ストレッチ効果をさらに高める方法とは | 日本オランダ徒手療法協会

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ストレッチ効果をさらに高める方法とは

2021.07.09

from 橋本 祐一 @自宅デスクより

 

この前、息子と二人でお留守番をしていた時の話なんですけど、久しぶりに友人から電話がかかってきて話をしてたんですよね。

 

その時は何気なく電話を終えて、私がトイレへ。

 

トイレを済ませて出ていったときになにか声が聞こえるぞ?

 

息子が誰かと話してる!?誰かいるのか!?と、リビングに行ってみると、、、。

 

私が先程していた電話のマネをしていたんです。

 

まだまだ2歳なので片言で、

 

「もしもし、〇〇でしゅ。うん。うん。そうか。ごにょごにょ。」

 

そんな姿を見ながら、ほっこりしていたんですよね。

 

そして、私が帰ってきたのがわかったのか、電話を切るマネをしていたんですけど、電話を切るときって受話器を置く動作をすると思うんですけど、

 

息子はスマホの画面をスワイプする動きで電話を切る動作をしたんです!!

 

びっくりした反面、しっかり見てるんだなと思ったんですよね。

 

これぞジェネレーションギャップ!!

 

今、家にも固定電話がなくなっているので、そりゃあスマホのマネをするわけですね。

 

ちょっと気になったので実際に職場で「電話のジェスチャーやってもらっても良いですか?」というと、世代によって、、、。

 

・電話を握っているような手つきを作り、自分の耳元に添える。

・掌は握りつつ、親指と小指のみを立たせた状態で手を耳元に当てる。

 

この2つは私と同じようなジェスチャーだったんですけど、

 

時の流れは残酷なもので、スマホ世代の少年少女たちは「手をパーに開いた状態」で耳元に添えるだったんです!!

 

電話を切る動作だけじゃなくてかける動作も世代で違うというこの事実。

 

海外の動画で10歳、13歳の子供たちが「電話で話しているフリをして!」と呼びかけられ、開いた手を耳に当てる映像が放送されたり、新世代のジェスチャーを目の当たりにしたちゃいました。

 

さらに、後輩から「今はハンズフリーのイヤホンで電話するので携帯も持たないですよ。」とトドメの一言。泣

 

自分では当たり前と思っていたことが、生きる時代によって移り変わっていくことをまのあたりにしちゃったんです。

 

でも、臨床でも同じようなことってありませんか?原因はこれだ!と決めつけていると良くなっていかない。むしろ悪くなることも、、、。泣

 

そんな、過去に自分が症状に対してこれだ!と決めつけ間違った治療をしてしまったお話をさせてもらいます。

 

臀部痛で悩む患者さん

 

70歳代、ふくよかな男性でずっと座っておくことができず、左のお尻の付け根が痛くなり、さらに太もも裏側に痛みが広がったとこられたんですよね。

 

本人曰く、痺れなのかわからないけど、座っている時や体重がかかる時がとにかく痛いとのこと。

 

股関節を曲げたり、伸ばしたりしても痛みを訴えていて、体前屈でも突っ張った痛みの訴えをしていたんです。

 

神経症状は?

・左右の感覚の変化はないが違和感はある。

・力の入りにくさや脱力感もなし。

・大腿後面を叩いたりしても痛みの広がり方は変わらない。

・仰向けで足を挙上させても痺れが強まることもない。

 

坐骨神経痛という可能性もあったんですが、神経の可能性は低いのでは?と考えたんです。

 

じゃあどこが痛みを出しているのか?

 

痛みの部位が坐骨結節部で、収縮時の痛みが強く訴えるため大腿二頭筋長頭腱が問題ではと考え、問診を進めて行ったんです。

 

きっかけは3ヶ月前に自社のエレベーターが点検と修理で2日間ほど使用中止になって、階段を5階を上り下りをした後からだんだんと痛みが強くなって、一時よりも痛みは落ち着いたけれど、なかなか痛みが引かなかったとのことでした。

 

もともと、3〜40年ほど前から腰痛を患っており、腰椎ヘルニアとも診断されていた経緯があり、その頃から腰も大腿の後面もずっと痛かったと言われていたんです。

 

仕事は、経営をされおり、デスクワークがメインでほとんどが、ずっと座りっぱなし。

 

また、孫娘の結婚式があるそうで、その時にサプライズでピアノ演奏をするため、エルガーの愛の挨拶を毎日2時間の練習しているそうなんです。

 

その時の状況に関しても木の硬い椅子にマットなども敷かずにをしていて、ここでも座りっぱなしになっているとのこと。

 

仕事も家に帰っても座りっぱなしで、坐骨結節周囲の組織は不動により循環は悪くなり、筋肉の硬さが原因で痛みを出していると考え、ハムストリングスのストレッチの指導をしたんです。

 

次のリハビリで少しは痛みが引いているだろうと期待して、どうですか?と尋ねると痛みは変わらない。むしろ痛みが強まった?

 

ドヤ顔で言ってしまい、真逆の反応だったので変な間が起きてしまったんです。泣

 

ストレッチ指導だけではダメだった理由

 

ハムストリングスのストレッチをしてもらう事は、痛みを軽減させるためには必要だと思うのですが、今回の場合は、ハムストリングスのストレッチ指導だけではよくならなかったんです。

 

それはなぜか?

 

この方は、末梢神経である坐骨神経の伸びが悪くなっていることも最大の原因だったんです。

 

だってそうですよね?体を動かす時には、筋肉だけではなく、神経系も伸びたり縮んだりしますよね。

 

ちなみに、脊髄は体前屈すると9センチ、腰椎領域では5センチ伸びるらしいんです!!

 

”神経系に対するモビライゼーション 斎藤明彦 2009年”

”Louis R:Vertebroradicular and vertebromedullar dynamics. Anat Clin. 1981:3:1ー11.”

 

さらに、この方はずっと座りっぱなしになっていることで、神経組織のスポンジ効果が失われていることで伸びなくなってしまっていたんです。

 

スポンジ効果ってあまり馴染みないかもしれませんが、主に血液供給が少ない関節軟骨や関節包、靭帯、神経などの組織の循環をよくするための仕組みの事です。

 

このような組織は主に水分とコラーゲンによって構成されており、そのコラーゲン繊維にはプロテオグリカンがあるんです。

 

プロテオグリカンとは、プロテイン(たんぱく質)とグリカン(多糖)の複合体で、中心となるコアたんぱく質に多数の糖鎖が結合した構造をしていて、その間に水分を保持する働きがあるです。

 

少しイメージしてもらいたいのですが、そこにスポンジがあって洗剤を一滴だけ垂らします。

 

そのスポンジに何も刺激を与えないと何も変化しないのですが、ギュッと『加圧』し、パッと離す『減圧』の刺激が加わると洗剤は泡を立ててスポンジ全体に行き渡ります。

 

組織にも同じことが言えるのですが、『加圧』⇔『減圧』が加わることで、電気的にプロテオグリカンへ水が結合し、潤いのある弾力を持った組織になるんです。

 

今回、ハムストリングスと坐骨神経はスポンジ効果である『加圧』⇔『減圧』が行われず、組織が硬くなってしまい、伸びにくくなっていたんですよね。

 

その影響からストレッチの刺激で神経は過敏に反応してしまい、無理なストレッチをすることでかえって痛みを強めていたんです。

 

この事を考えずにストレッチだけ指導したことで痛みを出す結果に、、、。

 

その後、ストレッチをする前に筋と神経の組織間リリースと神経モビライゼーションを取り入れ、静的ストレッチではなく動的ストレッチを用いることで、スポンジ効果と神経の滑走を促して、元々指導していたストレッチをすると、痛みはかなり軽減したんです。

 

ちなみに、その方への自主トレをする意義をスポンジ効果の説明を交えてすることで、動かすことの重要性を理解していただいて、運動する習慣もついたんですよね。

 

今まで私自身、硬く伸びない筋肉や腱にばかりストレッチをしていたのですが、なかなか結果が得られないことばかりだったんです。

 

でも、神経の伸張性やスポンジ効果を取り入れることにより、ストレッチの効果を高めることができるようになったんです。

 

もし、ストレッチで結果が出ないときは、神経にも目を向けて治療を試してみてはいかかでしょうか?

 

P.S

息子の現代的な行動にも驚きを隠せないのですが、そんなところまで見ていると思うと、自分自身がしている日頃の行動や言動もしっかりと見ているかもしれないので、悪い見本を見せないように気をつけないといけません。汗

 


この記事を書いた人

橋本祐一

福岡県在住の理学療法士。【JADMT公認】オランダ準徒手療法士。四肢コース・福岡校講師研修中。総合病院、整形外科クリニックを経験。普段は、主に一般の整形疾患からスポーツ障害の中学生・高校生などの治療を行なっている。休日に息子と戯れ合う時は、全力で遊ぶ一児の父。