なのか?」と混乱していました。

 

奥さんにどうしたのか尋ねてみると、、。

 

、、、遡る事10時間前。

 

奥さん:「今日は、仕事休みだから思う存分掃除が出来るぞ〜♪」

 

掃除機、洗濯物、トイレ、etc… 一通り終わらせたものの何か物足りない。

 

「もう少し、スッキリさせたいな〜。」

 

っとなったみたいで、ミニマリストの血が騒いだらしいんです。

 

「あ!そうだ、テレビを捨ててみよう!」

 

10年物のテレビだったので結構重くて一人でも運ぶのは難しいはずなのに、

 

3階の階段を降りて、車まで運んで処分場まで持って行ったそうなんです。

 

本人曰く、テレビが無くなった我が家はどんな暮らしになるのかという興味本位だったようで、奥さんの行動力にはびっくりさせられます。

 

テレビが無くなった我が家は、正直テレビの音が無くなり寂しく感じたんですけど、意外となくても大丈夫になってきたんです。

 

むしろ時間を有効活用する事ができて、家事の手伝いや息子との時間、仕事の時間を作ることが出来るんですよね。

 

一方、息子はというと、恐竜やトーマス、新幹線などテレビが大好きなんです。

 

テレビがあった頃は、もう寝るよー!とテレビを消していたんですが、まだ見たい気持ちが勝ってしまい、機嫌が悪くなっていたんです。

 

でも、テレビ自体が無いと機嫌も悪くなる事なくおもちゃで遊び始めたり、すんなりいうことを聞いてくれ、すぐに行動に移してくれたりしたんですよね。

 

子供は順応性が高いな〜と感心したんです。

 

夫婦関係も喧嘩が無くなり、今までも会話はしている方だと思っていましたが、前よりも断然会話も増えて奥さんの笑顔も多くなったんですよね。

 

そう考えると、テレビは無くても、スマホやPCからの情報で十分ではないかと思っているんです。

 

デジタルデトックスという言葉も生まれるほど、情報過多の現代社会では、自分に必要な情報を選ぶ時代になってきているのではないかと感じ、

 

今回、我が家ではテレビを一つだけ失ったけれど、今までできていなかったことや子供との時間をより増やす事ができ、得るものはたくさんあったんですよね。

 

実際、仕事の面でも時間の使い方って気にするようにしていて効率性や生産性など考えながら取り組んでいるんですが、

 

臨床の現場でも患者さんの時間の使い方について悩んだことってありませんか?

 

私も担当している患者さんにも当てはまることがあったんです。

 

「自主トレを家でしてくださいね。」とお伝えしても、

 

「忙しくてリハビリできない。」

「時間がない。」

「仕事が忙しいとなかなかできない。」

「仕事中は決められた時間だから。」

などなど

 

やってくれないと前後の評価で良かったのか?よくなかったのかもわからなくなります。

 

これってすごくもったいないですし、やってくれさえすれば!って思うもどかしさなんかもめちゃめちゃあると思うんです。

 

こんな患者さんへ私があることをアドバイスして痛みが改善していったお話を今回はさせてもらいます。

 

腰痛が酷くて長時間座っていられない患者さん

 

座っていると背中から腰全体にかけてだんだん痛くなってしまうという患者さんを受け持つことになったんです。

 

いつもの流れで問診を開始!!

・痛みの範囲は広範囲(腰椎全体から胸椎7番まで)

・炎症はない

・重だるくなるような痛み

・歩いたり、動き始めは痛みがあるが、動き続けると痛みが減っていく

・腰を反るよりも曲げる時の方が痛い

・猫背の姿勢

・今までは2〜3時間は座れていたのに最近は1時間以上座ると痛みが強くなってくる

・痛みがひどい時はコルセットをしている

・仕事で長い時には合計8時間以上の会議があることも

・日頃の運動習慣はない

・睡眠はとるようにしているが、あまり熟睡していない印象

・食事も忙しくて取れない時もある

 

猫背姿勢で座っていることや長時間の座位にてアウターの脊柱起立筋が優位になりインナーの筋である腰部の多裂筋が機能しずらくなることで不安定性が生じていること、

 

さらに会議時間に休憩を挟まずに腰を全く動かさなくなってしまっていることで腰回りの局所循環が悪くなりと筋肉が硬くなることで痛みが生じていると仮説を立てたんです。

 

私が仮説の説明をしようとした時、そもそもの痛みが出ている原因が患者さんの中で何故なのかがわからないという訴えがあったんです。

 

あなたならばどう説明しますか?

 

私はこう説明したんです。

 

「痛みがあって動かしたくないかもしれませんが、〇〇さんの場合は動かさないと腰は痛くなるんですよ。」

 

患者さんのリアクションは、

 

「動いてないことが痛みの原因になるの!?」

 

それもそのはず、痛くなりそうな重い物を持ったりしていないし、痛めるきっかけもない。

 

むしろ、安静にしていることが痛くなる原因になるなんて思いもしなかったと言われていたんです。

 

痛みを出す原因がわからないから不安もありますし患者さん自身も、解決策が見当たらなかったんです。

 

だから、こんな提案をしたんですよね。

 

“体を動かすための隙間時間を作る。”

 

そのためにはどうするべきか?いろいろ調べてこんな内容が、あったので提案させてもらったんです。

 

隙間時間を利用する!

 

52-17の法則というものをお伝えしたんです。

 

52-17の法則って何??ってなったと思うんですが、ビジネス情報誌「Inc.com」ラトビアのGiffordの会社 Draugiem Group研究チームのJulia Gifford氏が紹介していた内容なんです。

 

生産性が最も高い従業員の行動を調べるために時間追跡アプリの『DeskTime』を使って調べるとある一定のパターンがあったらしいんです。

 

“最も生産性が高い人は、1度に52分間仕事をして、次に17分の休憩を取り、それから再び仕事に戻っていた。”

 

とあったんです。

 

目的意識をもって臨んだ仕事に関しては、「100%集中理論」ということが言われていますが、何をするにしても、全力でそれに取り組むという考え方で、

 

52分の仕事時間は課題をこなし、物事を片付け、業務を進めることに集中するということ。一方、17分の休憩時間の間は完全に仕事から離れると生産性や効率性を高められるというんです。

 

これを会議の時間において採用するのはどうか提案させてもらったんです。

 

また、この情報だけでなく長時間座っている場合は、腰痛や肩こりなどの身体的なダメージが大きいこと。

 

さらには、さまざまな研究で長時間座る人は、長時間座らない人にくらべて15年以内に死亡するリスクが約40%高いことや、癌や認知症のリスクも高まることなども合わせてお伝えしたんです。

 

この患者さんは、常務であるため、立場的にも現場から離れて会議の中心になることが多くなったとのことだったので全部の会議をすることは難しいかもしれない。

 

でも、患者さん自身が主催する会議に関しては行けるかもしれないということでしたので、早速試しにしてみてはと促したんですよね。

 

すると、1ヶ月後にリハビリに来られた際に腰の痛みが劇的に変わっていたんです。

 

その間もリハビリを行なっていたり、休憩時間の際のストレッチや脊柱の柔軟体操を指導していますが、隙間時間を故意に作り出したことで不動による腰部痛が改善したのではないかと思ったんです。

 

患者さんの腰痛も改善したことの満足感もそうですが、職場での会議時間の見直しも今後されていくかもとの報告もあったので、会社全体の貢献?にもなったのかなぁと勝手に解釈しています。笑

 

人それぞれ隙間時間は色々あります。ですが、その時間を作るのも殺すのも自分次第だと思うんです。

 

時間がないとおっしゃる患者さんは、こちらから日常生活のスケジュールを聞き出して隙間時間を見つけることもしていくと様々なことの解決に繋がっていくかも知れません。

 

その隙間時間を作って習慣にさせることもさらに大事ですが、きっかけを治療家のあなたが導き出してより良い生活をマネージメントしてみてはいかがでしょうか。

 

P.S.

今回の私が経験したテレビを失ったことから、誰か同じことを感じた人はいないか検索すると、こんな名言がありました。

 

”失うことを恐れたせいで一体どれだけのものを我々は失っただろうか。 

ブラジルの作詞家・小説家 パウロ・コエーリョ”

 

『どれだけ』と『我々』というワードは色々考えさせられるなぁ。

 

でも私は、テレビを無くす前のダラダラとした時間が失われていたと思う過去のことを考えるとキリがないと思ったので、これからの良い未来の事を考えるようにポジティブにいきます。

 


この記事を書いた人

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橋本祐一

福岡県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。四肢コース・福岡校講師研修中。総合病院、整形外科クリニックを経験。普段は、主に一般の整形疾患からスポーツ障害の中学生・高校生などの治療を行なっている。休日に息子と戯れ合う時は、全力で遊ぶ一児の父。