手関節の痛みはモビで一発解決 | 日本オランダ徒手療法協会

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手関節の痛みはモビで一発解決

2020.11.03

from 杉山貴規 自宅デスク

 

人間はどんどん退化しているっていう話を聞くことがある。

 

それは、テクノロジーの発展により、生活がどんどん便利なり体を使わなくなってきているからということなんだ。

 

でも、人間は発展をとげ、脳の方がどんどん進化しているのではということを言っている専門家も多い。

 

どっちなのか?

 

脳の進化はありそうだが、それももうしばらくすればAIに取って代わってしまい、人間は考えることをやめ、脳の進化も無くなるのではないか???

 

ってことを最近なんか考えてしまう自分。

 

しょうもないと思ってしまっていますが、、、

 

実は人類の進化という点で、オーストラリアの研究チームが目に見える研究結果を出したんだ。

 

それが、『2100年までに大部分の人が正中動脈を持つようになる』

 

ていう研究結果なんだ。

 参照)正中動脈のスケッチ Credit: Prof. Dr. Hab. Maciej Henneberg, University of Zurich

 Newsweek日本版より

 

正中動脈なんてそんなの、珍しい話ではないのでは、、、

 

実はこの正中動脈

 

ヒトの初期発生で形成されるが、妊娠8週あたりで退歩し、橈骨動脈と尺骨動脈がこの役割を担うようになる動脈らしく、成人になればないはずの動脈なんだ。

 

それが、19世紀後半以降、成人になっても正中動脈を保持している人が明らかに増えていることがわかったらしい。

 

「へ〜〜〜」

 

じゃ〜今後この血管が保持されると人間の体はどうなるのか?

 

実はその点に関してもどう研究者がこんな推察を述べているんだ。

 

正中動脈が保持され続けることで、手首の内側で末梢神経が圧迫され、手指のしびれや痛み、親指の脱力が起こる「手根管症候群」のリスクが高まる可能性がある。その一方、研究論文の責任著者でアデレード大学のマチェイ・ヘンネベルグ教授は「正中動脈によって、血液の供給量が増える」との利点を指摘している。

 

う〜ん。

この小進化は良いのか悪いのか、どっちも言えないけど。

 

とにかく人間の体は徐々にだけど進化を遂げているんですよね。

 

その詳しい話はこちらを読んでください。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/10/3-222.php

 

さて、手首つながりで手首の痛みを簡単方法で解決した話をしたいと思います。

 

手首の疾患って色々ですよね。

 

ドケルバン腱鞘炎

キーンベック病

TFCC損傷

尺側手根伸筋腱炎・腱鞘炎

橈骨遠位端骨折

舟状骨骨折

手根靭帯損傷

変形性手関節症

 

知ってるだけでもこれぐらい

 

で今回紹介するのは???

 

自分でもどれに当たるかはわかりません(笑)

 

ただ症状は手首の痛み、特に背屈で痛みが出るということ。

 

この患者さんの訴えだけにフォーカスして改善を試みたんだ。

 

手首を曲げると痛い

 

 

「スギさん、ちょっと手首を見て欲しいんです。」

 

話を聞くとちょっと前に、バスケの練習中に手首を床に強く打ち付けたらしく、そこから痛みが出てきたらしい。

 

練習中はそんなに痛みはなかったらしいんだけど、

 

終わってから『ジーン』って感じだったらしい。

 

それから数日、

 

痛みは治まったんだけど、手を曲げたりすると軽い痛みが出てくるとのこと。

 

練習ではパスを出すときに手を返すときに痛みが出るってなことなんだ。

 

それから問診をして、以下のことがわかったんだ。

 

・痛みの箇所はピンポイント

・圧痛あり

・手首を底背屈で痛みあり(特に背屈方向→反ったときね)

・熱感は無し

・痛みは徐々に軽減

・練習は続けている

・自律神経系の問題は無し

 

もうこうなってくると、局所痛。

 

つまり、軟部組織のどこかが損傷しているって考えるのが普通。

 

でも、ここでも疑問が出てくる。

 

熱感がほとんどない。

 

つまり、組織損傷がない可能性があるんだよね。

 

あったとしても軽微ってこと。

 

ってことは以下の可能性は減ってくるんだよね。

 

それは、骨折・骨挫傷

 

そうなってくると、靭帯損傷、筋肉の損傷って可能性が高い。

 

で、他動運動や自動運動で動かしてみると

 

自動運動では痛みの症状がぶつかって痛いっていうこと

他動運動でも同じ

 

筋肉損傷の可能性は低い

 

靭帯損傷は?

 

可能性はあるけど、かなり軽微ってことなんだよね。

 

じゃ〜一体何が原因でこの痛みが出ているのか?

 

それは、骨がぶつかっていることが考えられるんだ。

 

それを確信したことがあるんだ。それは、その選手の一言。

 

骨の出っ張りが痛みを誘発

 

選手「なんかここがポコってなっているんですよ」

 

よくよく見てみると橈骨遠位端に近いところにポコってなっているんです。

 

でも、人によっては生まれつきの可能性もあるから左右で見比べたんだよね。

 

そうすると、痛めた方の手の方だけ明らかに出っ張りがあるんだよね。

 

それで、この症状を治すにはこの方法が一番だってわかったんだ。

 

それはモビライゼーション

 

手首が痛いっていうとどうしても、手首周りの筋肉や皮膚や靭帯なんかを治療しちゃいがちなんですよね。

 

でも、手首を構成する骨って実はとても複雑なんです。

 

 

これだけの骨で実は手首の関節は構成されている。

 

つまり、この視点から考える必要があったんだよね。

 

で今回、ポコって出ていた場所なんだけど舟状骨っていう骨なんだよね。

 

この骨って、実は怪我をしやすいところで、強い衝撃で地面に打ち付けたときに痛めやすいところなんだ。

 

ひどい場合は骨折っていう場合もある。

 

じゃ〜この場合は???

 

上記でも行ったけど、鋭い痛みはなく、熱感もない、しかも練習をしながらも痛みは軽減方向に向かっていたということで骨折ではないって確信しただよね。

 

じゃ〜あとは簡単このズレた舟状骨を戻せば、痛みはなくなるはず。

 

ではどうやるのか?

 

それはさっきも言ったモビライゼーションなんだよね。

 

舟状骨を押し込めばいいかっていうとそう簡単ではない。

 

見ての通り、手の構成するこの骨はこれだけある。

 

それが石垣のように並んでいる。

 

つまり、この石垣の一部が少しでもずれると、他の石は崩れてしまう。絶妙のバランスと力加減で構成されているんだ。

 

この手の場合も同様。

 

だから、舟状骨だけやるんじゃなくて、その他のモビライゼーションをやって、ちょっとずつずらしながらやって舟状骨がはまる隙間を作ってあげることで舟状骨が元のところにはまるんだよね。

 

この選手の場合もそうで、色々な骨を少しずつモビライゼーションするんだ。

すると、

 

『パキッ』て

 

音がなったんだよね。

 

手を見るとさっきまであったポコってやつがなくなっていたんだ。

 

それを見た選手が

 

「うわすごっ!」

 

そのあとに、手をいろんな方向に動かしてもらったら、痛みが全くなくなったんだよね。

 

めちゃくちゃ喜んでいましたよ。

 

このように、手首の怪我って色々な組織損傷の可能性があるから、それを問診レベルでもいいし、画像レベルでもいいので、何が原因で痛みを呈しているのかをしっかり見極めて治療手技を選んだほうがいいです。

 

今回の場合は『モビライゼーション』だけど、

 

他の組織の場合はモビライゼーションでは痛みの改善には至らないことだってあるんだ。

 

ま〜、とにかく手首って簡単なようで実は複雑な構成をしているので、少し勉強してから治療したほうがいいですよ。

 

PS

なんかこの話、知ってどうするのかというわけでもないんですが、この研究結果からもし自分が考えるのであれば、1900年代からこの傾向が強くなっているということは、手根管症候群が起こっている人はもしかしたら正中動脈を持っている可能性があるかもしれないってこと。

 

そんなことを考えてしまうんだよね。

 

そんな研究やっている人がいて、なんか面白い結果だったら教えて欲しいです。

是非とも!