階段動作の膝痛で困っている、あなたへ | 日本オランダ徒手療法協会

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階段動作の膝痛で困っている、あなたへ

2021.07.15

From:長島 将太

@自宅オフィスより

 

もう7月も半ばに突入!!

うだるような暑さが続きますね。

 

外の気温も

30度超えがフツーになっていますよね。

 

そして、

この暑さをさらに加速させるイベントが

東京オリンピック!!

 

まだまだ開催までの課題は

山積みだと思いますが…(汗)

 

スポーツに関わる仕事をしている以上、

目が離せないビッグイベントです。

 

様々な種目のアスリート達が、

最高のパフォーマンスを発揮するために

多くの専門家の力を借り、

自分のカラダを限界までトレーニングして、

勝ち取った晴れ舞台。

 

そんな世界各国のトップオブトップ同士の

熱き戦いを見逃さない訳にはいきません!!

 

今回される種目は、全33競技!

 

その中でも私が注目しているのは、

『サーフィン』

 

やっぱりね・・・

って声が聞こえてきそうです(笑)

 

その他にも

『陸上競技』『競泳』『柔道』などなど

 

挙げればキリが無いですね。

 

東京オリンピック開催まで

残すとこ…あと『10日』!

 

さて今回は・・・

『階段昇降で膝痛に悩んでいた患者さん』についての話をしたいと思います。

 

階段を降りる時に膝が痛いのよね…

 

転倒で後十字靭帯付着部を骨折した患者さん。

 

保存療法で治る程度の骨折状態だったので、

膝装具(スプリント)で数週間の固定。

 

そんな患者さんの保存療法3ヶ月後の話。

 

固定が外れて曲がりが悪かった膝も順調に回復。

この時点で・・・

・膝関節:屈曲145度、伸展0度

 

・筋 力:大腿四頭筋 MMT4、ハムストリングス  MMT3

 ※椅子からの片足立ち:50センチまで可能。40センチは不可。

 

・痛み:しゃがみ込み時( VAS 12/100mm)

 

ほとんどの生活で、

ほぼ痛みなく生活できている状況。

 

膝の曲げ伸ばしも問題なし。

膝蓋骨の動きも良好。

 

あとは、

筋力の回復が順調に行けば

念願のカーブスにも復帰できる予定。

 

それから1ヶ月経過・・・

 

『まだ階段の降りで膝が痛いのよね…』

 

この時点(保存4ヶ月目)で・・・

 

・筋 力:大腿四頭筋 MMT5、ハムストリングス  MMT4

 ※椅子からの片足立ち:40センチは可能(余裕で)

 

膝周りの筋力、下肢全体の筋力はほぼ問題ないレベル。

 

なのに、

まだ階段動作だけ膝が痛い・・・

 

ん〜なぜだ???

 

そこで、

さっそく階段動作をチェーーーック!!

 

スタスタ…

スタスタ…

 

スタスタ…

 

あーなるほどー!

ここが上手く行ってないじゃん。

 

アラインメントよりも

もっと重要なポイントを見落としていました(汗)

 

それは、

『下肢三関節の着地時の使い方』です。

 

もう少し分かりやすく言うと、

 

階段を降りる際の着地足の問題。

 

股-膝-足関節(下肢三関節)の収縮のタイミングが

ズレていることだったんです。

 

つまり、

着地の衝撃を吸収するために

必要な『共収縮』が出来ていなかったんです。

 

痛みの原因は『支え方』が問題だった

 

階段動作の問題を考えていく場合。

 

単純な膝周りの筋力やアライメント以外にも

いわゆる『下肢の使い方』が大事ですよね。

 

その中でも動作を行う上でキーとなるのが『共収縮』

 

それも、

・膝関節の共収縮(局所)

・下肢全体の共収縮(全体)

・カラダ全体の共収縮(全体)

 

複数の視点が重要なんですね。

 

そして、

この共収縮の効果を高める

筋肉の使い方が『等尺性収縮』なんです。

 

今回の患者さんでは、この下肢の使い方を念頭に

『等尺性収縮』の要素を取り入れた運動療法を実施。

 

例えば・・

・平地での足踏み

・小さな段差からの着地練習

・平行棒内でのケンケン  …などなど

 

こんな具合に、

階段動作のための運動療法を2週間実施。

 

その結果、階段での痛みは消失。

さらにアクティブな生活を獲得!

 

今では念願のカーブスに

週3回も通っているそうです(笑)

 

このように、

単純な筋力やアライメントだけでなく

下肢の使い方に着目した運動療法にフォーカスすると

良い結果に繋がるかもしれません。

 

そのためには、

『使えている』『使えていない』などと表現を曖昧にせず、

 

『どの機能の、どんな要素が上手く行っていないのか?』を

言語化していくことが必要だと思います。

 

起こっている現象を言語化できれば、

自ずとやるべきアプローチは決まってきます。

 

もし、階段動作で痛みを訴えている患者さんでお困りなら

下肢の使い方に着目してみてはいかがでしょうか?

 

PS

最後にオリンピックに関する

トリビアをひとつ!

 

オリンピックといえば、

『五輪マーク』ですよね。

 

この重なり合う五輪マークの意味は・・・

アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアの5つの大陸を表し、この世界5大陸の団結や、各国の友好を深める大会であることを意味しているそうなんです!

 

知ってました?

 

オリンピック期間中は、

オリンピックに関する小ネタを少しずつ挟んでいきますね(笑)


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。