膝蓋腱炎には裸足運動が有効なワケ | 日本オランダ徒手療法協会

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膝蓋腱炎には裸足運動が有効なワケ

2021.04.16

from 杉山貴規 広尾オフィス

 

今日はどの靴を履いて行こうか

 

え〜と、今日はこれ!

 

最近、靴を買ったんだよね。

 

どんな靴かっていうと、キャンパス地のデッキシューズみたいなやつ。

 

コンバースみたいな感じの靴なんだ。

 

実は、こういう靴持っているんだけど、あることがきっかけで購入したんだよね。

 

デザインや色もそうなんだけど、そこじゃなかったんだ。

 

この靴、実は購入する時に足を測るんだよね。

 

長さはもちろんのこと、足の幅を測るんだ。しかも左右。

 

それで、一番サイズを店員さんが選んでくれるわけだ。

 

普通こういうのって、自分の足の大きさがわからない時にやってくれたり、高級な皮靴屋さんやセミオーダーで作ってくるれるところなんかでやってくれるサービスですよね。

 

でも、言っちゃ悪いけど、キャンパス地のスニーカーでこれをやってくれるところは初めてだったんだよね。

 

それで、自分のいいサイズを店員さんが持ってきてくれたんだ。

 

すると、自分のサイズよりもかなり大きなサイズ。

 

どのくらいかっていうと1.5〜2.0cm

 

杉山(杉)「えっ!でかくないっすか?」

 

店員(店)「これで大丈夫です!」

 

大丈夫っていうけど、靴のサイズは合う物買うのが普通でしょ!

 

これでも理学療法士、こんなサイズ持ってきたらいろんなところに障害が出ちゃうでしょう!

 

って思ったんだよね。

 

そうこうしているうちに、両足新品の靴を履いていたんだ。

 

店「じゃ〜立って歩いてみてください」

杉「うお〜、なにこれ。めっちゃいいじゃないですか?」

 

店「そうなんですよ。歩き易くですか?当たるところもないと思いますよ。」

 

もう絶句。

 

足は指からかかとまでの長さで購入っていうのがセオリーでもこの靴、ちょっと違ったんですよね。

 

この靴、ちょうど土踏まずらへんで固定するから、靴の中で足が滑ることがない。

しかも、足先の指たちが自由に動くだ!

 

実は、この靴には木型あって、その木型は何千もの兵士の足から採った物らしい。

 

兵士って、すごい距離を重たい荷物を持って歩いたり、走ったりするから、兵士が疲れないように木型をとって、靴を作成したらしいんだ。

 

それを、このスニーカーに落とし込んだんだよね。

 

だから、本当に疲れない。しかも、姿勢がめっちゃ良くなる。

 

大・中臀筋や内転筋群にすごく刺激が入る感じで歩きかとも良くなる。

 

ってな感じ、

 

そう考えると、靴選びは重要ですよね。

 

さて、そんな靴選び、あなたも患者さんに提案したことってありませんか?

 

自分も実はそういうことがあって、何となくあのメーカーのあの靴がいいよっていうのを、いったりしていませんか?

 

それとか、インソールを入れて調整してあげることなんかもしているかと思います。

 

でも、その結果を見るとそこまで良くならない。

インソールを入れても、すぐに足の形状が変わるからまた作り直しなんてこと、よくありますよね。

 

で、今回は膝に痛みがあった患者さんにあることをしたことで、靴選びやインソールを作成せず、痛みが改善していった運動の方法をお伝えできればと思います。

 

膝が痛い女性

 

急に膝が痛くなった50代の女性が来店したんだよね。

 

足を引きずっているような様子はないんだけど、膝が痛くてしょうがないっていうだ。

 

杉「どうしたんですか?」

 

女性「1週間前から膝が痛くなって、屈伸したり、階段を上がると痛みが出るんです。」

 

ま〜よくある話。

 

で、問診からいくつかのことがわかったんだよね。

 

・痛みは膝のお皿の下と内側

・曲げると痛い

・痛みは1週間前から急に

・今まで怪我はしたことがない

・仕事は事務職(最近週2回が4回に変更)

・資料を運んだりすることがあって結構ハード

・電車で通勤

・会社でのストレスあるが、自律神経系に問題なし

 

ってな感じ。

 

そうなってくると、

 

局所の問題と仕事量の増加によるオーバーワークが問題だっていう仮説を立てたんだよね。

 

局所を見てみると、

 

痛みの部位で一番強いところは、膝蓋腱部で圧痛や伸張痛がある。

 

となると、膝蓋腱炎かなって思ったんだよね。

 

スポーツ疾患でよくあるジャンパー膝っていうやつ、

 

ジャンパー膝

ジャンプやダッシュなどによる膝関節の屈伸動作を頻繁に、かつ長時間にわたって行う場合、膝の伸びる仕組み(大腿四頭筋が引っ張られることで膝蓋骨、膝蓋腱、脛骨粗面にまで牽引力が加わる)に過度な牽引力が繰り返し加わることで、膝蓋骨周辺に微細損傷を引き起こします(図)。病態は腱実質部に出血、浮腫、ムコイド変性(結合組織の粘液変性)、フィブリノイド変性(線維素様のものが組織に沈着して組織傷害や炎症を引き起こす)などの変化をきたし、微少断裂や、最重症例ではまれに完全断裂に至ります。

 

なんで、結局こういうのって、オーバーワークによる使いすぎ。

 

だから、

・出勤の回数を減らす

・休む(欠勤する)

 

っていうのが理想なんですが、働いている以上なかなか難しいですよね。

 

なので、

・階段の上り下りの回数を減らす

・資料搬入の中して、デスクワークのみに変更してもらう

・働いている時に、ストレッチなどの自主トレをする

 

っていうのを提案したんだ。

 

すると、会社に聞いてくれて期間限定で了解が出たんだよね。

 

もちろん、これで終わりじゃなくて、今の現状の痛みを解決するために施術をしたんだ。

 

リハビリの内容は

・腰椎のマニュピレーション(膝蓋腱の循環改善)

・膝蓋腱のリリース

・大腿四頭筋のリリース

・膝関節のモビライゼーション

・膝蓋骨のモビライゼーション

・膝周りの筋膜リリース

 

これを実施すると、

 

すぐに効果が出て、

膝を屈伸しても、階段の上り下りも痛みがなくなったんだよね。

 

本人も、超喜んで帰っていったんだ。

 

数日後、またリハビリで笑顔できたんだけど、

 

まだ、しっかりと痛みがなくなっていない状態。

 

そこで、この患者さんから靴について相談されたんだ。

 

それで、確かに常に働いている時に身につけているものだから関係はあるっていう話をしたんだよね。

 

で、今はパンプスを履いているっていうことだから、運動靴にしたらどうですかっていう返答をしたんだ。

 

それから、数日が経って、靴を変えてもインソールを入れても前とあまり変わらないっていうんだよね。

 

自分も何が悪いのかって悩んだんだ。

 

それからいろいろな文献を読んで、あるところに行き着いたんだ。

 

これだ!

 

ベアフットウォーク

 

靴は自分の勧めたもの、インソールは知り合いに作ってもらったんだけど、結果は芳しくない。

 

悪くはない。

 

でも、この記事でなるほどって思ったんだよね。

 

質の高すぎる現代のランニングシューズを履いていると、本来体(足)に備わっている自己[固有]受容(生体内で生じた刺激を受容すること) や衝撃吸収する役割を持つ土踏まずが100%働く必要がなくなります。衝撃を受ける走り方をしていても、クッションが衝撃吸収し、足が衝撃吸収する必要がなくなるからです。すると、神経と筋力を衰えさせることになり、結果的に「過度の外反(回内)」や「足底筋膜炎」を引き起こす原因となるのです。最近の子供に多い「偏平足」もこれが原因の一つとも言われています。

https://www.fitnessclub.jp/news/training/2112.html

 

確かに〜

 

いい運動靴ってアウトソールやインソールがかなり良くて衝撃吸収をしてくれる。となれば、足裏の受容器や足根洞の働きが悪くなるのは、なんとなくわかる。

 

そうなれば、上に書いてあるようなことは起こるって考えたんだよね。

 

でも、そうはいっても。裸足で歩いて働いくださいなんて無理じゃないですか。

 

だから、出社前後と昼休みに裸足で歩きと走る取り組みをするようにしてもらったんだ。

 

だいたい、5mの距離を10往復前後

 

それぞれやってもらったんだ。

 

もちろん痛みのない範囲で。

 

半信半疑で患者さんは帰っていったんだけど。

 

数日後、また来院されて。

 

どうかな〜どうなったかな〜って、少しドキドキしながら患者さんの顔と言葉を聞いた時。

 

ホッとしたよね。

 

痛みがなくなったっていうんだ。

 

つまり、裸足で歩くことで受容器が活性化されて、靴を履いている時でも正常に働いたということなんだろうね。

 

それで、膝の痛みもなくなっていったということなんだろうと思う。

 

なので、もし施術もうまくいって、患者さんのコントロールもうまくいたけど。

靴やインソールでなんとなく上手くいかなかった時は、ベアフットを思い出してください。

 

結構いいと思いますよ。

 

PS

もし機会があれば、自分が履いているこの靴履いて欲しいです。

 

膝や足首に疲労がたまらないし、感覚だけど、足の指がかなり動くので外反母趾予防にも効果があるかなって思います。

 

人が身につけるものは、まだまだ奥が深いですね。

 

また、何かあれば体にいい洋服や靴を紹介しますね(笑)