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股関節の詰まりは小殿筋リリースで解決!
2020.05.29from 黒田雄太 @自宅デスクより
コロナも少しずつ落ち着いてきている今日この頃。
でもまだ油断は禁物です。人の動きが多くなってきたからこそ、本当の注意が必要ですよね。
ただ、経済や学力の問題も並行して考えないといけないのが難しいところ。
僕が住む長崎も5月11日から県立の小・中・高校は登校が再開されました。
このまま感染が広がらずに上手く行ってくれたらと願うばかりです。
学校といえば、ここ数年の小学生の運動機能に驚愕の事実があることがわかりました。
う◯こ座りができない(笑)
すみません(苦笑)、言葉改めキャッチャー座りが出来ない!
足首が硬いのか?バランスが悪いのか?原因は定かではありませんが、明らかに昔よりも運動機能が低下しています。
一因は生活様式の変化ですね。
和式トイレに出会うことはほとんどなくなりました。
東京2020の影響もあるかもしれませんが(笑)外国人がたくさん来ますからね!
まぁ、最近の小学生に限らず、しゃがみ込みに困っている患者さんもたくさんいますよね?
特に股関節が悪い人ですね。変形性股関節症などが多いですかね。
今回は股関節の可動域をよくするためにアプローチすべきポイントを紹介してみようと思います!
股関節痛患者の悩み…鼠径部痛と詰まり感
昔僕が診ていた患者さんです。50代の女性でアパレル関係の方。
主訴は鼠径部の痛みでした。
部位的には腸腰筋のあたりだったと思います。圧痛はあまりないんですが、触ってみると鼠径部以外に梨状筋などのお尻全体に強い張りがありました。
その方は動き的にはしゃがみ込みで痛かったんです。
股関節を屈曲するとお尻も張るんですけど、鼠径部に詰まり感があると言う訴えも。
そして、仰向けになると股関節が詰まる側の下肢は爪先が大きく外を向いて外旋していました。
これは股関節の関節包や靭帯の問題だ!
詳しくは解剖書を見てもらいたいんですが、股関節の関節包や靭帯が硬くなると基本的には大腿骨頭が臼蓋に押し付けられてスペースが少なくなるんですが、一部の線維方向の関係で外旋するんです。
仰向けの姿勢を見て僕はそう思いました。
なので、股関節のマニュプレーションで股関節の関節包や靭帯へアプローチしたんです。
すると…わずかに股関節の屈曲可動域がよくなるだけでさほど変化なし(汗)。
さらに、大殿筋や梨状筋などの筋肉もリリース!
でも、変化なし(涙)
う〜ん、と思っていると、股関節屈曲を制限しそうにない意外な筋肉が異常に硬くなっていたんです。
そこをリリースすると、患者さんは「めっちゃ、痛〜い!」と言っていましたが、その後の詰まり感はほぼ解消!
結果として、その筋肉が股関節の詰まりの犯人だったんです。
その意外な筋肉とは何だったのでしょうか?
股関節で凹凸の法則を考えると…
犯人は『小殿筋』!
股関節の外側にあるので、一見制限するとは考えませんよね?
でも股関節の動きを考えると制限しちゃうんです。
股関節が動くとき、凹凸の法則を考えると大腿骨頭が凸側となります。
凸側の骨が動くときは、関節の中では骨運動と反対方向に滑りの動きが生じます。
なので、股関節が屈曲するときには大腿骨頭は尾側(足元の方)に関節内で滑りながら動くんです。
小殿筋は骨盤と大腿骨を繋ぎますが、大腿骨の転子部に付着します。
もし小殿筋が硬くなったとしたら、転子部の動きが制限されて、結果として大腿骨頭の尾側への動きも制限されてしまいます。
つまり小殿筋は股関節屈曲の制限因子になるんです!
もし僕が屈曲方向の制限だから、制限するのは伸展筋だと思い込んでいると、今回の患者さんの股関節はよくすることが出来なかったと思います。
しっかりとした基礎的な理論の組み合わせと実際に動かしたり、触ったときの感覚をすり合わせることによって、患者さんの症状を改善できる治療家になれると思います!
基礎はやっぱり大事だなぁと改めて気づかされました。
【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように
P.S
5月いっぱいは辛抱の月だと僕は思っています。あまり期待しすぎずに今自分が出来ることを精一杯やっていきましょう!