膝靭帯損傷リハに『重りを使う』ことが最先端なワケ | 日本オランダ徒手療法協会

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膝靭帯損傷リハに『重りを使う』ことが最先端なワケ

2020.11.27

from 杉山 貴規 都内カフェ

 

都内で某カフェでいつも、ブログを書いているのですが、

 

毎回、席を確保して、レジに並び、ドリップコーヒーをレジでもらって、一直線で席に戻る。

 

なんでコーヒーを頼むのか?

 

カフェインを朝一は体に入れたいというのが、もちろんなんだけど。

 

それ以上に、待つのが嫌いなんだよね。

 

皆さんも知っての通り、

 

ここのカフェはコーヒー以外はレジで会計した後は、隣の緑のランプで出来上がりを待つんだ。

 

それが異常に長い時がある。

 

だから、ドリップコーヒーなんだよね。

 

しかし、先日レジも激混み。

 

待ちながら、周りを見ると

 

ちょうど、レジ横にあるお店のコラボ商品が陳列してある。

 

そこに目を惹く品物があって、スタンレーの真っ赤なタンブラーなんだよね。

 

スタンレーというと、水筒が有名で、ここ最近ここのカフェでは幾度となくコラボしているんだ。

 

自分も去年のやつを持っているのだが、その真っ赤なフォルムに目を持ってかれたんだよね。

 

しかし、ま〜持っているし、いらないっていう判断をしたんだ。

 

それからしばらく、ふとそのことを思い出し、やっぱり買おうかなって思って、お店へ。。。

 

すると、売り切れ!

 

でも、公式オンラインショップや他店舗で売ってると思って調べると。

 

どこにもない!オンラインでも、店舗でも。

 

唯一あったのがネット。

 

しかし、値段を跳ね上げて売っていて可愛くない!

 

もう、だから諦めましたよ。

 

そんな、自分のどうでもいい話はこの辺に。

 

さて、『赤』というワードが出たので、今回はこんな話をしたいと思います。

 

リハビリで『赤』というと何を連想しますか?

 

レッドフラッグ?

レッドコード?

赤いセラバンド?

 

などなど

 

だと思うのですが、

 

多くの病院や治療院ではセラバンドを使っていると思います。

 

色によって弾力性が違って、

 

(弱)黄褐色→黄色→赤色→→→→→黒色→銀色→金色(強)

 

に強い負荷になっていくわけなんですが、

 

今回、リハビリ中、リハビリ機能訓練が終わった後も、

 

ず〜〜〜っと

 

赤のセラバンドをやり続けている選手に、スポットを当てて話したいと思います。

 

終わらない赤いセラバンドのリハビリ

 

もう何週間前にある選手に相談を受けたんだ。

 

その選手はバドミントンをやっていて、膝の内側側副靭帯を損傷したんだ。

 

全治4週間っていう診断だったんだ。

 

で、その頃は歩くのも痛みがあって、リハビリの先生から痛みのあるうちは動かないようにって言われていたんだよね。

 

その間は、膝以外のところをトレーニングして、2周目以降は膝のトレーニングをこのセラバンドでして欲しいっていうことだったんだ。

 

その時に渡されたのが赤色のセラバンド

 

『赤いセラバンド』

 

その当時彼とあったのは受傷2周目だったんだよね。

 

だからその時は、痛みがあってリハビリの先生が勧めるなら、それで頑張ろう!

 

っていう話だったんだ。

 

それから、1ヶ月半くらい経って、その選手に会うことがあって、

 

「膝の具合はどう?」

 

ってな話をしたんだ。

 

すると、まだ膝が痛い時があって復帰できていなかったんだ。

 

来週くらいからランニングを開始する予定になっていたんです。

 

今まで、何やっていたのかを聞くと。

 

・膝周りのマッサージ

・可動域訓練

・スクワット(浅い)

・ランジ

・赤いセラバンドでの膝の屈伸(ホームワーク)

 

ってな感じだったんだよね。

 

幾ら何でも遅いだろうって思ったんだ。

 

しかも、なんで赤のセラバンドを未だに使っているのか???

 

それで、本人も焦りをかなり感じていて、いつになったら復帰できるのか不安に感じていたんだよね。

 

それで、本人から詳しい膝の状態を聞いたんだ。

 

(いつもの問診はここでは割愛して)

 

靭帯の程度はグレードでいうと真ん中の『Ⅱ』だったんだ。

 

以下が靭帯損傷のグレード

靭帯損傷のグレード

I度:動揺性(健側と比較して)はなく、靱帯部の圧痛が主である

II度:伸展位の外反動揺性(-)、30°屈曲位で外反動揺性(+)

III度:伸展位の外反動揺性(+)、30°屈曲位で外反動揺性(+)

 

だいたい6週くらいで復帰レベルなんだよね。

 

それがまだランニングすらできていない状態。

これは遅すぎるし、靭帯がやばくなっているって思ったんだ。

 

そこで、その選手を診ることになったんだ。

 

なんで負荷上げないのか?

 

 

そもそも、なんで6週以上も経って、受傷した時と同じリハビリを継続し、同じ負荷量のセラバンドを処方し続けるのか?

 

これが、そもそも大きな間違いなんだよね。

 

スポーツ選手において、日常生活レベルの負荷でリハビリを終了させる気なのかって感じのリハビリの方法。

 

これは、たとえ膝の痛みが消えてランニングができたとしても、バドミントンをできる膝にはならない。

 

バドミントンは前後左右の1〜2m瞬発系の移動やフルスクワット以上の膝の屈曲が必要になり、ジャンプ動作も高頻度で行うスポーツ。

 

それに、試合時間も比較的長い

 

・3ゲーム2ゲーム先取

・男子シングル平均試合時間40分弱

・女子シングル平均試合時間37~38分

 

だいたい、こんな感じなんだよね。

 

これを来週からランニングに入って、試合ができるまで一体どのくらいで復帰ってなちゃいますよね。

 

しかも、負荷量が赤いセラバンドのまま、靭帯の状態にもよるけど、少しずつ負荷は上げていかないと靭帯自体の強度が脆弱になることは目に見えたんですよね。

 

だから、その選手には、徐々に負荷量を上げていくことを提案したんだ。

 

しかし、セラバンドの負荷量を調整するのはとてつもなくコストがかかるし、張力の加減によって左右されるんで、『重り』を使用することを提案したんだよね。

 

簡単に言うと重錘やダンベルなど重さで負荷の調整をすることなんだ。

 

それを使って、ランジ、スクワットやジャンプなど基本的な動作を行うように指示したんだよね。

 

痛みや違和感などが出ないギリギリのところを狙ってね。

 

まず、そこの機能面の向上から初めて、そのあとに早歩き、ランニング、ショートスプリントに移行。

 

ってな感じで、徐々にバトミントンの動作を取り入れて、復帰させていったんだ。

 

復帰させる最中のこれらの動作で『重り』を使って行う訓練に

本人もかなりビビっていたんだよね。

 

膝も恐る恐るだったみたいなんだけど、

やっているうちに膝に対しての恐怖やここまではできるって言うのが、自分でも把握できるようになっていったんだ。

 

それも、これも負荷の調整を誰でもわかる数値で示したこととなんだよね。

 

きっと、これをやっていないで、このまま復帰していたらバドミントンはできたとしても不安を抱えながらやるから、

 

きっと怪我する前のパフォーマンスに戻るのにものすごい時間がかかったと思う。

 

やはり、その競技特性を考えて、患者さんに目に見える形の負荷量を徐々に上げていくことが復帰の近道なんだよね。

 

それにしても、本当に病院や治療院で重りを使わないところが増えたな。

 

一体、どうやって負荷のコントロールをしてんだろう(笑)

 

教える側も、やる側もわかる形が一番いいのにね。

 

なんで、ぜひ『重り』を使ってのリハビリを再確認して欲しい。。。

 

そう、願っています!

 

PPS

このリハビリの先生がセラバンドの負荷量をどこまで知っていたかどうかはわからないけど、知っていないならこの図で今後の負荷量の調整をして欲しいです。

参照)株式会社日本メディクッス http://www.nihonmedix.co.jp/products/docs/theraband_TB2.pdf

 

それでも自分は『重り』を主体にリハビリをしていくかな。

 

その方が患者さんにも分かり易く伝えられるしね。

 

PS

実はこのスタンレーのタンブラーが欲しくて、各店舗に電話で連絡したんだけど、どこも売り切れ。。。

 

20件近く電話したのに(泣泣泣)

 

今ではもう、あきらめて、いつものタンブラー使ってます(笑)