時短でも効果最大!頚の治療術 | 日本オランダ徒手療法協会

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時短でも効果最大!頚の治療術

2019.08.17

from 黒田雄太  職場デスクより

 

最近は、職場のデスクでメルマガを書くことも多くなってきました。

 

ほとんどは自宅で書くんですけどね。

 

意外と職場の方がスラスラかけることがあるんです。

 

何故か?それは時間が無いから!

 

一見矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、時間に制約があるからこそ頭がフルに働きスピーディーに書ける!こんなことも多いです。

 

まぁ、自分にプレッシャーをかけて追い込むのと一緒です!

 

昔の某ボクサーのビッグマウスと同じです(笑)

 

時間がたくさんあれば良いことが出来るか?と言われればそうではないなぁと思うことがしばしば。

 

振り返ってみると、今日何も予定ないから読書しよー!と思っていても…

 

何だかダラけてしまって結局読書せず(苦笑)。仮に読書しても全然頭に入っていない(汗)

 

逆に時間はなくとも通勤中のバスの中10分程で集中的に読書する方が頭にはスラスラ入ってきます。

 

そう考えると、「時間」と「質」は比例関係ではないようです。

 

臨床におきかえてみると、「時間」がないことの方が多いですよね?

 

外来のクリニックでは1人20分程度、整骨院ではさらに少ない10〜15分程度じゃないでしょうか?

 

時間があればもっといい治療が出来るのになぁ…と思ってしまうのも仕方ありません。

 

ただ、その制約の中でも最大の治療効果を出せる方法があるとしたら知りたくありませんか?

 

今回はそんな話をしてみようと思います。

 

首や頭が重たい…

 

度々出てくる僕の妻の話です(笑)。

 

そんなに頻度は多くないですが、定期的に身体のメンテナンスをしてあげます!

 

今回のリクエストは「首や頭が重たい」

 

・部位は側頭部や後頭部

・側頭部は全体的に重たい感じ

・後頭部は比較的狭い範囲で圧痛あり

・特に頚部の動きで痛みはなし

 

などの状態でした。

 

ここで、僕が考えたのは「上位頚椎」の問題。

 

上位頚椎は後頭骨-C1-C2あたりの事を指します。

 

ここに問題があると、目にチカチカや頭痛、頭の重たさ、頚椎の回旋可動域に影響があります。

 

妻の姿勢はやや猫背で頭部前方位。このような姿勢は上位頚椎が伸展位となって常に圧がかかっています。

 

なので、治療の方針はいかに上位頚椎の屈曲可動域を出していくかになるんです!

 

ちょっと頚椎は苦手な治療家も多いと思うので簡単に説明しますが、上位頚椎が屈曲しているというのは顎を手前に引くような動きを指します。二重アゴを作るような感じですね。

 

この方針に基づいて実際にやった治療は

 

・上位頚椎のマニュプレーション

・後頭下筋群のリリース

・上位頚椎周囲の血液循環療法(痛みギリギリの刺激で圧迫します!ちょー痛いです!!)

・頭皮のマッサージ(これはDMTテクニックではありませんが(笑))

 

などをやりました!

 

結果は、

 

妻「あー頭スッキリしたぁ!ありがとう!」

 

これが良好な夫婦関係を築く秘訣です(笑)

 

ただ、僕はあることに気づいたんです。

 

以前にも同じような症状で治療したことがあったんですが、その時は治療効果がイマイチだったんです。

 

その時も実は同じような治療をしたんですね。そして、治療にかけた時間も5〜10分程度でほぼ同じ。

 

でも、こんなにも治療効果が違う…。

 

同じ治療、同じ時間でも「ある事」を変えると効果が最大になったんです。

 

僕は一体何をどのように変えたのでしょうか?

 

料理のレシピは何のためにある?

 

料理の本に書いてあるレシピ。どんなことが書いてありますか?

 

・材料

・調味料の量

・材料の切り方

・加熱具合や時間

 

こんなことが書いてありますが、これだけ書いていても美味しい料理は作れませんよね?

 

一番大事なのは、どの材料や調味料をどのタイミングで入れるか?

 

つまり「どの順番」で入れるかがとても大事です!

 

これは治療の場面でも同じだと思います。

 

以前治療した時にはマニュプレーションからやったんです。その後に血液循環療法やリリースを行いました。

 

上位頚椎の屈曲可動域を出したかったので、それを実現するにはマニュプレーションがとても効果的です。

 

なので、その効果てきめんのマニュプレーションからどうしてもしたかった。ただ、効果はイマイチだったんです。

 

マニュプレーションをやるにはいくつかの条件が必要なんですけど、ある程度の関節の遊びが必要なんです。

 

ですが、実際には後頭下筋群をはじめとする頚椎周囲の筋肉が硬くなり、関節の遊びが少なかったんですね。なので、マニュプレーションの効果が半減してしまったんです。

 

逆に今回は、

 

①血液循環療法

②リリース

③マニュプレーション

 

の順番でやってみたんです。

 

まず血液循環療法によって、硬くなった筋肉が痛みの反射で緩みます。これによって関節の遊びが少し出ました。

 

ですが、まだ筋肉の滑走は良くなっていません。なので、次にリリースを行い筋肉がしっかりと滑走するようにしたんです。

 

ここまでくれば、しっかりと緩みかつ滑走する状態なのでマニュプレーションを行うのに十分な関節の遊びが出来ました。

 

そして、最後にマニュプレーション!

 

これが、同じ治療内容、同じ時間で効果を最大限に出すことが出来た秘訣なんです。

 

、、、

 

我々治療家は料理のシェフと同じなのかもしれません。

 

材料や調味料、調理器具などは私たちの理論やテクニックに例えることが出来ますよね。

 

それを磨くことは当然です。ですが、これらを磨くだけでは良い治療は出来ないと思います。

 

料理のシェフのようにどのタイミングでどの理論やテクニックを使うのか…。

 

この部分が我々治療家に求められる本当の技能なのかもしれませんね。

 

【グッバイ!腰痛!】そんな日がいつか来ますように

 

P.S

治療の翌朝、頭がスッキリしただけでなく、肌のツヤも良くなったらしいです。もしかしたらリリースによってリンパの流れが良くなったからかもしれません!

 

P.P.S

隙間時間の読書や動画による学習は効果大ですよ!是非お試しあれ!


この記事を書いた人

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黒田雄太

長崎県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。基礎コース・福岡校アシスタント担当。Nagasaki Orthopaedic & Sports Physical Therapy(NOSPT) 役員。総合病院、整形外科クリニック、デイケア、特別養護老人ホームを経験。 自身の“辛い腰痛”の経験から、「世の中の腰痛で苦しむ方を助けたい」という使命を持つ。 一時的に自覚症状を解消するだけの対処療法ではなく、腰痛の患者様を「施術」から「トレーニング」までトータルにサポートすることを信条としている。一児の父。