blog
怪我でアイシングはするな!
2021.02.19from 杉山 貴規 広尾オフィス
先週、皆さんはチョコレートをもらったり、あげたりしましたか?
そう先週はバレンタインデーだったんですが、
今更こんな話題って感じなんですけどね。
自分は男性なんで、もらう方なんですけど。
実は、今回は0個
人生で初の記録??
ま〜、もうこの歳になると、バレンタインデーにチョコをもらうなんてことはなくなるんですよね。
それに対して、どう思ったのか?
別に何にも感じなかったのが本当なんです。
何年か前は、病院、老健や訪問で働いていたんで、
2月14日になると自分の机の上にチロルチョコが置いてあったり、女性の患者さんからもらったりしていたんですが、
今となっては、フリーで働いている関係と男性のスポーツ選手を主に診させていただいている関係で、全くなくなったんですよね。
だから、この2月14日が近づくと何かそわそわするなんていったこともないんです。
でも、やはりバレンタインデーのチョコは美味しいものが多いじゃないですか。
だから、やっぱり欲しいというよりも食べたい気持ちが強いんです。
で、ここ数年やっているのが、2月15日にチョコを自分で買いに行ってます!
いや〜マジでうまいし、売れ残りが多数あるんで、値引きして売っているんでお得なんですよね。
だから、実は先週も買いに行ったんです。
さて、そんなバレンタインデーの風習にもう惑わされていない自分なんですが、
このような恒例行事に振り回せなくなったのも、自分の習慣や考えが変わったからなんですよね。
実は、ここ数年自分はRICE処置というものを、現場でも、患者さんや選手にも、誰にも推奨してこなかったんですよね。
それは、アイシングは意味がないと思っているからなんです。
意味がないというのは、怪我を治らないということです。
急性期で痛みの緩和というところでは使用しますが、それ以外は使用しません。
なぜなら、4〜5年前にある文献を読んでからなんです。
で、その話はだいぶ前にブログでも書いたし、前回のブログでも少し書いているんです。
今回はそのアイシングの最新情報を詳しく伝えたいと思います。
アイシングは意味がない!
自分はあるJ2クラブのユースチームを見ているんです。
その影響もあって、色々なスポーツのジュニア・ユースの選手から質問を受けることがあるんです。
それは様々なんですが、
やっぱり多いのが怪我についての話。
・ケアの方法
・痛みを取る方法
・疲れを取る方法
・ストレッチの仕方
・怪我している間のトレーニング方法
などなど
で、色々説明したり、こんな方法があるよとかするじゃないですか。
その最後に必ず、聞いてくることがあるんです。
それは
『アイシングっていつまですればいいですか?』
これ、本当に多いんです。
必ず、末尾にこの質問ていうか?なんか確認みたいな感じで聞いてくるんですよね。
だから、『アイシングはやらなくていいよ!』って自分は言うんです。
すると、向こうはぽかんとした感じになって、
「なんで?なんで?」
って言う形になるんですよね。
だから、そこからの話が長くなるんです。
なんで不必要なのか?って言うことを説明しないといけないんです。
それは、短いと数年、高校生になれば16〜18年間も刷り込まれた
怪我=アイシング(RICE処置)
だからなんです。
本当、ここからの説明はしっかりしてあげることが重要なんです。
じゃ〜アイシングが重要ではないのであれば何を教えるのか?
それが、PEACE&LOVEという方法です。
この方法実は2019年に発表された最新の怪我をした時の応急処置になっているんです。
ここで断っておくのが、先にも言いましたが、アイシングは急性の疼痛緩和には役に立つということを念頭に聞いてくださいね。
アイシングを全否定
実はあるブログでこんなことを書いていたんです。
『アイスは冷蔵庫に入れておくべき、怪我でアイスは必要はない』
超〜衝撃的な言葉ですよね。
自分もブログを書いていますが、ここまで言えません。
じゃ〜なんで、こんな強気なことが言えるのか?
それはある研究者の行動だったんです。
『Gabe Mirkin博士が研究の変化を認め、エビデンスに基づいた科学者なら誰もがそうするように、当初のプロトコルから氷の使用を撤回した。』
実はこの博士こそ、RICEの提唱者なんです。
その博士が、様々な論文や研究から、2014年に訂正をしたんです。
このRICEが提唱されたのは1978年の話なんです。
俺が生まれる前の話だから、
もう40数年前の話なんです。
で、訂正されたのが今から7年前の話。
それでも日本ではず〜〜〜〜っと、使われ続けているんです。
今でも。。。
これは、様々スポーツ協会でも使われいます。
じゃ〜なんでアイシングはダメなのか?
簡単にいうと『アイシングをすることで治癒速度を遅らせる』ということなんです。
なんでか?
このGabe Mirkin博士の考察だと
炎症プロセスの必要な利点です。
私たちが自分自身を傷つけると、私たちの体は炎症を起こす細胞(マクロファージ)に信号を送り、その細胞がインスリン様成長因子(IGF-1)というホルモンを放出します。
これらの細胞は、損傷を受けた組織を殺して治癒を開始します。氷が適用されると、我々 は実際に IGF-1 の体の自然なリリースを防止し、したがって治癒プロセスの開始を遅らせている可能性があります。
ということなんだよね。
だから、アイシングはやめたほうがいいというんだ。
じゃ〜今後何をすればいいのか?
それが先ほども話した。
PEACE&LOVE処置?法?なんだよね。
怪我した時の最新処置方法
実は、2019年にこの方法からアイシングの頭文字『I』が消えるんだ。
で何をするかなんだけど。
PEACE & LOVE (Protection, Elevation, Avoid Anti-Inflammatory Drugs, Compression, Education & Load, Optimism, Vascularisation and Exercise)
訳すと
PEACE→保護、挙上、抗炎症薬を避ける、圧迫、教育
LOVE→負荷、楽観思考、血流を増やす、運動
なんだよね。
これってすごいことなんだよね。
何がすごいか?
無理やり治すという観点がなくなっているんだ。
今までなら、治すぞ!っていう感じじゃないですか?
これはあくまでも、人間の自然治癒に任せることなんだよね。
でも、ただたんに任せるのではなく、
それには、怪我した人を診る側の怪我に対する生理学的な知識が必要だよってことなんだよね。
だから、この方法には”教育“っていう言葉が入っているんだよね。
そして、負荷のコントロール、血流を増やすことや心理社会的要因に関しても書いてあるわけ。
これは、今まで自分たちがこのブログで書いて、訴えてきた内容そのものなんだよね。
それが、アイシングの処置に詳しく書いてあるんだ。
ってちょっと興奮しちゃいましたが、、、
なので、今後の怪我の応急処置ではこのPACE&LOVEを使って処置をしていただくことを勧めます。
PS
今回も、自分でチョコを3〜4個買って食べちゃいました〜
やっぱり、バレンタインチョコはいつものチョコとひと味もふた味も違いますね〜笑