膝裏痛は関節の位置関係を直せ! | 日本オランダ徒手療法協会

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膝裏痛は関節の位置関係を直せ!

2020.02.16

from 杉山貴規 広尾オフィス

 

先日、面白い記事を発見した。

 

「北欧人の祖先はひとつだが、アジアには少なくとも10系統の祖先がいるようだ」

科学雑誌ネイチャーで発見した。

 

確かにアジアはとても大きく、東アジアと西アジア(ヨーロッパに近いところ)では体格も骨格も全然違う。

 

スポーツの国際大会を見ていてもアジアの大会だけはいろんな人種が混じっているな〜って感じる。

 

環境が様々なところに定着して、これだけのアジア人がいるのはこの遺伝子のおかげなんだよね。

 

そして、アジアは10系統もの祖先がいることで、様々なウィルスに対抗でき、回復する能力を持っている。しかし、祖先の系統が多いことが、複雑な遺伝子配列を生んでいる。その影響で薬が効かなかったりすることが多いのも事実。

 

この文章を読んだ時に、少し怖って思ったんだよね。

 

これって、薬が作られたとしても効かない可能性が出てくるんじゃないかって。

 

だから、コロナウィルスの新薬を作るのは本当に大変なんだなって感じている。

 

未だに収束を見せる気配はないが、今後も手洗いマスクの着用は必須だね。

 

さて、怪我も同じように様々な個体差があって、同じ施術方法では太刀打ちできないことがありますよね。

 

実際、人体の研究は行われており、そのほとんどが未知数であるということがわかっている。筋肉なんかも、何年かに一度、新しい筋肉があるという報告が出てくる。

 

実際、大腿四頭筋は大腿五頭筋だ!

 

っていう報告もなされているくらいだ。

 

日々変わる真実に、いつもアンテナを張って新しい知識を入れていかないといけないですよね。

 

さて、今回は膝裏が痛くなった少年の話をします。

 

膝の痛みって簡単そうで、取れない時がありますよね。

 

特に膝裏なんかその一つではないでしょうか?

 

もし、似たような症例で困っていたら、参考になりますよ。

膝裏が痛い

「膝裏が痛いんです」

「練習のたびに膝が痛くなって、、、」

 

膝の裏の痛みってなかなか難しいだよね。

 

前方の痛みがそんなに難しくない
何でかっていうと、筋肉や靱帯の走行が直線なんだよね。

 

そこまで複雑にオーバーラップしていないんだ(重なっていない)

 

でも、後方の場合

 

ハムストリングスや腓腹筋が膝を中心にオーバーラップしている。

しかも、膝窩筋中は斜めに走行している。

とにかく、膝裏は筋肉を中心に考えると複雑な感じなっている。

 

だから、
 

  • どの組織が痛みを有しているのか?
  • どの筋肉が原因で膝のアンバランスさを生んでいるか?

 

この特定が少しややこしいところなんだよね。

 

ってな感じを思いながら、

 

情報収集
 

  • 痛みは膝裏の外側
  • しゃがむところから膝を伸ばす時に痛みが出る
  • 走ると蹴り出す時に痛みが出る
  • 痛みの箇所は一箇所(ピンポイント)
  • 炎症や腫れは少ない
  • 膝屈曲120度くらいで痛みが出る
  • 自律神経機能に問題はない(ストレス・睡眠・食欲など)

 

そうなってくると

 

痛みの箇所を見つける必要性が出てくるが、

 

情報から、
 

自動運動で筋肉を収縮させた時に痛みが出ている可能性が高いと思ったんだよね。
 

だから、下の4つの筋肉の過剰な収縮によって引き起こされているって思ったんだ。
 

・ハムストリングス
・腓腹筋
・ヒラメ筋
・膝窩筋

 

しかし、まだ絞る必要性があったんで、単独で筋肉の収縮と触診して圧を加えてみて、痛みがあるかの確認を行ったんだ。

 

すると次の2つに絞られたんだ
 

ハムストリングスと膝窩筋

 

そこで、この二つリリースを行い様子を見たんだけど、
 

結果は少し痛みが取れた程度だったんだよね。

 

何でだろう???

 

ベットに横になっている、彼の膝を眺めた瞬間にあることがわかったんだ。

 

それは、、、

膝の位置関係

左右の脛骨の高さが違っていたんだよね。

痛みのある方の脛骨の高さが反対側に比べて下がっていたんだ。

 

ってことはやはり、ハムストリングスの過剰収縮で脛骨が引き込まれているってことなんだよね。

 

じゃ〜この位置関係を変えれば大丈夫って思ったんだ。

 

そこで大腿骨を脛骨に対して下げルマニュピュレーションをしたんだよね。

 

すると

 

「パキッ」って音が鳴ったんだ。

 

彼は少し驚いた表情をしたんだけど、

 

膝の屈伸の痛みがなくなっただよね。

 

しかし、若干違和感があるということだから、膝伸展のモビライゼーションとハムストリングス・膝窩筋・腓腹筋(ハムと重なっているから)のリリースをしたんだ。

 

すると、痛みが全くなくなり、膝の屈伸もお尻がふくらはぎに着くまでになったんだよね。

 

最初にやったリリースは膝の位置関係が悪いので効果が薄くなっていたんだ。
 

膝の位置関係をよくすることで痛みを減弱化できるとともに、そのほかのアプローチ効果が大きくなるんだよね。

 

だから、関節の位置関係が悪い時はまずは、環境を整えることが症状を消失させるための近道。

 

もし、いろんなテクニックを使っても症状が変化しない時は、関節の位置関係を見てみることを勧めます。

P.S. 

 

北欧は一つっていうのはそりゃそうだろうって感じ。

アジアと北欧の面積が全然違うしね(笑)