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オスグッドの痛みが取りきれない原因はこれだ!
2021.09.10from 杉山 貴規 自宅デスク
今年の夏も結局どこにも出かけずに家の周辺で過ごす結果に。
家の周辺というのは、スーパー、コンビニや公園
仕事に行くときは車で移動。
このときは、ドライブになるからいいかと思いきや、五輪の関係で高速運賃もバカにならず、結局、下道で渋滞に巻き込まれながら、イライラする毎日。
本当に、虫の居所がない状態。
唯一の楽しみは、自分で作る食事
試行錯誤の料理を作っては食べ、作っては食べの毎日。
でも、それでも普段の日常ではないので、出かけようにも人の目と医療関係ということもあり、コロナにかかってはいけない使命感にかられ、悶々とする。
このイライラどうにかしてくれ〜
ってな日々。
そんなストレスを日々感じているのは、自分だけではないはず。
あなたもそうですよね。
仕事、家庭、プライベートなどなど
様々な面でストレスを感じていると思います。
だいぶ前に、大坂なおみ選手が鬱ということを発表。
それで、記者会見を欠席するなどでニュースになりましたよね。
それがきっかけで、今回行われるテニスのUSオープンでメンタルヘルスを大会側用意するとのことになったことを知っていますか?
これって、かなり画期的なんです。
スポーツの大会で怪我を見るドクターやトレーナーは常駐するのは普通ですが、メンタルの部分まで見れる場所を作ったのは、すごいことだなぁと思うし、今までなかったのが不思議なくらいです。
よくスポーツ選手や解説者や玄人の人も
「スポーツはメンタルが重要なんです」
「最後はメンタルなんです」
「〇〇はメンタルスポーツなんです」
っていうのをテレビでよく聞きませんか?
それにもかかわらず、メンタルヘルスを見るドクターやトレーナーが大会にいなかったことが不思議なくらいなんです。
なので、このUSオープンでこの部署を置いたことはスポーツ界においてはすごいことだなっと思ったんです。
これが、世界大会だけでなく、裾野を広げて下の年代まで普及してくれれば、選手が本来持っている力を思う存分発揮したより面白い試合になっていくのかなと思っています。
さて、自分も患者さんを見るときには、体・心・栄養を必ず診るようにしています。
それは、人間にとって重要なものだからです。
体が良くなっても、心と栄養が悪ければ、治りが悪かったり、再発することはザラです。
なので、この3点を除いたリハビリなんて考えられないんです。
で今回のテーマなんですが、オスグッドについてです。
このオスグッド、この3つの点が超重要になってくるんです。
なんで、重要なのか?
それについて紹介します。
治らない膝
実は、先日オスグッドのサッカー選手を診ることになったんですが、痛みが長期にわたり続いていた子だったんです。
杉山(杉)「どうした?」
選手(選)「膝が痛いんです。オスグッドで言われて」
杉「そうなんだね。でも休めば治るよ」
選「それが、もう2年も前からなんです」
杉「えっ、え〜〜〜」
オスグッドは成長痛の1つ
自分もなったことがあるんで、この選手の気持ちは痛いほど良くわかる。
でも、こんな年数、痛みを伴った選手は初めて。
なんでこんなことになっているのか?
考えることができるのは?
・痛みが治らないでプレーを続けている
・治ってすぐに、強度の強い練習をしている
・病院や整骨院などに通っておらず、自己流で治している
ってなことが考えられるんだ。
おそらく、そうだろうって思ってその選手から色々と聞いたんだ。
すると、
医者やリハビリの先生のいうことを聞いて練習には参加していたっていうんだ。
そうなると、
考えられるのは、負荷のコントロールがなってないってことが考えれるんだよね。
それで、現状、病院や整骨院に通っているのかを聞くと、病院にはいかないで、整骨院に行って膝に電気を当てている程度っていうんだよね。
整骨院の先生からも痛みに配慮しながらプレーしてもいいっていう指示をもらっているんだよね。
しかし、練習にはくるけど、紅白戦にも出れず、アップの途中で自主練習になってしまって、練習の大半は持久系の練習とパスコンをしているっていうことなんだよね。
痛みの有無に関して聞いたら、
練習中は常に痛みがあって、整骨院でもらったサポーターをつけて、膝の痛みを我慢しながらやっている状態。
これじゃ〜ダメ!
こんなの本人も、親もコーチも誰でもわかると思うんだけど、
それでもやっていたのには原因があったんだ。
それは、
・2年にも及ぶ膝の痛みの原因が一体なんなのか誰もわかっていないこと
・最終学年になって、試合に出たい焦りで無理をしている状態
・オスグッドという怪我を誰もが軽視している
っていうことなんだよね。
それで、本人、監督、コーチを交えて話し合い、もう一度病院に行き現状の把握をドクターにしてもらい、練習を回避するようにしたんだ。
・ランニング中止
・リフティング中止
・ボール使用中止
・ドリブル中止
・ジャンプ中止
などなど
とにかく、歩く以外の膝に痛みが出ることは全て中止したんだよね。
その間は上半身のメニュー中心で過ごしてもらったんだよね。
それから、3週間くらい経って、痛みは徐々に軽減してきて本人もこれでできると思っていたんだ。
しかし、念には念ともう1週間様子を見てから、負荷のコントーロールをして復帰を目指すことにしたんだ。
自分が中止を言い渡して、2ヶ月後の全体練習の復帰を目指したんだよね。
ドクターもそれならば大丈夫っていう感じだったんだ。
それから負荷コントロールをして痛みに留意しながら、2ヶ月経ったんだ。
最後に、ドクターに画像診断をしてもらって、OKをもらうはずだったんだよね。
しかし、ドクターからは意外な言葉が返ってきたんだよね。
ドクター「もうちょっと様子を見ましょうか?脛骨結節がねぇ〜怪しいんで…」
(おいおい、かなり慎重にやったよオレ)
そんな、俺のことよりも、選手の落胆ぶりが半端じゃない。
じゃ〜一体何が悪かったのか?
練習の負荷が強すぎたのか?
う〜ん
それで今後のリハビリスケジュールを彼と話したんだよね。
それの話の中で、思いもよらないことがわかったんだ。
焦りが治りを遅くする
選手からいろいろなことがわかったんだけど、
・この2ヶ月試合に出れない焦り
・他の選手がどんどん上手くっていること
・リーグ戦に出たいという焦り
そういう焦りがかなり、本人を追い込んでいたという事が分かったんだよね。
これは、本人以外からも色々聞かないといけないということになって、選手の親御さんにもリサーチをして見たんだ。
やはり、家でもサッカーができない辛さとリハビリばかりで、かなり辛かったそうで、何よりも、食事もあまり食べていなかったっていうんだよね。
練習後も、家に帰って少し食事をして、すぐに部屋でスマホをいじって、
毎朝眠そうな感じだったらしい。
これが原因の一因になっている可能性があるって考えたんだ。
それは自律神経のところ
つまり、
ストレスを過度に感じると交感神経が優位に働いて、不眠になったり、腸の動きが悪くなって食事を受け付けなくなったり、食事をしても栄養素を四肢に供給できなかったりするんだよね。
その結果、怪我をしているところに栄養が行かなくなって、治るもの治らない結果になるんだ。
それは日々の負荷コントロールをした練習にも現れる。
いくら、負荷のコントロールをして
・筋力トレーニング
・持久系トレーニング
・バランストレーニング
・アジリティートレーニング
・スプリントトレーニング
などをしても、それぞれの効果をストレスによって無効になってしまう。
つまり、意味がなくなってしまうんだ。
それが痛みを伴っていたとしたら、なおさら効果は低くなる。
もしかしたら、痛みを我慢して練習していた可能性がある。
それは、焦りから我慢していた可能性だ。
という点から、オスグッドが完治しない可能性が高いって考えたんだ。
そこで、もう一度、選手・親御さん・監督とコーチを交えて、上記のことを話したんだ。
それで、選手からも今まで怪我で溜まっていたこと、辛かったかこと、未来のこと
などなどを吐き出したんだよね。
監督・コーチも選手のその様子をみて、色々と話してくれたんだ。
それが分岐点になったのか、
もう一度リハビリをリスタートさせたんだ。
いうまでもないんだけど、
それから1ヶ月後にドクターからの復帰のOKが出たんだよね。
今では、痛みもなく好きなサッカーをしている。
今回の話で重要なのは、オスグッドを『筋肉』と『骨』だけで見てはいけないということなんだ。
評価するときには体のほかにそれに関わる、『心』と『栄養』という点からも見ていかないといけない。
世界がようやくメンタルヘルスをスポーツに導入している。
リハビリもその点からも患者さんをみて、怪我・病気・様々な症状を改善していく必要があるんじゃないかって思う。
PS
さて、来年の夏休みはどこか旅行でもしたいものだ。
今年はメンタル強化につなげたい!