最短!膝の痛みを取り除くリハビリ | 日本オランダ徒手療法協会

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最短!膝の痛みを取り除くリハビリ

2020.10.26

from 杉山貴規 都内カフェ

 

朝の電車でニタニタしている自分

 

座席の反対側にお母さんに抱っこされた赤ちゃんがニコニコし、いつもは隣の肘やカバンに触れイライラしている大人たちをホッコリさせている。

 

そんな赤ん坊が、お母さんから電車の中で哺乳瓶で美味しそうにゴクゴクミルクを飲んでいる。

 

哺乳瓶の種類はわからないが、この哺乳瓶の扱いは大変らしく、赤ちゃんに雑菌が入らないように煮沸消毒や殺菌消毒を行い常に衛生にしておかないとダメらしい。

 

で、実はこの哺乳瓶の消毒に関して警鐘を鳴らしている研究グループがあるんだ。

 

それは最近問題になっているマイクロプラスチックだ。

 

マイクロプラスチックといえば、環境問題で問題になっていて特に海洋でクローズアップされている。魚がマイクロプラスチックを食べ、その魚を人間が食べることで体に悪影響を引き起こすということだ。

 

その影響で、スーパーのレジ袋が有料になったり、大手コーヒー店のストローが紙になったりと様々なところで企業努力がなされている。

 

しかし、今回のこの問題は少し違う。

 

衝撃的な内容、

哺乳瓶(ポリプロピレン製)で授乳される乳児は、1日当たり100万個以上のマイクロプラスチック粒子を摂取している可能性がある

 

という論文を

 

19日に英科学誌「ネイチャー(Nature)」の関連誌で食品に関する研究を取り上げる「ネイチャー・フード(Nature Food)」に掲載された。

参照)生後1年の乳児のマイクロプラスチック粒子の推定摂取量を示した図(2020年10月19日作成)。(c)JOHN SAEKI, LAURENCE CHU / AFP

 

これには大変驚いたんだよね。

 

じゃ〜どこでそんなにも摂取しているのか?

 

それがさっき話した、消毒の時に爆発的に発生するらしい。

 

なんか、マイクロプラスチックっていうと浮遊している感じで、発生するものではないって思うじゃないですか?

 

実はこの定義かなり大雑把で5mm以下らしいんです。っていうことは1mmものもあれば、それ以下ものもあるってことなんです。

で、研究チームがこんな仮説を立てたんだ。

熱湯の使用や殺菌がマイクロプラスチック粒子放出の最大の要因。

 

そこで、

25度のぬるま湯と95度の熱湯でどれだけのマイクロプラスチックが放出されているか実験したところ

 

1リットル当たり

・25度のぬるま湯→60万個放出

・95度の熱湯→5500万個放出

 

もう、この数がどれだけやばいのか、はっきり分からないんですが、スゴイことですよね。

 

なので、赤ちゃんを持っている人はこの問題に関心があると思うので、ぜひ参考にしてください。

 

ちなみに詳しい内容はこちらです。

↓↓↓

https://www.afpbb.com/articles/-/3310941?cx_part=search

 

毎回毎回、どこからこんな情報を仕入れてくるのかと疑問を持たれる杉山ですが、、、

 

暇ではないんですよ。

 

これでも仕事はしっかりしています。

 

でないと生活できませんからね。

 

それはさておき、今回は膝関節の話をしたいと思います。

 

というのも、先日膝をグキってやってしまって膝が腫れた方から連絡があったんです。

 

結構腫れて、しかも今回のことにかなり落ち込んでいるということで、診ることになったんです。

 

膝の痛みがショック!

患者さん(患)「先生、この間バスの座席から立ち上がろうとして、膝がグキってなったんです。」

 

バスに降りた時はそんなに痛みもなく、少し違和感があるけど普通に帰ったらしいんだ。家事もいつも通りやって、お風呂に入ろうとしたら、膝がパンパンに。

 

それに驚いて、ショックで、如何にかこうにかしないと慌ててたんだよね。

 

それもそのはず、実はこのかた2度にわたり今回やった膝にメスを入れてるんだよね。それで、このグキって感じとなんとも言えないこの嫌な感じで、これはやばい経過もって感じたらしいんだ。

 

しかも、怪我をした2日後に大事な仕事があって、それには出ないといけないっていうんだ。

 

もう、慌てるしかないですよね。

 

さて、膝の状態を見るのに一番重要なのが、問診です。

 

いきなり評価はしません。

 

患者さんの言葉を最優先事項として列挙します。

 

しかし、そこには順番があって、

 

<今><経過><治癒を阻害する要因(仕事・生活・趣味・メンタルなど)>

 

ってやつを順序よく全て聴いていきます。

 

で出てきたのが下記の内容

 

・膝のお皿の外側と下

・曲げると痛い

・伸ばすと痛い

・椅子に座っていて急に動くと痛い

・膝が熱い感じがする

・押すと痛い

・腫れぼったい

・今日が一番痛い(受傷3日目)

・膝がグラグラする

・仕事は事務作業

・趣味は犬との散歩

・最近仕事で嫌なことがある

・家事を深夜まで

 

などなど

 

このほかにも、色々あったんだど、そこは割愛します

で、ここから何を見るのか?

 

これは組織損傷があって、慢性的に起こったものではないっていうこと。

 

そんなの当たり前っていう人もいるかもしれませんが、

 

実はそんなことないんです。

 

受傷は軽いのに、すごく痛がる人っています。しかも、腫れや熱感もないのにも関わらずです。

 

そんな人の場合はメンタル系がもともとやられている人がいます。ストレスを強く感じて、自律神経の交感神経がすごく過敏になって、ちょっとした受傷でも痛みを強く感じる人がいるんです。

 

だからこそ、この事実を知る必要があるんです。

 

ちょっと脱線しましたが、、、

 

で今回の方の場合、

組織損傷があるっていうことが如実にあるんですね。

 

で、どこが損傷を起こしているのかを見る必要性があるんです。

 

ここでようやく、評価を行うんです。

 

整形外科テスト

可動域テスト

圧痛部位

動作時痛・安静時痛・収縮時痛

運動連鎖

 

などです。

 

絞り込んだのが、

『外側側副靭帯損傷』の可能性

 

確かに、このほかにも半月板損傷の可能性もあったんですが、スペシャルテストで陰性、半月板の触診も行い疼痛はなかったんです。

 

で、ランジやスクワットも行ったんですが半月板のところには痛みは出なかったんです。

 

そこで、一番痛みがでたのが上記の部分ってこと。

 

じゃ〜施術するっていう感じになるんですが、

急性炎症って無理くりリハビリするような時期じゃないんですよね。

 

なぜなら、炎症期は人体が治そうとしている最中なので、邪魔しちゃいけないんです。

 

でも、痛みは取り除きたい、次の日の仕事には出ないといけないっていう患者さんの希望もあったんです。

 

これが病院で、医者の立場なら、

それはそれ、これはこれっていう形になって

 

安静をとってもらうか、痛み止めを処方するような形になると思うんです。

 

明日の仕事は何としても

 

本人の性格上、仕事はしっかりと責任を持ってやりたい!

 

っていう、強い信念みたいのがある人なんです。

 

なんで、次の条件を出して次の日の仕事を許可したんです。

 

それは、

・交代浴の実施

・サポーターの購入(サイドに支柱があるやつ)

・筋トレ(中殿筋・大殿筋・体幹)

・可動域訓練(屈・伸)

・スクワット

・ランジ

・仕事の翌日に施術を受けること

 

これを続けてくれるのであれば

明日の仕事はしてもいいとの話をしたんです。

 

あと本人には明日の仕事の後、必ず痛みが出て腫れますからっていう話をしたんだ。

 

本人もそれを覚悟でOKしたんだよね。

 

とは言っても、次の日に酷くなってもらっても、困るから

 

悪化しないように施術をしたんだよね。

 

それは、

・患部の循環を良好にすること

・中殿筋、大殿筋が入りやすい歩き方の指導

・体幹が入りやすい呼吸方法

 

この3つを2時間かけて実施

 

すると1回の施術で腫れはかなり軽減し、

歩いてかなり痛みがあったのも、歩き方の指導で軽減したんだ。

 

簡単な指導

・つま先接地だったのを踵接地に変えてもらったこと

→これだけで、大・中殿筋が効きやすくなって膝の負担が減りグラグラも無くなるんだ。

 

・下を見る癖があったから、ランジでその癖を取り除く

→下を見ると丸背(円背)になって体幹が入らないから、膝にかなり負担がかかるんだ。

 

・スクワットで膝の曲げ伸ばしの恐怖を取り除く

→これどこまでやったら膝が痛くなるのか自分でわかってほしい。もちろん、関節の滑らかさを出す効果もあるけど、ここでは本人には言わない

 

ここまでの動作練習は上記の内容の説明なんかしないんだ。

なぜなら、意識すると全身に変な緊張が入ってそれが歩き方や膝を変な方向入って再受傷なってこともあるからね。

 

全て、コーチングっていう作業で膝関節を、歩き方を変えていくんだよね。

 

で、その後どうなったのか?

 

翌日すっかりと腫れが引いて、仕事は全うできたんだ。

 

しかも、痛みも施術した日よりもより良くなったんだよね。

 

今では、腫れも痛みも無くなって、サポーターなしで普通の生活を送っているんだよね。

 

しかし、これで終わりじゃない。

実生活を送れても、また同じようなことがあるかもしれないので、本人には宿題を渡して、定期的に報告と施術をするように取り付けたんだよね。

 

なので、このかたのリハビリ?っていうか、再受傷しない体作りはまだまだこれからなんだ。

 

ってな感じで

リハビリは患部状態を良好して、可動域や筋力をよくして終わりじゃないんだ。やっぱり、実生活に戻って、今までと同じ生活に戻ることができることが最低条件なんだよね。

 

しかし、今の病院のリハビリの形って、病院でみたらそこで終わりなんだよね。制度的な問題があって、実生活で本人がどんな風な生活を送っているか、病院勤めの理学療法士さんや作業療法士さんってみれないのが実情。

 

じゃ〜柔道整復師さんや鍼灸師さんはどうかっていうと、あんまり変わらないと思う。症状とって終わりっていう人が多いと思うんだ。

 

訪問リハビリをやっていれば別だけどね。

 

本人の要望に答え、工夫し、それで元の状態に返してあげる。

その先に、予防っていうものを提示して一緒に目標に向かうことが重要なんだよね。

 

リハビリ(Re-habilitation)で終わってませんか?

 

その先の患者さんのゴールに向き合っていきましょう!

 

PS

にしても、

赤ちゃんのあの笑顔は何度見ても癒されるけど、

ニタニタしすぎには気をつけます。(笑)