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手関節可動域制限で手首だけ動かして治すは罪!
2021.07.02from 杉山貴規 自宅デスク
新型コロナの中、あなたは握手をしていますか?
私はしていません。残念ながら…
サッカーチームに所属していると、選手、監督やコーチなどと最初と最後に握手を交わすことが多かったのですが、
今のご時世そういったことが全くなくなりました。
今では肘タッチやグータッチなどがギリギリでやるくらい。
それでも、「ありがとう」や「よろしく」といった時に少しでも体や手から伝わるぬくもりがあるだけでもずいぶん感情の伝わり方が違いますよね。
手には何か魔法があるのかというくらい。
『手』にまつわる言葉はたくさんあります。
いい言葉もあれば悪い言葉もありますが、
手料理やハンドメイドは特に好きな言葉です。
このブログでも書いていますが、料理や洋服が好きなんです。
そういった時に上記の言葉があると、真っ先にそこのお店や物を手に取ります。
洋服でいうと、オートメーション化された衣類も確かにいいのですが、ハンドメイドの方が味があっていいです。
何がいいのか?
機械で作られたものは確かに左右対称でサイズも正確で選びやすいです。
かたやハンドメイドのものは左右対称に作ろうとしているのですが、それが正確じゃないところがあります。
そこに人の手が加わった感じがとても魅力的なんです。
同じ商品で店頭に並んでいても、少し色合いやサイズ感かが微妙に違うから特別感が出るんです。
そういったところがたまらないんです。
もちろん、すごい職人が作った洋服は機械では縫えない、機械では出せない色合いなどを出してくれる商品なんかもあるんで、すごく魅力があるんです。
つまり、ハンドメイドの商品にはその作った人の心がの買った素晴らしいものが多いんですよね。
これって、母親から誕生日の日にもらった手編みのマフラーなんかもそうなんじゃないでしょうか?
手編みだから、子供のために作ってくれている気持ちが乗っかっているんで、機能的に温かいだけじゃない、暖か味っていうのがのかっると思うんですよね。
ハンドメイドのものはそれがどこかに感じられるから自分は好んでしまうんです。
手の力っていうのは本当にすごいですよね。
そういった手で何かを作る動物は人間のみ与えられた能力
そんな手がうまく使えなくなったら、やはり色々と不便ですよね。
で、今回紹介するブログなんですが、『手首の関節可動域制限』についてです。
手首の可動域制限がある時って、うまくいくときもあれば、うまくいかないことってありませんか?
手首の疾患は色々あります。
手首の捻挫、橈骨/尺骨の骨折、腱鞘炎など
こういうことが起こると大概どうなるのか?
手〜前腕部にかけてシーネで固定したり、ひどいとギプス固定なんかをしますよね。
で、大概が中間位で固定するのがほとんどですよね。
それで今回紹介するのが、手首骨折でギプス固定した患者さん
ギプス固定後リハビリをするもののなかなか可動域が上がらない。
そんな悩みを持って自分のところに来た患者さんの話です。
手首の可動域がなかなか上がらない
患者さん「先生、手首の曲がりが怪我する前に戻らないんです」
こういう訴えがあったんだ。
手の状態を見ると、手術痕はなく保存で治している感じだったんだよね。
手の可動域は底・背屈共に70〜80度程度で痛みや痺れなんかはないって言っていたんだ。
しかし、怪我する前に比べて手首の曲げにくく状態。
怪我をしていない手首と比べてもその差は一目瞭然だったんだ。
そんな感じにもかかわらず、リハビリは終了して、何かあったら来てくださいって言われたらしいんだよね。
確かに、ここまでの角度行けば、そこまで生活に支障はない。
怪我した手首も他動で動かせば、怪我していない手首と左右差はないんだよね。
しかし、自動運動では可動域の左右差はあるし、他動でやっても、エンドフィールに大きな差があるんだ。
この患者さんはそこのお医者さんに
「後は自分で手首をいっぱい曲げるようにしてください」
って言われて、
リハビリの先生には、
「平らな床や壁に手をつけて体重をかけるといいですよ」
ってアドバイスされて…
これ本当にあるあるな話。
自分はこういう話を聞くたびに、残念な感じなるし、リハビリは一体何をやっているんだって感じになる。
それで、その患者さんはその話を守ってやったんだけど、
うまくいかない。
それで自分のところに来たんだ。
でも、これってあなたも経験したことないですか?
実は自分はこの経験あるし、それを推奨していたことあります。
それは、手首の可動域制限には手首を曲げる練習をたくさんすればいいと思っているから。
これは大きな間違いなんですよね。
手首の可動域制限で一番診ないといけないのは、手首=手関節ではないんです!
それは何なのか?
手首の可動域練習はするな!
手首の可動域練習をする前に必ずやらないといけないことがあります。
これをやらないと、手首の可動域制限は必ずと言っていいほど残ります。
可動域制限が取れたと思っても、手首が頭骨側や尺骨側にどちらか優位に曲がって、正常な曲がり方ではなくなります。
それどころか、その後、2次障害となって痛み・痺れなど慢性的に続くことがあるんです。
じゃ〜、何をすればいいのか?
それは、手根骨を見る必要があります。
手根骨はこの部分です。
手根部にある8個の短骨の総称。 舟状骨,月状骨,三角骨,豆状骨の近位列の4個と,大菱形骨,小菱形骨,有頭骨,有鉤骨の遠位列の4個からなるんです。
これの何を診るのか?
それは配列と動きです。
手首をギプスヤシーネで長期にわたり固定するとこの部分が崩れ、動きがガチガチになります。
崩れている場合、この配列を直す必要があります。
この手根骨、石垣のような状態です。
石垣の土台が崩れていると手首を動かす時に変な動きになってしまい、尺骨側や頭骨側に動いてしまい、正中位に正しい動きをしなくなります。
だからこの配列を直す必要があるんです。
また、少し動きがないといけません。
動きすぎもダメですが、モビライゼーションで多少動きが出るくらいの余裕がないといけないんです。
そうしないと、手首もそうなんですが、手指の細かい動きができなくなったり、様々な形状のものを持つ時に対応できなくなるんです。
つまり、手根骨の配列や少しのMobilityがないと手から前腕の筋力がうまく発揮できず、手の機能が失われ、手首が動きにくくなり、手首の可動性の低下につながるんです。
そういったことも踏まえて、手根骨の評価を行い、手根骨を治療して、手首の動きを出していくことが、手首の可動性向上に繋がります。
だから、手首をただ単に、背屈・底屈・尺屈・橈屈側に動かす単純な方法でのリハビリ介入は失敗することがあるんです。
もし、ただ単に動かす方法でうまくいった時は、手根骨の配列や動きが正常の状態に保たれていただけだと思ってください。
まずは、手根骨の配列の評価から始めれば失敗することは少なくなると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
この評価は骨折だけに特化したものではないので、手首の可動性がどうもうまく向上しない時にも使えます。
PS
手の力は本当にすごい。
だからこそ、大切な人にはハンドメイドの物をプレゼントしたり、料理をしたりしてみてください。
きっと喜ぶはず。
さて、今日は何の料理を作るかなぁ〜(笑)