technique
ストレッチを最初にやらない理由
2018.08.21From:長島 将太
@姪浜のスタバより
先週のお昼時、午前中の治療も終わり、同僚と束の間の休息。
いつもと変わらないお昼。
同僚や後輩との他愛もない会話。
そんな時、後輩と治療についての話しになった。
後輩A「治療って色んなやり方、あるじゃないですか?」
「長島さんは、何からしてます?」
長島 「ん〜時と場合によって変わるよね(笑)」
「でも、治療の最初にストレッチはしないようにしてるかな。。。」
後輩A「え!本当ですか!」
「自分、ストレッチからやってました。何故なんですか???」
自分が当たり前だと思っていたことが、後輩にとっては些か衝撃的だったようだ。
さて、ストレッチと言えば
治療家であれば誰しも使ったことのあるアプローチの一つですよね。
カラダ硬い=ストレッチは必須
と言っても過言ではないくらい定着している柔軟性改善方法。
巷では専門店もある程、ポピュラーなケア手段の一つなんだけど
治療する上では、最初にやらない方がいいーんです(ジョンカビラ風)
なぜなら、
最初にやってしまうと、ストレッチ効果が激減してしまうからなんです。
#ストレッチをやる前に、やるべき事
当たり前なんですけどストレッチは、筋肉の起始停止の距離を離し、筋肉を伸ばす事で柔軟性を改善させていく方法じゃないですか。
でも、少し考えて見て下さい。
筋肉は色んな軟部組織とが重なり合ってますよね。
例えば、筋肉や血管、筋肉と筋膜、筋肉と脂肪組織など
様々な結合組織と接しあってる
言わば「組織のスシ詰め状態」なんですよね。
もし、この接し合った組織同士の滑走が悪かったら?
ストレッチで十分に伸びると思いますか?
これは私が新人時代に経験した苦い体験なんですが、
腰痛持ちで、下半身の柔軟性が非常に低下している患者さんがいたんですね。
自分で言うのも何ですけど、学生時代にストレッチのテクニックは結構練習していたので、自信があったんです。
その時も、「よし!絶対柔らかくしたる!」と意気込んで治療してたんですが、どのテクニックをやっても、全然硬さが取れない(泣)
変わっても10度ぐらいで、ストレッチばかりに気を取られるあまり時間が足りなく、、、
結果は撃沈(あの時の患者さん、ゴメンなさい)
このように、治療家の皆さんも
私と同じ苦い経験をしたこと、ありませんか??
その時は、まだまだテクニックが至らなかったんだなと反省しました。
ですが、ストレッチの効果はなにもテクニックばかりではなかったんです。
今回の患者さんの硬さが取れなかった原因。
それは、、、
「組織間の滑走不全」だったんです。
組織間の滑走不全???と聞いてイメージが湧きにくいですよね。
例えば、トレーニングで使用するセラバンド(1M程度の長さの長方形のゴムチューブ)をイメージしてみて下さい。そのバンドを机上に置き、バンドの端を引っ張れば、机とゴムの摩擦は少ないので、ゴムは容易に伸張されますよね。
では、もしゴムバンドにガムがくっついたら、どうでしょう?
そうです。滑走できなくなりますよね。
まさに、ストレッチの効かない筋肉と同じです。
つまり、絶大なストレッチ効果を出したい場合
「接し合う組織同士の滑走がいいこと」が必須条件となるんです。
そこで、ストレッチ前にやるべきことが
「組織間リリース」なんです。
#組織間リリースが身体にもたらす変化
組織間リリース=接し合う組織を剥がす
つまり「最大限に滑走できる環境を作る」こと。
これが物凄く大事なんです。嘘と思うでしょ?
ですよね。私は嘘だと思いました(笑)
でも、この組織間リリースをストレッチ前に実施することで、本当に最大の効果を出せるようになったんです。そこには、組織間リリースがもたらす身体変化があったのです。
組織間リリースの効果は、隣接組織同士の滑走が改善することは前述した通りなのですが、
副次的に関節周りの運動軸にも変化が出てくるんです。
特に関節によりに近い組織間リリースを行えば、さらに効果を実感できます。
つまり、組織間リリースによって筋肉周りの隣接組織の滑走が改善し、
関節の運動軸が整う事でストレッチ効果が最大化する条件が整ったからこそ、
「ストレッチが活きる」ことになるんですよね。
この条件を知ってから、私の治療に「組織間リリース」が必須となりました。
もし、ストレッチの効果がイマイチだと感じている方がいれば、テクニックだけではなく、その前の準段階に目を向けると、よりよい効果を期待できるかもしれません。
PS
私の身体は組織間リリースがないと生きていけない身体になってしまいました。
PPS
組織間リリースは非常に触診スキルが重要!
成功への足掛かりは、やはり「触診力」だ!
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