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「高齢者の筋トレ神話!?」(謎の10回ルール) | 日本オランダ徒手療法協会

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「高齢者の筋トレ神話!?」(謎の10回ルール)

2018.08.30

From:長島 将太

@羽田空港のラウンジより

 

「おはようございます!〇〇大学から来ました実習生の〇〇です!」

「よろしくお願いします!!」

 

朝から威勢のいい挨拶。

実習用に整えた髪型。

懐かしいのケーシー姿。

 

自分の学生時代を思い出す。

本当に真面目で、とても優秀だったことを。。。(笑)

 

今は「クリニカルクラークシップ制度」という実習スタイルに変遷してきているらしくレポートが無い実習が当たり前の時代。

 

正直驚きましたね。マジか?この制度って笑)

勿論ちゃんと目的は分かっていますが、、、、

 

でも、自分の学生時代からは考えられない環境

 

なんたって昔は大量のレポート作成は当たり前。

徹夜しながらレポート作りに追われる日々。

 

あの頃は、それが「いわゆる実習」だったんですよね。

 

通勤中の車内で、筋力低下もしていないのに「膝折れ」を何度も経験したぐらい

(これ、盛ってないですからね!!)

 

今では良き思い出ですよね。

そんな学生時代の頃にずっと感じていた疑問があります。

 

それは、「謎の筋トレ10回ルール」

 

# 筋トレは10回やればいい?

実習先セラピストA

「〇〇さん、右膝を伸ばす運動しましょうねー」

 

「はい。1、2、3、、、10」

 

「次、左足ー」

「はい。じゃあ、次はお尻上げ10回しましょうねー」

 

この謎の10回ルール。

正直、これは自分の実習先だけかもしれないと思っていました。

というか、そうであって欲しかった。。。

 

だけども、どうも違った(笑)

 

10年後の今も、このルールはしっかりと引き継がれているみたい

当院に入職した新人までも。。。(泣)

 

新人セラピストB

「〇〇さん、お尻上げ10回しますよー」

 

# 教えて下さい。それは、何目的でしょうか??

現代の新人セラピストにもしっかり継承されている10回ルール。

どんな目的があるのでしょうか?

 

恐らく筋力強化だと思いますが、、、、

でも、本当にその負荷だけで筋力強化が出来ていますかね???

 

百歩譲って、いや千歩譲って筋強化だとしても。

1週間同じ負荷設定。同じエクササイズ。セット数も変えない。

 

(別にボディビルダーを目指していないのはしってますよ。)

 

どうしても、その真相を知りたくて何人かの新人セラピストに聞いてみたんですね。

 

長島「今、何をしてるの?」

 

新人セラピスト「筋強化です!!」

 

長島「何回ぐらい?」

 

新人セラピスト「10回です!!」

 

長島「なんで10回なの?」(決して意地悪に質問している訳ではないですよ。。。)

 

新人セラピスト

「えっと。。。何でですかね(汗)??」

 

このように私達の臨床現場には、勉強で学んだ事は棚の上にしまい。現場の当たり前に流され、少し考えれば疑問だらけの事を普通にやっていることがあります。

 

今回の問題は「10回ルール」が問題というより

このルールを1週間、1ヶ月、半年と続けていることが問題なんですよね。

 

なぜなら、

この方法は目的(筋強化)に沿ったトレーニングになっていないからなんです。

 

きっとこの根底には高齢の方には

「一般的なトレーニングはキツ過ぎるからね」などの理由があると思います。

ですが、人の身体は負荷をかけた分、「反応」として返ってきます。時には「痛み」だったり、時には「強く」なったり。時には「何の反応も無かったり・・・」

 

もし、10回ルールから脱却して、意味のあるトレーニングをしたいと思うのであれば、今から紹介する考え方をもって実践してみては如何でしょうか?

 

# 量×強度=負荷量 という考え方

まず「量」を増やしてみること。10回だけでなく、10回を2〜3セットぐらい。

 

「それって何を基準にすれば良いの?」と声が聞こえてきそうなのですが、、、

もう答えは先に出してましたよね?

 

そうです。身体の反応です。

 

もう一度繰り返しますが、人の身体は負荷をかけた分、「反応」として返ってきます。時には「痛み」だったり、時には「強く」なったり。時には「何の反応も無かったり・・・」

 

この反応を目安にするんです。

 

一つお伝えし忘れましたが、高齢者の場合は、必ず「強度」ではなく、「量」から増やしましょうね。

 

なぜかって?

高齢者は特に「抵抗力」が弱いからです。いきなり強度を上げてしまうと、その代償として生じる生体反応の反動が大き過ぎ、怪我や損傷にも繋がってしまうからなんです。

 

本当に注意してくださいね。

 

もっと理解を深めたい方は、以前のメルマガでも紹介した「抵抗力」を知っておくと、いいかもしれませんね→https://jadmt.or.jp/2018/08/26/4484/

 

謎の神話をしっかりと役立つものにしたいのであれば

きちんと「量」と「強度」を考慮した負荷設定を行い

日常生活に耐えうる関節の抵抗力をつける必要があるのではないでしょうか?

 

この機会に是非、自分のやり方を見直してみては如何でしょうか??

 

PS

当院で10回ルールを見つけた方は、長島までご連絡下さい。

その際は、仏の長島も鬼と化すかもしれません(怒)


この記事を書いた人

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長島 将太

理学療法士。南川整形外科病院(http://minamikawa-hp.com/about/rehabilitation.html )JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。