Warning: call_user_func_array() expects parameter 1 to be a valid callback, class '' not found in /home/jadmt/jadmt.or.jp/public_html/wp-includes/class-wp-hook.php on line 324
【徒手コース】理学療法士/米山先生 | 日本オランダ徒手療法協会

activity_report

【徒手コース】理学療法士/米山先生

2019.05.07

昔の自分のようだった、、、

今回の協力者何ですが、

 現在、臨床経験2年目の理学療法士。主に整形外科疾患の患者様を担当し、様々な勉強会に参加したことを、日々の臨床現場に活用し勉強熱心な人物である。

 協力者に臨床2年目で困っていることはなにか聞いてみたところ、「仮説を立てそれに対して治療を実施するが、即時効果がでないと不安になり、その仮説が合っているのか不安になる。また、仮説を複数立てられず、困っている。また、テクニックもこれでいいのか疑問を持ちながら治療を実施している。」との発言があった。

 同じような経験をしているときに知った、オランダ徒手療法で学んだことを振り返り、以下に報告する。

 真似てばっかりの自分

 

 オランダ徒手療法に通う前は、様々な勉強会に参加し理論やテクニックを学んでいた。しかし、それをどのように治療に活用していくかわからず、治療結果が出ない事も多くあった。それは、その先生の思考やテクニックを真似していただけであったため、治療への活用方法がわからず、自分らしい仮説や一つ一つの治療に対してのこだわりが無いため、治療結果が出ていないと考えられる。

 オリジナルの思考と技術がこの手に

 

オランダ徒手療法コースを学び、柔軟な考え方と結果に対するこだわりを得た。それは、ゴール設定を細く行い仮説を立てることで、しっかり結果が出ているかどうか判断出来る。また、治療に対して結果が出なかった時は、ゴール設定がブレないため、柔軟的に次の仮説に移ることが出来るようになった。

 治療結果をより高めるためには、姿勢や方法、負荷設定、回数、トレーニングの順番、患者のモチベーションなどを考え、こだわりを持てるかどうかで、結果が変わってくる。

 オランダ徒手を活用した症例報告

 今回の協力者は、1年半前から腰痛を抱えている。運動習慣は無く、仕事は理学療法士であり、立ち座りや立位時間が長い職業である。 

 症状としては、朝は腰痛の出現はないが、夕方になると腰痛が出現。特に立位姿勢で、5時間ほど仕事をするとズーンとした疼痛がある。疼痛部位は腰椎3/4間にあり。左の腰椎3/4の多裂筋の機能不全、左脊柱起立筋の筋緊張亢進している。NRSは4/10であり、炎症症状なし。多裂筋の機能不全があるため腰椎が不安定な状態であり、脊柱起立筋で代償し、筋膜性の鈍痛が生じている。

 ゴール設定は、立位時の腰椎の耐久性向上。仕事は8時間労働のため8時間腰が耐えられる状態ではないといけない。 

 対処療法は、脊柱起立筋のリラクゼーション、腰椎のマニピュレーション、多裂筋の再教育を施行。四つ這いでの体幹トレーニングは筋持久力を目的に20回3セット設定したが、途中で代償動作が生じたため、代償が生じない回数でトレーニングを中止した。その結果、NRS 0/10まで低下した。これでは、疼痛閾値が上昇しただけであり、仕事中の腰痛改善には繋ながらない。 

 現段階では、四つ這いの状態でも多裂筋がうまく機能せず、脊柱起立筋が代償しているため、側臥位の状態でトレーニングを実施している状態である。疼痛は消失したが、立位時に多裂筋が機能していないため、腰椎が不安定の状態である。そのため、トレーニングを継続しないと腰痛の再発が考えられる。

 今後は、立位や仕事で起こり得る姿勢で多裂筋の再教育をして行く必要がある。トレーニングを継続していくためには、患者教育が大切であるため、こまめにコミュニケーションを図っていき、運動負荷の設定を行っていく。

協力者の感想

 <治療を受けた感想>

 治療前後を比べると即時的に体幹伸展動作時の疼痛は消失した。次の日の勤務時の夕方には疼痛は無いが、違和感が残る状態が続いている。今後は運動療法を習慣的に行い、腰痛改善を図りたい。

 <客観的にオランダ徒手療法を見てどう思いますか>

 マニピュレーション受けるときには恐怖心が強くあり、緊張が抜けない状態である。しかし、治療後は疼痛軽減、筋緊張が低下し、体が動かしやすくなるのが実感できる。また、テクニックの即時効果がわかりやすい。

まとめ

 ゴール設定を細かいところまで設定を行うことで、それに対しての、問診や動作分析、再評価を実施することができるようになった。これにより、今まで治療結果が出なかった治療に対しても、見直して、柔軟的に考えられるようになった。この考え方を軸にして、術後早期からゴールまでの治療プランを明確に立てられるようになった。また、トレーナー活動でも、選手のパフォーマンスアップや復帰時期を、選手やチームスタッフと話し合えるように変化が生じている。

ブログ執筆者のプロフィール

 2012年〜医療法人財団 明理会 東戸塚記念病院に勤務。病床数292床の急性期病院。2016年の整形外科の手術件数、股関節大腿近位骨折が全国1位、下腿足関節周囲骨折が全国1位、前腕の骨折が全国2位、膝関節周辺骨折が全国3位である。2018年よりHUC増設。

<トレーナー活動>

 2016年〜横浜市立東高校サッカー部メディカルトレーナーとして帯同。

> スクールに興味が出てきた先生はここをクリック