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8割のPTが知らない、本当の問診術 | 日本オランダ徒手療法協会

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8割のPTが知らない、本当の問診術

2021.08.28

From:長島 将太

@自宅オフィスより

 

『7月17日』

 

この日は何の記念日か、知ってますか?

 

当協会の代表である土屋先生の誕生日?

 

それとも、オランダ徒手療法協会の設立記念日?

 

残念ながら、どれも違います(笑)

 

この『7月17日』は、

なんと『理学療法の日』だそうです。

 

知ってました〜??

 

もう1ヶ月も経過しちゃってますが、

ちょうど良い機会なので、

 

これまでの10年余りの私の治療家人生を、

少し振り返りたいと思います。

 

PT長島の治療家人生

『誰が興味あるねん!』って

ツッコミたくなりますが、

良かったら聞いて下さい。

 

私は、理学療法士になって、

臨床13年目を迎えます。

 

今はリハビリ部の主任をさせて頂き、

オランダ徒手療法協会ではディレクターを勤めております。

 

一見、上手くいっているPTキャリアのように思われがちですが、

ぶっちゃけ順風満帆な理学療法人生ではありませんでしたね。

 

今だからこそ、笑って話せますが、

PT人生のスタートダッシュから大ごけしてましたからね。

 

何が、大ゴケかって言うと・・・

 

PTの国家資格試験『不合格』

当時の合格率は、

確か90%ぐらいだったと思います。

 

要は10人中9人は受かるぐらいの試験に落ちたわけです。

 

当時は、もう理学療法士になるのを諦めようかな〜って考えることもありました。

 

こんな合格率の高い試験に落ちるようでは、

正直自分に向いていないんじゃないかってね。

 

だけど、この仕事のやりがいは実習でも感じていたし。

何より他の職業になるイメージが湧いてこなかったんですよね。

 

結局は諦めきれなくて、

PT助手の仕事をしながら試験勉強をして、

翌年の試験には無事に合格できました。

 

今思えば、この『不合格』という結果が、

中途半端に勉強していた自分への戒めとなりました。

 

念願のPT人生スタート!がしかし・・・

念願のPTになって、やる気に満ちていた1年目。

 

自分のリハビリで患者さんがどんどん治っていき、

笑顔になっていく患者さん。

 

『長島さん、ありがとう』と感謝され、

自分の治療が結果に繋がる、そんなやりがいのある仕事。

 

そんなイメージを抱いていた私。

 

PTになって半年で、

そのイメージはあっけなく崩れ去りました…

 

半年経った私の中に芽生えたのは、

自分には何も治すことができないという無力感と、

担当患者さんに対する申し訳なさ、でした。

 

それでも、どうにか自分の力量のなさを補うために、

毎週何かしらのセミナーに行ったり。

 

仕事が終わってから、

同僚と触診や実技の勉強に励んだり、

とにかくガムシャラに勉強を続けた日々。

 

その甲斐あって、3年目ぐらいの頃には、

治療に必要な解剖や運動学、疾患に関する病態など、

さまざまな知識は広がってきている手応えはありました。

 

一方で、

 

自分の中では、知識量は増えているにも関わらず、

 

『患者さんを治せている』という実感は、

あまり得られてなかったんですよね。

 

いろんな理論やテクニックを学んでいるにも関わらず、

どこか手応えのない自分の治療。

 

『本当にこの治療が正解なのかな?』

 

『このアプローチ…これで合ってるんかな?』

 

『あの先輩が治療した方が、もっと早く治るんじゃないか?』

 

だから、いつまでも自分の治療に自信がなかった。

 

その自信のなさをカバーするかのごとく、

 

参考書や文献を読み漁り、

 

セミナー通いを続けてきた6年間。

 

いま思い返すと、あの頃の自分は、

『青い鳥症候群』にかかっていたんだと思う。

 

そんな当時の私の目を覚まさせてくれたのが、

『オランダ徒手療法』であり、

 

土屋先生との出会いだった。

 

この時、私はPTになって6年目を迎えた

少し肌寒い秋のことだった。

 

本当に必要なものは、すでに持っていた…

 

今ではオンラインセミナーが主流になりつつあるけど、

当時は、リアルでのセミナーだったんだよね。

 

しかも、患者さんを目の前で治療するという『実演型セミナー』

 

今までいくつものセミナーを受けてきたけど、

目の前で患者さんを治療する講師は今までいなかったから、

 

すごく衝撃的だったことを、今でも覚えてる。

 

 

でも、もっと衝撃的だったのが『臨床推論の深さ』だった。

 

よくオランダ徒手療法と言えば『問診でしょ?』って

感じている人も多いと思うんだよね。

 

確かに間違っていないんだけど、

たぶん君が思っている問診とは訳が違う。

 

何が違うかって?

 

それは、問診をするだけで

8割方の治療方針が決まるってとこだ。

 

『治療方針』って、

一言で表現してるけど。

 

このワードには、、、

 

・組織レベルで特定された痛みの原因

 

・痛みの原因の発生メカニズム

 

・組織の病態の把握

 

・組織の治癒期間の予想

 

・治らない原因/治りを悪化させる要因のリサーチ

 

・組織の耐えれられる負荷の見極め

 

・即効性のある対処療法の組み立て

 

・長期的な視点をもったリハプログラム作成

 

・患者さんの目標と実際のギャップを埋め合わせるための習慣化の工夫

 

まだ他にもあるんだけど、

これらの意味を含んだワードなんだよね。

 

信じられないと思うけど、

本当にそうなんだ。

 

当時の私も正直言うと、

『本当に〜〜〜?』って疑ってた。

 

だけど、マジだった(笑)

 

その時に、

今までいくら勉強しても消えなかった、

頭の中のモヤが一気に消えていくのを感じた。

 

自分に足りないものは、

 

知識やテクニックではなく、

『考える力』だったんだってね。

 

『考える力』って、何?

 

問診で患者さんから治療に必要な情報を引き出し、

その情報をさまざまな理論や知識を元に解釈する。

 

その解釈した結果から、仮説を導き出して

評価をして治療を行い、仮説を検証する。

 

仮に治療をして、思った結果が出なくても

すぐさま視点を変えて、仮説を組み立て直して

再トライする。

 

さらに、

短期的な視点と、長期的な視点を持って

計画的なリハビリプログラムを作成して、

段階的に負荷をアップしていく。

 

なるほど!

 

こうやって学んだ知識や理論を使うんだって、

初めて気づいたんだ。

 

自分の求めていたモノは、

すでに持っていたんだ・・ってことに改めて気づかされた。

 

そして、

ここから私のPT人生は、

一気に加速していった。

 

今まで難渋していた患者さんも、

この流れで仮説を立て、治療を行うにつれて

少しずつ治るようになっていった。

 

何より嬉しかったのが、結果が出たことよりも、

自分の頭で考えて治療を導き出せるようになったことだ。

 

今までの『当てはめたような評価や治療』から、

ブレイクスルーした瞬間だった。

 

こんなだった私も、

衝撃的なセミナーを受けてから、

早7年が過ぎ、8年目を迎えようとしている。

 

そして、

PTとしては13年目を迎えたところだ。

 

まだ10年余りだが、

本物の治療家と言うのは、

 

秀でた腕を持っている人ではなく、

 

豊富な知識を有する人でもなく、

 

『知識』、『技術』、『考える力』

 

これらが三位一体になった、

柔軟性のある治療家のことを指すのだと感じている。

 

(巷では、クリニカルリーズニングとも呼ばれているが、

『考える力』はもっと広義的である)

 

少しでも多くの治療家が、このことに気づいてくれれば、

もっと多くの患者さんを笑顔にできると確信している。

 

私の拙い話でしたが、

同じ想い、同じ境遇にいる治療家は少なくないと思う。

 

そんな治療家の役に立てればと思い、

今日はこんな身の上話をさせてもらった。

 

私と同じように『青い鳥症候群』にかかっている治療家が

目を覚ましてくれることを祈っています。

 

PS

日本オランダ徒手療法協会の設立は『2012年』

 

そして、代表の誕生日は『8月18日』です(笑)

 

ここ修了試験に出るので、覚えておくように!!


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。