blog
浮腫のアプローチどうしていますか?
2017.09.02こんにちは。 オランダ徒手療法協会の杉山です。
職場までの通勤や職業上立っていることが多く、夕方になると膝から下がすごくだるくなり、足がパンパンになっていることが多くなってきます。
昔はこのようなことはなかったのですが、年をとるとこうなるものなのでしょうか?
いわゆる浮腫というやつです。
そう今回は、『浮腫』についてお話ししたいと思います。
臨床の場面でよく出くわすのが浮腫ですが、大きく分類すると浮腫の種類は2つあります。
① 全身性の浮腫・・・心臓、腎臓、肝臓などの内科的な病気が関係
② 局所性の浮腫・・・静脈・リンパ管の閉塞や炎症が関係
足の浮腫みのように局所的な症状の場合は、足の静脈の血流が滞って引き起こされています。
浮腫みは、血流の阻害や間質液の循環不全により、浮腫んでいる患部の白血球数の低下により免疫力が落ち蜂窩織炎になったり、感覚鈍磨になって寝たきりの方は褥瘡になったり、寝たきりでない一般の人なら重だるいことや動きにくい、痺れや異常感覚に苛まれることがあります。
そのため、リハビリテーションを担当する療法士にとっては、浮腫の早期改善はとても重要です。
悩みが多い浮腫
浮腫は、なかなか症状が軽減しませんよね。
自分も病院で働いていた時はよく悩まされてきました。
臨床場面でやるのが、
① リンパドレナージュ
② リラクゼーション
③ 運動療法(下腿の場合:カーフレイズなど)
④ 弾性包帯を巻く
⑤ 心臓よりも高い位置に置く
こんなことを実践してきました。
ほとんどが、院内の先輩、理学療法のハンドブックや勉強会で教わってものです。
しかし、一時的にはよくなるものの、次の日にはすぐに戻っていたり、弾性包帯なんか皮膚の弱い方は赤くなったり荒れたりと処方までにいくつかの壁があったりと大変な思いで治療することがあると思います。
では、今はどう治療にあたっているのかというと、神経生理学を用いて「脊柱」への治療介入を多く行っています!
神経生理学のススメ
浮腫みはなぜ起こるのかそのメカニズは多々ありますが、今回は<局所の浮腫>に関して言及していきたいと思います。
体内循環は以下のようなメカニズムで行われており、
栄養・酸素と排泄物と二酸化炭素などを動脈、静脈、リンパに乗せて循環させているのです。
例えば、よくある下腿の浮腫みに関してですが、浮腫んでいるということは、局所の循環が悪くなっていることを示唆しますよね。
局所の循環が悪くなっているということは、その周囲の軟部組織(筋肉、皮膚、筋膜など)の滑走性が低下していることになります。
すると、浮腫んで循環が悪くなっている領域を支配している脊柱レベルの脊柱起立筋にはスパズムが起きるのです。
その結果、浮腫んでいる領域の血管を支配している、自律神経の動きが悪くなります。
つまり、蛇口が閉じているので、いくら下腿のアプローチしてもその時は結果は出るのですが、翌日元に戻ってしまうのです。
自律神経系へのアプローチ
効果的な療法としては、上記にあげた浮腫に対する基本的な療法と、自律神経系のアプローチを併用すると効果的になってきます。
例えば脊柱マニュピレーションは脊柱間を離開させるので、神経、栄養血管の絞扼がなくなり、幹部の循環が良くなります。
では、マニュピレーションができないのであればどうすればいいのか?
自分はまだできなかった頃は、脊柱の筋緊張を緩め、血管と神経の通り道を作り、好循環を作り出すために以下のことを実施していました。
① リラクゼーション
② 反復性収縮
③ 脊柱のモビライゼーション
④ 腰背部に対する温熱療法
マニュピレーションのよりも効果は劣りますが。。。
このように、浮腫に関して様々な療法はありますが、神経生理学を考えて行うことは、日本の医療ではまだまだ浸透していないのが実情です。
私達は、脊椎動物です。
内臓器系、筋肉系は脳からの指令を末梢神経を介して動いているんですから(一部そうでないものもあります)神経生理学の考えは重要になってきます。
多角的な視点のススメ
オランダ徒手療法ではこの考えを筆頭に、多様な考え、療法をミックスさせ、最高の結果を導くために日夜思考錯誤してます。
1つの治療法が全てではないのです。
我々の目標はクライアントが良くなることですよね?
そのためには、一つの流派に縛られず、多様性を持ち合わせることが重要です。
多角的なものの見方を身につけて、一緒に最高の結果を導き出しましょう!!