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【徒手】理学療法士/境田先生 | 日本オランダ徒手療法協会

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【徒手】理学療法士/境田先生

2019.09.20

徒手コースを通して自分が成⻑したこと

プロフィール

理学療法士3年目。2次救急の市中総合病院勤務。(約100床)

 

担当する疾患はスポーツ整形(主に下肢、ACL再建術、半月板損傷)、一般整形外科の術後(下肢の人工関節関節、頸部骨折などのいわゆる高齢者疾患)外来での保存症例(肩周囲炎、腰痛、膝OA、頚椎症)や総合病院なので内部疾患全般(呼吸、循環器)を見ることがあります。

 

さて、私が徒手療法コースでこの約1年間学んできたことを書いてみようと思います。

.「ケア、治療からトレーニングへつなぐ」

基礎、準徒手療法コースまではどちらかというと治療をメインに学んできました。

 

剖、生理学はをベースとして

  • 組織の同定
  • ストレッチ
  • 関節モビライゼーショ
  • リリースなどの徒手的手技
  • 神経生理学を駆使した仮説検証

もちろん、治療を行う上でこれらは非常に大切です。

 

ですが、ゴールは「日常生活への復帰」であり、「スポーツ現場への復帰」です。そこまでの運動療法の構築が必要となります。

 

これまでもいろいろな本、セミナーや、講習会で運動療法について自分なりに学んできました。なにか新しい「考え方」や「目新しい道具」がでるとそれに目が奪われがちだったのですが、それらが本当にその患者にとっての「ゴール」だったのか曖昧でした。

 

「目的は何だったのか。」今考えると無理やり枠組みを当てはめていたように感じました。

 

「患者が苦手そうだからやってみよう」「患者に実際にやってもらってみて、できてないからできるようにしよう」など理由が理由になっていなかったのです。

 

当時は自分なりにベストな方法を考えていたつもりですが、「できないことをできるようにしたらパフォーマンスがあがるはずだ!」とあまりに雑なプログラムの組み方だったと反省します。

 

だからといって、その外で学んで来たことが無駄になったというわけではなく、自分でゴールを意識した上で、「この段階でこの運動療法・エクササイズは使えるな」など自分の中で道筋が建てられるようになったという言い方をしたほうがしっくりきます。

 

そこで分析の仕方が鍵となります。

 

ある選手のパフォーマンスを分析していったとき、パフォーマンスの要素はバイオメカニクス的なものだけではありません。

 

いわゆるスタミナと言われる生理学的な視点であったり、神経学的な反応スピードの話であったり、バイオメカニクス以外にも要素はたくさんあります。バイオメカニクスをどうにか改善しようとしてもそれは本当に可能なのか?

可能でなさそうであれば、他にどこか改善できそうな点はないか?

 

徒手療法コースではそれらを各ジャンル(世界のトップ、日本のトップ、国内外のリーグ、高校生、大学生)の選手と比較して分析し、そしてまた自分のクライアントとの比較をし、改善が見込める部分があるか検討する手法を学びます。

 

そうして分析をしていった点から今までいろいろなところで学んできたエクササイズが使える部分もあるし、また分析を行っていく過程でじぶんでエクササイズをそのゴールに向けてアレンジすることも学びます。

 

ここでお話したことはある意味当たり前のことのように聞こえることかもしれません。

 

すが、自分にはその当たり前のことができていなかったように感じ、新しく学ぶいい機会となりました。私は今回のこの 1年間を通して、「治療」から「ゴール復帰まで」をよく見直すことができました。

2.ティーチングとコーチング

私が徒手コースで勉強する前に臨床で欠けていたのは「患者さん自身がどう主体的に動くべきなのか」という視点でした。

 

私はどんな患者さんを担当するときでもゴールに向けて自分なりに治療のプログラムを考え、立案し、患者さんに実施してもらっていましたが、患者本人の主体性にかけていました。「患者本人が何を目指して」「何をしなければいけないのか?」という本人の主体性を引き出すのが弱かったのです。

 

そして「こういう方向性で向かっているんだ」という方向性の要所を主に伝えるようにしたのです。患者さんの発言が「次何なんですか?」から「これでいいですか?」に変わってきました。

 

もちろんうまくいくことだけではありませんでした。

主体性を引き出そうと意識するあまり、あまり私の方から声掛けをしないで逆に患者が何をしたらいいかよくわからないまま混乱を招いたこともありました。

 

当然ではありますが何もわかってない人に対して「何をしたらいいと思う?」といってもわからないので、はじめは伝えることも大切でした。

 

この視点が加わってからはやることの一つ一つを丁寧に説明することが、自分のやるべきことかと考えていましたが、実はそれ以上に患者本人が自分のやるべきことを理解し、芯を外さなければ多少の幅をもたせても良いと考えるようになり「引き出す」ということに意識を置くようにしました。

3.頚椎の治療

治療では主に頚椎を学びます。

 

ふだん臨床で、頚椎そのものや肩、時に下肢を治療を行うのに必要となるのが「頚椎」です。

 

学生の時から臨床にでてからも頚椎の治療について解剖学的なものを勉強することはありますが、実際に触れて治療する場面までを行う講習会というのはあまりないのではないでしょうか。

 

頚椎はその骨形態や、周りの筋、神経の走行から複雑、つまり徒手的に操作する危険性のたかい部位です。これは基礎、準徒手でも言えることですが、やはりDMTでは「手の感覚」を重視していることもあって実技の練習に重きを置きます。

 

自分たちでも平日などに集まって練習することもありました。これはDMTの特徴と言ってもいいでしょう。

 

臨床では頚椎そのものの主訴はもちろんですが、上肢にでてくる疼痛やしびれなどの症状に対応に自信がつきました。

 

末梢である四肢や腰椎、胸椎レベルのことを学んできて、それらの関連性が神経生理学的にも運動連鎖的にも明らかになってきたと実感しています。