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面倒でもMRIは撮るべき!鵞足炎の診断が半月板損傷に覆る瞬間
2021.08.27from 杉山貴規 自宅デスク
「この接種券、日本だと意味がない」
アメリカ帰りの知り合いからの衝撃的な話
実は知り合いの人が仕事で数ヶ月前に渡米したんだよね。
それで数週間前に帰国したんだ。
それで、
・大谷フィーバー
・アメリカでのコロナのこと
・帰国しての日本のでの隔離の話
などなど
色々と聞かせくれたんだ。
アメリカでのコロナの話なんかは、本当に衝撃的で
まるで、鎖国中の日本で海外の話を聞くような感じ
何がすごいって、まずワクチン接種の方法なんだよね。
ドラッグストアやコンビニなんかに行くと、ワクチンを打てるようになっているんだ。
基本IDを持っていれば誰でも可能!
で、その知り合いの人も、渡米中2回打ったんだよね。
それで、そのワクチン接種券を持っていれば買い物も可能、イベントもいける。
だから、その人もノーマスクでメジャーリーグの試合を見にいけたんだよね。
日本と違って、マスクしているとやばい奴って思われて、警備員に声をかけられるらしいんだ。
それから帰国して、2週間隔離だったらしいんだけど、もうワクチンを打っているのになんで隔離なのかが意味がわからなかったらしいんだ。
ちょうどその頃オリンピックで関係者はスルーで空港を通過
一般の人はPCR検査受けて陰性でも、2週間隔離
ワクチン接種を受けた証明書を見せたらしいんだけど、
検疫官から「その証明書意味がないです」
って言われたらしいんだ。
アメリカのCDC(米国疾病予防管理センター)の印が入っていても無理。
挙げ句の果てに、今後出国する際には、日本でのワクチン証明書が必要。
もうすでに2回打っているのに、日本で2回受けてくださいって言われているらしい。
4回打ってことらしいんだよね。
保健所、厚生労働省やドクターなどなど様々なところに相談したらしいけど。
回答は同じ。
同じファイザー社のワクチン打ってるのに、アメリカで打った場合は日本では通用しないって…
日本っていう国の愚かさを垣間見た感じなんだよね。
で、今日話すのは
膝を痛めた女性の話なんだけど、
ある診断結果がこの女性を危ない目に合わせたという話なんだ。
自分がお願いした検査をなぜかやってくれないことで、積極的なリハビリが困難になったんだ。
なんで、そんなことになったのか?
続きを読んでもらいたい。
膝が痛い
施設でのリハビリで膝が痛い高齢の女性が来たんだよね。
その方って、いつもはシルバーカーで自分の部屋からリハビリ室までくるんだけど、
その日は、シルバーカーに座って、足で床を蹴って来たんだ。
歩くより、そっちの方が疲れるんじゃないかって感じ。
それで、来て早々
患者さん「先生、膝が痛くて歩けないの。どうにかして…」
そうか膝が痛いのか〜
実はこの方、結構精神的に弱い方で、
何かあると、すぐにリハビリ依存してくるタイプなんだよね。
だから、スタッフさんも、自分も
「またかぁ〜」
ってな感じで、いたんだ。(思っちゃいけないけどね)
杉山(杉)「膝のどこが痛いんですか?」
患者さん(患)「全体的に痛いのよ〜」
こうなってくるとさらに、慢性的にな要素がかなり強い。
ってことは、関連痛の可能性??それともメンタル???
それでも、いつも歩いてくる方が今日はいつもと違う。
そんな疑問を持ちつつも、失礼だけど、やっぱりどこか信用していない自分がいるんだよね。
それで、それでさらに色々聞いたり、触診したりしていると
これもしかしたら、どこか組織損傷している可能性が高いって感じて来たんだよね。
それはなぜか?
・痛みが鋭い
・腫脹がある
・熱感がある
・発赤もある
ってな感じ…
じゃ〜機能障害は???
そこで、シルバーカーから立ち上がって、少し歩いてもらおうとしたんだよね。
杉「じゃ〜、たってから歩いてみましょうか?」
患「よいしょっ。。。痛い!痛い!」
これはやはり、組織損傷?
しかも、半月板か、靭帯損傷の可能性が高いかもって感じたんだよね。
それは、立ち上がりの瞬間、大腿骨が脛骨側に体重が乗るときに痛みが出たっていうところなんだよね。
それで、アプレーテストを実施したら陽性
地面に荷重なしでの膝の関節の自動・他動運動では痛みは対してなかったんだ。
体重をかけることでの痛み。
半月板が損傷しているか、挟み込んでいる可能性が高いって感じたんだ。
それで、急いで施設のスタッフさんに病院受診をお願いしたんだよね。
MRIをお願いします!
病院の付き添いに関しては、ここの施設では自分の仕事範疇外なんだ。
だから、必ず詳しく伝えるようにしている。
今回の場合こちらの要望としては
・半月板、靭帯損傷の可能性がある
・レントゲンだけではなく、MRIでの画像検査を実施をお願い
・確定診断をお願いするように
・荷重をかけていいかの有無
・通院期間
・通院期間のリハビリの有無
などなど
特に、2番目のMRI検査に関しては、どうしても撮って欲しい。
なぜならば、結構撮ってくれないんだよね。
初診でのこの撮影が今後のリハビリにとって重要で、経過を追うのにも重要になってくるからなんだ。
でも、MRIなぜかとってくれないことが多い。
・レントゲン
・穿刺
・整形外科テスト
この3つで判断する場合が多い。
確かに、これで判断できることもあるが、ちょっと精度にかけるんだ。
・レントゲンの場合
骨が主に写って、関節の間隔などで半月板には負荷がかかってないってことを言うらしいんだけど、これほとんどが寝て取ることが多いから、膝関節の間隔って、普通に広がっていることがいい。荷重時でレントゲン撮ることがないからね。
・穿刺の場合
膝に溜まった水腫を注射器でとってその量と色で見るんだけど。正常だと黄色の透明色、組織が損傷していると濁った黄色だったり、血が混じっているような色、ひどいと黒色なんてことがあり、そうなってくると組織損傷って疑うんだ。でも、正常と言われている黄色の透明色でも、組織損傷がある時があるんだ。
・整形外科テスト
これって、本当にやる人の個人差が出るんだよね。上手い人がやれば精度は高いけど、あまり上手くないと陰性が出ることが多い。
ってなことで、
第3の目であるMRIをとって、中を見て判断した方が正確なんだよね。
なんで自分がこんなにMRIにこだわるのか?
それは、このようなケースをたくさん経験してきたからなんだ。
MRIを取らなかったケースで予後が悪くなり、治らないケースを何度も見てきたんだよね。
だから、初診の対応がものすごく重要になってくるので、スタッフさんに頼む時はこちらがして欲しい内容を事細かに理由も教えてお願いするんだ。
で、この方がどうなったのか?
実は、悪い方向に転じているんだよね。
それは、MRIを取らないで診断を下したんだ。
その結果、ついた診断が『鵞足炎』
確かに、その可能性もあるけど、何か腑に落ちない。
なぜなら、高齢者の鵞足炎のほとんどが変形性膝関節症の合併症としてなったり、転倒後から鵞足炎になったりとすることがるけど、ほとんどが前者という論文があるぐらい。
レントゲンでは変形や関節狭窄もないっていう診断で、鵞足炎は納得いかなかったんだ。
そこで、もう一度スタッフさん経由で先生にお願いして、MRIをとってもらうようにお願いしたんだ。
結果、別の病院でMRIをとってもらうことになって、診断が出たんだ。
軽度の半月板損傷
軽微なものだから、手術適応ではなく、少し様子を見るという形になったんだよね。
そうなれば、こちらもリスク管理を念頭にリハビリが可能になってくる。
今は、荷重を制限して、痛みのない範囲での生活をしてもらうようにしているんだ。
今後は、徐々に痛みが引いてきたら、ドクターと連携をとって積極的なリハビリを展開するつもり。
でも、これが半月板と鵞足では組織が大きく違う。
鵞足炎として、リハビリをやっていたら、早期に荷重をかけてもっと半月板の損傷をひどくしていた可能性がある。
やばいこと。
やはり、患者さんのことを思って、面倒かもしれないけど自分が疑問に思ったら、それを解決しない状態でリハビリを行うことはダメなんだよね。
一番はドクターじゃなくて、患者さんなんだから。
この想いがあれば、リハビリの精度はとても高いものになるはずなんだよね。
ぜひ、ドクターに負けず、自分の意見をしっかり言えるようにしてみてください。
PS
日本という国は少しずれている。
このコロナで有事なのに、日本の法律を遵守
確かに法治国家だから仕方がないのだが、
アメリカで打ったワクチンを日本で打たないとカウントしないは馬鹿馬鹿しい。
子供にこの話をどのように説明するのか?
コロナのことも、誰でもわかるようなプランや説明をしてこの国難を乗り越えて欲しい。
日本という国に少し飽き飽きしているのは私だけだろうか?