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皆さんはどんなことを聞いていますか?
2018.12.20From 橘田 幸博
@駅のスタバより
1週間前に知り合いのライターの方と話している時に
今年話題になった「日本の記者の質問レベルが低い」という事例に関して
一度はプロに聞いてみたかったので失礼を承知に聞いてみたんだ。
みんなも記憶も新しいと思うけど、大坂なおみ選手の記者会見。
記者の質問がテニスとあまり関係なかったことに批判が集まっている。
例えば、
「食べたいと言っていた抹茶アイスクリームは食べたのですか?」
「なおみブームの現状をどう受け止めていますか?」
「日本語を学ぶ時はどのようにしていますか?」
一部だがこれが全米オープンで4大大会シングルスの日本人初優勝をした選手への質問かと思うと、確かにテニスと関係なさそうなものばかりで残念な感じがする。
率直に著名人やスポーツ選手を相手に取材をしているライターさんに聞いて見たんです。
橘田「こんな批判がありますけど、どう思いますか?」
ライターさん「これは難しい事例だよね、先生はどう思う?」
橘田「そうですね、記者のレベルに関してはわからないけどネットに書いて通り、
もっとテニスの質問を多めに聞いて欲しいと思いますね」
ライターさん「そう思うよね。確かにそうなんだけど、本当にどんなことを一般の方
記者知りたいかっていうとテニスのことじゃないかもしれないよ」
橘田「ん?どういうことですか?」
ライターさん「記者が質問して、選手が答えたことってそのまま雑誌や新聞になって
一般の方が読むのだけど、記者会見はその記事の素材を集めていて
それで完成された雑誌や新聞で読む時に記事は実は競技のことよりもその方の人間性とか
スキャンダル的なことの方が人気あるんだよね。
もちろんビジネスだから雑誌や新聞の売り上げのための記事だから必然的にそんな質問が多くなるのはしょうがないよね。
だから簡単に記者のレベルが下がったとは言い切れない。
とても納得できる説明で、この方のファンになった。
治療現場でもわかりやすく納得できる説明ができたらいいですよね?
なぜなら問診をして評価をした後にどんな原因が痛みの原因なのかを
患者さんに説明するときにわかりすく伝えると、
・指導したトレーニングや運動をやってくれる。
・コミニュケーションが取れるので、信頼に繋がる
・次回来院する理由が明確になる。
など治療がスムーズに進みやすくなる。
うちの整骨院に来院される患者さんはどこの病院に行っても
自分の症状の原因の説明が曖昧で不安だった患者さんが多いなって
肌感覚ですが感じています。
日本を代表するアスレチックトレーナー岩﨑由純がアメリカのスポーツ現場で
学んだ「勇気を与える感動のスピーチ」を、自分、家族、仲間に
伝えるコミュニケーションスキルとして確立されていますが、
これもスポーツ現場で様々なプライドも持った選手たちに現在の体の状態や休まなければいけな
い理由とか
トレーニング効果の出しやすい心のあり方などのわかりやすい伝え方を工夫した結果、
こんな素晴らしいメソッドがありますよね。
よくある失敗談
そういえば、この前来院された走るとアキレス腱が痛む女性の患者さん。
走ることが好きで、痛いのに週に5回ぐらい仕事が終わった後に、10キロ走る
方でした。
明らかにアキレス腱に対するオーバーユースでトレーニング量を落としてあげれば
治るので、こんなアドバイスをした。
橘田「あなたの症状の原因はオーバーユースなので、走ることを一旦中止してください」
患者さん「えっ?走らないと体力が落ちちゃうので厳しいです」
橘田「治るために必要なことですよ」
患者さん「でも・・」
橘田「お願いします」
結局、走ることはやめてはくれず、治らずに転院してしまった。
振り返ると、
・このまま痛みが続くことのリスク
・実際どれくらい休む必要があるのかの予測説明
・医療用語が多く説明がわかりにくかった
・重要なことが相手に伝わっていなかった
これらをまとめると、
痛みととるために必要なことと患者さんが知りたいことのどちらも
全然伝わっていないことがよくわかる。
もっとも大切なこと!!
その後は反省をし、以下のことを説明のなかにするようにした。
・治る日の予測
・走ること続けることで2次的なリスク
・オーバーユースのメカニズム
これを含めることで、患者さんに少しは理解してもらえるようになったが、
まだ足りない。
今度は以下の項目を追加した。
・ゆっくりはっきりと話し方
・重要な情報を何回も繰り返し伝える
・相手の立場になって話す
これらを気をつけると患者さんの理解度がグンッと上がった。
確かにこのようなことってスキルだから、
繰り返し練習が必要で、簡単には身につかないし、
医療スキルとは違うので見逃しがちですよね。
でも、このようなことができることによって、
施術するときにリラックスしてくれてテクニックができやすいですし、
治るプロセスを阻害している要因になる過負荷の調整がうまくでき、
痛みの消失が早くなるならやるべきではないでしょうか。
治療外スキルを意識してみましょう。
P.S
地元で有名なライターさん、いつも色んなお話が聴けますよ。